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2024年7月7日(日) 21:09

空間ビデオ

 Apple が Vision Pro を発売すると共に、空間ビデオと称する概念を持ち出した。一部では、3Dのリバイバルか?と言われているがそうとも言えない。Apple は、現在の技術動向を読んでうまく立ち回っていると感じる。

 十数年前の3Dが廃れた後、VR360 が登場した。
 続いて、Google が VR180 3D を提唱した。VR180 と違ってカメラの後方が映らないので、撮影者や機材を隠し易い。多くのイベントにおいて全周360度は映り過ぎであり、前方半球だけ映れば十分なことが多い。同じ情報量で 3D 化できるので、VRにふさわしい現実感が得られる・・・などなど。
 ところが周知の通り Google は短期間で VR180 3D から撤退し、対応機材を発売したメーカーはハシゴを外された形になった。

 3Dが廃れたように、3Dであることはメリットではなくデメリット扱いされてしまったのだ。
 3Dの大きな欠点は、鑑賞のために特殊なハードを必要とすること。2Dである VR360 は、従来の鑑賞機材すべてがそのまま使える。VRゴーグルで鑑賞することもできるが、不可欠ではない。それに対し VR180 3D はVRゴーグルを使用すると革命を味わえる一方で、VRゴーグルを使用しないならば VR360 の下位互換と化してしまう。
 VRゴーグルで鑑賞すれば VR180 3D の虜になるのは間違いないと思う。しかしVRゴーグル自体が余りにも高い敷居となっている。VR酔いも解決されていない。
 更に、VR180 3D には撮影機材に超絶の高性能を必要するという欠点もある。これは過去に書いているが、十分な現実感を得るだけの解像度とフレームレートを実現しようとすれば非現実的なコストの機材が必要となる。

 そこで空間ビデオの登場だ。
 Apple Vision Pro では、空間ビデオを仮想空間の一部にそれこそ立体テレビのように出現させている。いわば VR90 3D のようなものだ。
 肉眼の視野角より狭いので、現実ではないことが丸分かりとなる。だからこそ空間ビデオという新用語を持ち出したのだろう。だがこれは、VR180 3D のデメリットの多くを解消している。
 まず、多くのイベントや日常記録で、半周180度は映り過ぎである。VR180 3D 撮影やっていて、余計なものが映り込むことには悩まされる。たいていのイベントは、90度の範囲が映れば十分に残せる。もちろん没入感は損なわれるが、これは逆にVR酔いし難いというメリットにもなる。
 古い3Dビデオと似たようなものに感じるかもしれないが、古い3D撮影では大半の機材が短いIPDだった。肉眼同様のIPDにすると近距離が写せなくなる。だが、VR180 3D の中央部分だけを取り出すような手法であれば、近距離も問題なく写せる。
 そして何より、撮影機材への要求スペックが激減する。視野角を 180 度から 90 度に半減させると、VR180 3D なら 8K×16K でなければ実現できない解像度を 4K×8K で実現できてしまう。

 キヤノンには空間ビデオの撮影に対応した DUAL LENS を作って欲しいものだ。それと Apple Vision Pro(あるいはもっと安い後継機)が組み合わされば、貴重な「空間」を高品質で後世に残すことができるだろう。

written by higashino [Virtual Reality] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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