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2007年05月10日の記事

2007年5月10日(木) 17:10

多段式コイル製作上の注意

 何てこった。エナメル線の絶縁が破れたか・・・多段式になればそれだけ絶縁不良の確率も高くなるから、コイル製作時は確認しながら進めねばなるまい。
 更に問題なのは、短絡でインダクタンスが激減すれば電流が増大すること。設計以上の電流がIGBTに流れて、破壊されたんじゃないか?
 恐る恐る放電回路をチェックする。4カ所のIGBTユニットは、どこも壊れていない。続いてコイルのインダクタンスを調べる。通電前と変わらない。330Vでは短絡しても低電圧では大丈夫なようだ。少なくともエナメル被服が破壊されっ放し状態にはなっていない。

 何だか妙だ。

 コイルピストルを引っ張り出して、コイルの代わりにコネクターを装着。製作は容易だがフライホイール型の余りの低性能がはっきりして来た現在、当初のようなピストルとして復活させる気にはなれない。同じ22ジュール注入でも2段回生型による遙かに強力な飛び具合をナマで拝んじまったからな。
 そこで、コイル試験装置として活かすことにした。携帯可能な330Vの放電装置として使うのだ。1つずつコイルに接続して放電すれば、330Vで絶縁がキープされているかどうかを試験出来るってこと。三号主砲に接続し、2つのコイルいずれが絶縁破壊しているか調べる。

 おかしなことに、どちらも絶縁は大丈夫だ。火花が散るとか異音がするとか異臭がするとか、何らかの異常は全く感じられない。どうなってんだ?
 コイルのインダクタンスもやはり減っていない。今度はパチンコ玉を装填し、コイル1つだけに通電。1段目ではちょろっと飛ぶ。2段目だけだとやや勢い良く飛ぶ。いずれの場合も1段目と2段目の両方に通電するより勢いがある。これってまさか・・・

 そうだ!2つのコイルに電流が逆向きに流れ、発生磁力が打ち消し合ってやがる!

 こんなことにならないよう、巻く方向は2つのコイルで揃えている。いや、そうじゃない。巻きが合っていても、通電方向が違えば駄目だ!
 磁石と磁石を接近させると、同極なら反発し異極なら吸引する。それに対し、鉄と磁石を接近させると、N極だろうがS極だろうが吸引する。磁石ではなく鉄なパチンコ玉を発射する場合、電流の向きは関係が無い。どちら向きに電流を流してもしっかり吸引され、コイルガンは働く。だからつい電流の向きに無頓着になっていた。
 多段式コイルガンにおいても、電流はどちら向きに流しても構わない。ただし、電流の向きが全コイル揃っていなければならない!

 どうりで、空撃ち時にコイルから大きな音が鳴る訳だ。2つのコイルが互いに吸引するか反発するかして、大きな物理的負荷が加わるのだ。これで一時的に絶縁が破れてオレンジフラッシュになったか、またはエポキシがまだ充分に固まっていないため絶縁が甘かったのだろう。いずれにしろ現在もう絶縁は大丈夫になっている。
 一方のコイルの端子を逆接続すると、パチンコ玉は勢い良く射出されるようになった。

 プロジェクタイルが磁化するのを防止するため、わざとコイルの通電向きを逆あるいは互い違いにしたデザインもあり得る。しかしその場合、各コイルは磁力が殆ど干渉しないほど距離を置かねばならない。自分が作ろうとしている多段式は合成磁場が重要なので、コイルは隙間無く敷き詰める。この場合、通電向きをすべて揃えねばならない。揃えた上でどっち向きに流すかは自由だが。

IGBT・ON時間 250+510μ秒 250+570μ秒
1 19.32 18.10
2 18.98 18.68
3 18.44 17.84
4 17.97 18.01
5 18.33 17.32
6 17.94 18.94
7 18.33 18.36
8 19.23 18.80
9 17.81 17.54
10 18.23 18.87
残存電圧 105V 93V
平均初速m/s 18.47 18.25
平均ジュール 0.938 0.916
初弾効率% 4.28 4.18
次弾効率% 4.76 4.54

 かくして三号主砲は活動を開始した。しかし、弾速を測定するまでもなくパワーが出ていない。あれこれ通電条件を変えるが、どうにもならない。まるで使い物にならない。2段目コイルに巻いたエナメル線が短過ぎたのだろう。どうやら二号主砲が決定版のようだ。
 二号主砲は砲尾のポリカーボネイトワッシャーがタイトで、パチンコ玉装填で引っ掛かる。被服を傷つけないよう注意しつつワッシャーの穴を拡張し、引っ掛かりを無くした。ところが、それによって急にパワーダウンしてしまった。

 全長2センチに満たないコイルでは、プロジェクタイルの初期位置の影響は極めて大きい。最適位置よりコイル内部に挿入された位置にセットされるようになっただけで、とんでもなく非力になる。
 簡易シミュレーションでも示されたが、コイルガンは初期位置が挿入され過ぎると凄まじく悪影響がある。改善するには固定用ピアノ線を張り直すべきだが、エポキシで固定してしまっているので無理。

 既存ピアノ線の中央部を切り取った上で、新しいピアノ線をセットする。両端はエポキシで固まっているため、上部に残ったスリットから垂れ下げるしかない。果たしてパワーは復活するだろうか?

 だが、修正中から悲観的だった通り、これではどうにもならない。ピアノ線が変形し難いため固定が極端に固くなってしまった。
 何てこった!決定版だと思われた二号主砲が事実上使い物にならなくなってしまった(自分で壊したとも言う (;_;)

 こうなったら幾つでもコイル作ってやろうじゃないか!
 二号主砲は砲身がエポキシ固定式なのが唯一気に食わない。おかげで空間を1ミリ以上損している。ファイナルアンサーであるハンダ付け砲身で作れば、更に完成度が高くなろう。

written by higashino [コイルガン戦車 1/35] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(2)] [TB(0)]

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