2007年11月10日(土) 19:28
ポリエチレン可能な接着剤を買うため東急ハンズを漁ったら、思いがけないことになった。
接着剤は2種類あったが、ではいざそれでくっつける塩化ビニール板やPET板を探したら、厚さ0.2ミリまでしか置いてなかったのである。0.1ミリがあると思ったのは錯誤か?
もちろん、透明ポケットのルーズリーフ等を流用すれば、容易に0.1ミリ以下の板が手に入る。しかし、手巻きコイルの端面に使う板はある程度の「腰」が必要だ。ふにゃふにゃでは事実上作業できないのが分かっている。
そうなると、逆に普通のプラスチックでも厚さ0.21ミリというのが発見され、わざわざ接着困難な素材を使う意味が無くなってしまったのである。
オーブンで焼いて手作りキーホルダー作りする特殊なプラスチックには0.2ミリというものもあった。
いずれにしろ0.2ミリでは2枚重ねて0.4ミリとなるとロスが多すぎる。コイルの片側側面だけに使用し、コイル間は2枚ではなく1枚だけが挟まるという絶縁仕様にせざるを得ない。しかしそうすればもうあれこれ悩まずに済む。
330Vを絶縁するだけなので、板が傷付いていても空気だけでもOK。単なる0.2ミリのスペーサーとして働いてくれれば十分だ。
ただ、これで多段コイルの絶縁問題が片付いたとも言えない。問題は、弾丸のパチンコ玉である。
コイル内部をパチンコ玉が通過し、コイルとコイルの境界に差し掛かったときにコイル壁に接触すると、パチンコ玉を通して隣接コイル間に電流が流れるかも知れない。ストームタイガーの放電回路をフッ飛ばしたのは実はそっちが主犯ではないかとも疑っている。
これもまた、芯にアクリルパイプでも使用してその中にプロジェクタイルを通せば全く心配せずに済むことだ。性能を最優先し芯パイプを使わないから悩まされる。性能で妥協すれば一気に楽になるんだけど。
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2007年11月7日(水) 17:21
プラスチック板や樹脂板を検索するのではなく、絶縁テープから攻める。
これは有効な発想の転換で、コメントに感謝である。
最初に検索ヒットするのが、スリーエムの電気絶縁テープ。
これを見ると、厚さ0.1ミリ以下で絶縁電圧が数千ボルトという素材が普通に転がっている。基材の性質を記載したPDFも公開されており、物理的特性と接着性を考慮すると、
ポリエステル
ポリイミドフィルム
エポキシフィルム
あたりが狙い目と思われる。別にスリーエムから粘着テープを買わなくても、素材としてのフィルムでどこかが売ってるかもしれない。売ってなくても、電気絶縁テープを漁って秋葉原をサーチすれば入手出来そうな気がする。しかし、塩化ビニールやポリエチレンほどではないにしろ、ポリイミドは接着剤に苦労しそうだ。
そう考えて次に、接着剤を調べてみる。
日本合成化学が理想的スペックのポリエスターってのを出している。塩化ビニールやポリエチレンと金属を接着出来るようだ。塩化ビニールとポリエチレンは厚さ0.1ミリのシートを極めて容易に入手出来るため、それが接着出来れば問題は解決する。
しかし、ポリエスターで検索すると接着剤ではなく素材名として大量ヒットする。どうもすっきりファイナルアンサーが出てこない。
迷った場合は、簡単に実行出来るモノから試すのがいい。ポリエチレンを接着出来ると称する接着剤は数少ないが小売りされている。まずは、それが使い物になるかどうか?だろう。
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2007年11月5日(月) 18:14
実際のところ、コイル間絶縁を適切容易に行う方法は、簡単に気付く。それ自体はちっとも問題ではない。
コイルを巻いてエポキシで固める際に、ボビンにコイルが接着してしまうのを防ぐために従来から仕切り板を一緒にくっつけている。ここで、仕切り板の厚さを0.1ミリ程度とし、コイルの両側に仕切り板も接着した単体コイルを必要数製造する。
最後にそれぞれのコイルを仕切り板同士接着し、目的の多段コイルを得る訳だ。
仕切り板は絶縁体として働くが、傷など欠陥もあり得る。しかし、この場合コイル相互は2枚の仕切り板で絶縁される。2枚の欠陥位置がたまたま一致しなければ絶縁性は確保される。また、電圧が330Vと比較的低いため、もし欠陥が一致しても0.2ミリあれば空気だけで絶縁可能だ。
0.1ミリ×2というのは、合成磁場の性能には余り影響を与えない一方で330Vを絶縁するには十分という、適切な仕様だろう。
以前ハマったように心棒を引き抜けず困る可能性もなく製造容易であり、信頼性も簡単に確保出来る。単体試験をパスしたものだけ集めて組み立てれば良い。どこにも問題が無い多段コイルの理想的な製造方法だ。
ところがこれ、容易に実行できないのである。
問題は、仕切り板の素材をどうやって入手するか?である。当たり前だが金属の薄膜などでは絶縁性が論外だから、樹脂やプラスチックが候補となる。木材では0.1ミリの均質な薄板は難しい。紙では強度や耐久性が保証出来ない。
困ったことに、0.1ミリ前後の絶縁性シートとなると、ポリエチレンのような接着できない素材しかないのである!
接着可能で絶縁体である。そんな素材はアクリルなど0.5ミリまでしか販売されていない。それより薄いものが手に入らない。
薄板が入手可能で絶縁体である。そんな素材は接着できないものしか手に入らない。
薄板が入手可能で接着も出来るとなると、金属・・・絶縁出来ない!
