2008年12月19日(金) 17:25
取り外したキヤビティーを調整台に置き、OCの向きを改めて調整。共振しないとなったら、やはりつい少しOCを動かしてしまったからだ。偶然に共振する確率は相当に低いのだが、それでも手探りで僥倖に期待してしまう。
その後、長さ1メートルのアルミ柱に載った調整装置一式を机から下ろして一時保管。代わりに、励起用レーザー発振システムを運んで来る。スイッチング電源と水冷装置。超高出力半導体LDアレイとそのドライバーと揃えるとかなりの面積を取る。
励起レーザーの照射位置はキャビティー底のマウントで調整する。3カ所に六角レンチを差し込んで動かすが、そのためには底面より更に下に作業用空間が必要となる。そこで、机から突き出すようにキャビティー部分を配置。
問題は、1064nm蛍光の観察手段だ。半年前に使っていたビデオカメラはアナログテープ時代の骨董品なので、映像を取得するのが大変である。わざわざビデオキャプチャーシステム一式(パソコン含めて)を稼働させねばならない。家の現状ではこれが「大騒ぎ」のレベルになる。
しかし、ブログ公開の映像を諦めれば、ビデオの液晶モニターを見ればいい。他に機器を動かす必要がない。実際のモニター映像を見たいというニーズは確実にあると思うが、自分の苦労がとても引き合わないので当面公開しない。
しかしデジタル機器で撮影出来れば、公開用の映像を簡単に得られる。
そこで改めて試してみたが、まるで駄目。808nm励起光ならまだ可視波長に隣接しているため写せないこともない。だが、1064nm蛍光は絶望的。というのも、最近のデジタル機器は赤外線カットが徹底しているのだ。
理由の一端として盗撮問題があるのは確実だが、本当の理由は色再現性である。デジタル時代になって簡単にデータが得られ、しかもネットの普及でクチコミが凄まじく速い。そんな中で、僅かな欠陥も大げさにあげつらわれて批判され駄目製品呼ばわりされる。赤外線に感度があると、特定の照明下で特定の物体の色が化けるのだ。
殆どの場合は関係ないが、一度おかしな色になる状況が知られると、変色カメラのレッテルを貼られる。現実には全く困らないのに。
そうなると、メーカーも徹底して赤外線を排除に掛かる。光軸調整で拡大ライブビューが大活躍した最新の一眼レフも、1064nmの感度はゼロである。数学的な意味でのゼロではもちろんあり得ないが、実際のところモニターは真っ暗。本当に光のカケラさえ写らない。フィルターとダイクロイックミラーの2段構えで赤外線を消している。
ロートルなアナログビデオカメラが、引退出来ない。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
Generated by MySketch GE 1.4.1
Remodelling origin is MySketch 2.7.4