2009年2月2日(月) 18:07
1MΩ×2本の最終電圧検出用抵抗は、1本を短距離にハンダ付けし直す。
電源配線を行い、これにて製作完了だ。いちおう配線が正しく行われているかどうか確認するが、ことココに至っては回路図が頭に入っているので簡単。
そんな回路図も時間が経てば忘れるので、作り直しは即座に行う方が効率的だ。
素の状態で、動作確認。
一発で正常動作し、電圧調整もスムーズに行えた。平均電流はタイミングコンデンサーが
12000pF で1.8Aも流れるようになり、充電完了も2秒。1倍半のパワーアップで効率は変わっていない。
だが、非常に安定性が悪い。先代は試験当初の安定性は素晴らしかったのに、今度はエポキシも流し込まないうちから充電完了電圧が5V近くも暴れまくる。出力バッファのコンデンサーが
0.1μF から 0.22μF へと大幅に小さくなってしまったが、いちおうターゲットの11ジュールも接続済みな訳で、それだけでここまで酷く不安定になるのは考え難い。
これでは不安定の原因を調査出来ない。エポキシが特定のパーツに流れ込むとか関係ないのか?
理屈の上では、エポキシはほぼ完全な絶縁体であり影響しないはずだ。
もっと素直に考えると、オペアンプによる電圧比較が安定していないってことになる。比較の一方は基準電圧ダイオードでありそれほど不安定な訳がない。実際、先代の稼働一発目は素晴らしい安定度だった。また、単純に抵抗で分圧されているコンデンサー電圧側もそうそう不安定なはずがない。
残るはオペアンプ自体の不安定さか、それとも・・・J607 の反応が鈍いのか?
LMC662 のスペックを再確認し、どうやら回路図に設計ミスがあると気付いた。J607
のゲート駆動に 330Ωを挟んでいるが、LMC662 の定格は 18mA しかない。5V系ならいいが、7.2V系ではオーバーしてしまうだろ。回路図を流用する際には電圧に応じて定数を変更するが、変更すべき定数を変更し忘れるというのは、ありがちだ。
だが、抵抗を大きくすると J607 のゲート駆動が更に遅くなる。J607 の反応が遅れれば、とうぜん停止電圧が不安定化する。
もう1つ、オペアンプの増幅率も問題だ。LMC662 では周波数1.4MHz まで上がると増幅率が1に落ちてしまう。しかし充電器では10KHz
程度以下だ。その場合、増幅率はどの程度なのだろう?
オペアンプの原理を説明する場合は、増幅率は無限大に近いという言い方が良く行われている。自分の感覚では、無限大に近い倍率とは1億倍とか1兆倍というオーダーだ。ところが、実際には1000倍とか100万倍しか無いような感じ。これは意外に厄介で無視できない。基準電圧ダイオードは
1.235V である。充電電圧330Vに対し0.3V程度の安定性を得ようとすれば、1ミリV程度の精度で比較が出来ねばならない。
電圧が 0.001V 変動しただけで、J607 のONとOFFが切り替わらねばならないのだ。J607 のゲートは最低でも4Vほどスイングさせねばならないため、オペアンプは増幅率4000以上を要求される。増幅率が不足しているとか、求める増幅率を実現できる周波数が想像より低くて反応が遅れまくっているとか、ゲート操作電流が定格オーバーで性能が劣化しているとか、考え出すと不安定の原因候補が次々に浮かんでくる。
written by higashino [コイルガン戦車 1/24] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(3)] [TB(0)]
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