0.1ミリ厚のアクリル板とか売っていればそれで万事解決なのだが・・・接着剤に対する耐性の難ありだが実用上は問題ないポリカーボネイトでもいい。まさかこんなハマり方するとは・・・
ポリエチレンを接着可能と称する接着剤も売られているが、果たしてポリエチレンと金属はくっつくのか?
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2007年11月1日(木) 17:13
ちょっと鬱状態。実験はなかなか進まない。
レーザーはステンレスの足切りがとんでもなく重労働でまるで進まない。ヒートシンクをレーザーダイオードに固定するための金具を厚紙で試作し形状を決定したいのだが、足を切り落とさないとそこに進めない。
ストームタイガーは適切な2段コイルを製作せねばならないが、それには「適切」の基準を決めねばならない。絶縁に不安が無くコンパクト高性能・・・
これはコイルガン10の根元部分3段で、コイルガン3の実験に使うコイルの候補だ。
作った当時はまずまずの出来と思っていたが、現時点で見直すと非常に不安。心許ない。3対の配線それぞれの対における絶縁はまあこれから処置しても十分だろう。しかし特にコイル間絶縁は本当に大丈夫なのか?
第1段など0.35ミリという細いエナメル線を使っているだけに、信頼性に大きな不安がある。400V弱で1分間OKなら許せると考えているが、そこまでも到達出来ているかどうか?
コイル間絶縁が破れた場合、かなりの確率で短絡後のインダクタンスが小さくなる。すると、設計よりピーク電流が大きくなる。しかも、短絡が発生したコイル両方ともにそうなる確率も高い。結果として放電回路に大損害が発生する。
放電回路の単体試験は散々重ねて改良を行い、ネガ潰しに奔走した。しかし肝心のメインコイルが壊れてはどうにもならない。そして壊れないかどうか既存の自作コイルは不安だらけ。
ストームタイガーで破滅する直前に2段目の放電回路を試験した旧主砲は壊れずに何発も動いた。しかしアレだって要するに2つ内蔵されたコイルのうち1つしか通電しなかった訳で、コイル間絶縁はどうだか知れたものではない。
これまで作った中にも「適切」なコイルはあるかもしれない。だが、コイル間絶縁のシビアさに対して認識が甘かったので、もし仕上がりが適切だったとしてもそれは単なる偶然だ。だったらどう作れば「適切」なのだ?
せいぜい400Vなのだからコイル間を0.3ミリも開ければマージンたっぷりだろう。0.5ミリも開けるなら製作は容易となるが無駄が大きい。ストームタイガーの2段コイルでさえ、コイル全長の0.5ミリを争っていたぐらいだ。
しかし、コイル間を0.3ミリ以下に抑え、しかも一部だけ間隔が詰まったりしないような製作を行うのもまた難しい。やるなら、安定して製造出来る製作手法を確立せねばならない。
それでようやく、ストームタイガーの主砲も製造出来る。
コイル相互の絶縁が不安なら更に不安なのがパチンコ玉の保持機構。
あれこれ試行錯誤を行った末に、ピアノ線を利用した方式に落ち着いた。しかし、ただでさえ絶縁問題がシビアなのに、ハガネをコイルに押し込むのは不安大アリだ。もちろん以前から不安はあったが、「やってみたら大丈夫だった」ので気にしないことにしてしまった。
だが、信頼性を低下させているのは明白だ。
釣り用のテグスを代用したことがあった。
性能が出ないため放棄されたが、当時の実験を振り返るに性能が出なかったのはテグスのせいではない。放電回路の一部が壊れていたのに気付いていなかったせいだ。つまり、ピアノ線だろうとテグスだろうと性能はほぼ同じ(はずだ)。
変化する理由は考えつかないしむしろ僅かな違いがあるなら磁力に無関係なテグスの方が良いと思われる。
犯人がテグスではなく放電回路と気付いた後も、「ピアノ線で別に問題が出ていない」のでテグスに変えたりしなかった。しかし今や、動くかも知れないが不安ということになっている。
保持手段をテグスに変えるべきだろう。
保持方式は変えたくない。いろいろ試したが、省スペースでこれ以上の方式はなかなか見つからない。
長々と書いたが、早い話がストームタイガーだけでなくコイルガン10のためのコイルも作り直すってことだ。少なくとも根元の3段分は。
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2007年10月28日(日) 20:05
とっても手抜きなPIC試験ユニット。
I/Oポート出力をLEDで確認する。330Ωで電流制限し、定格を越えないようにしてある。
Bポートの片側4つを一度にチェックしたかったが、手持ちのLEDが3つしかない。この手のLED在庫が無いのをうっかりしていて、買い出し漏れになった。LEDなんてどこでも手に入るが、いつでも買いに行けるとは限らない。休日であっても、朝から用事があればショップは開いていない。LEDに通販ってのもムカつくしなぁ・・・
Bポートを順番にONにするプログラムをPICに書き込み、さっそく動かす。ところが、LEDが点滅しない。ずっと明るいままだったり暗いままだったり。
PICのソースリストを確認して気付いた。A4に接続したスイッチを押さないと点滅がスタートしないように作ったんだった。
右上の赤いプッシュスイッチを押すと、無事に点滅が始まった。やった!周波数シンセサイザーによってPICは一応動いているぞ。と思ったがまだおかしい。周波数を変更しても点滅速度が変わらないのだ。これでは、大仰なシンセサイザーを使えるようにした意味が無い。
それ以前に、周波数シンセサイザーが効いていないのであればこのPICは何のクロックで動作しているんだ?
PICが暴走しているのであれば、LEDが規則正しく点滅する訳がない。
なにぶん古いシンセサイザーなので、周波数変更が効いていない可能性はある。それでは今回のコイルガン計画には困る。多段式の通電タイミング全体をPIC周波数可変によりスムーズに変更する。それが設計の重要ポイントなのだ。
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