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2024年05月24日の記事

2024年5月24日(金) 19:53

自衛隊のレールガン

 ところで、コイルガンと似たものにレールガンがある。一般にはレールガンの方が遥かにメジャーである。自衛隊がマジメに開発を進めているのは周知で、youtube でも威勢のよい個人製作の紹介動画が豊富だ。
 しかし科学的興味を満たす動画は、公式含めてほとんどない。

 実際には、自衛隊が開発中のレールガンは、詳細なスペックが公開されている。
・口径40ミリ
・全長6メートル
・重量8トン
・初速2297m/s
・飛翔体重量320グラム(たぶん弾丸+電気子+装弾筒)
・コンデンサー充電電圧8500ボルト
・充電エネルギー500万ジュール

 ここから計算すると、コンデンサーの静電容量は34.3F(3430万μF)となる。あきらかに戦車に積める量ではない・・・っとこの言い方は紛らわしいな。
 静電容量ではなく500万ジュールという蓄積エネルギーの方が直接効いて来て、電解コンデンサーなら数トンで済むかもしれない。しかしレールガンの高電圧大電流に電解コンデンサーは無理がある。普通はフィルムコンデンサーやオイルコンデンサーなどを使う。そうすると重量も1桁大きくなってしまう。現在の科学技術では、まだ戦車に積めるほどエネルギー密度の大きなコンデンサーを作ることができない。EVがバッテリー性能で苦しんでいるのに似ている。

 充電もそうだ。5秒に1発という連射と言い難い速度を実現するだけでも、100万ワットの充電能力が必要。1000キロワットである。EV用の高速充電器でも、250〜350キロワットが最前線である。1秒に2発撃ちたいなら、1万キロワットで充電できねばならない。1門のレールガンが、原発の1%に相当する電力を必要とする。しかもこれは、充電効率100%での数値だ。
 より大型の実用砲になれば、これらの数字が更に何倍にも膨れ上がる。当然に自衛隊も、艦艇搭載で考えている。

 ついでに、等加速度と近似して計算すると6メートルで秒速2297メートルを出す加速度は平均4万5千Gで、加速時間は5.2ミリ秒である。500万ジュールをこの時間で放電するので、100万キロワットに近い。初期電圧が8500Vあっても、10万アンペアのオーダーで電流が流れるのは間違いない。

 更に興味深いのが、効率。飛翔体の運動エネルギーは84.4万ジュールなので、効率が17%ぐらいになる。火薬銃の効率が30%ぐらいと言われるので、やや低い。それでも、コイルガンでは実現困難な高効率だ。コイルガンを自作している立場だと明白に分かる。初速といい効率といい絶望的に対抗不可能。兵器としてレールガンが研究されてもコイルガンが研究されないのは当然である。

 コイルガン同様レールガンにおいても、初速を上げるほど効率は低下する。よって、用途に適した初速以上に初速を上げるのは無駄である。ロマン兵器ではなく実用兵器なのだ。
 レールガンなら初速をもっと出して欲しい気がするが、既に火薬より明らかに効率は低下している。これ以上初速を上げるのは実用的ではないとの判断だろう。

 自分が製作に挑戦しているコイルガンはしょせんオモチャであり、だからロマン兵器と言える。よって無駄に初速を上げたいのだが、コイルガンはそこが苦手である。それでもオモチャ領域ではレールガンより圧倒的に使い勝手は良い。

 ダイオードの残った足に配線して行くと、やはりIGBTユニットのない中間段ハイサイドはコネクターが無駄過ぎる。もう今のうちからコネクターを除去し、配線をダイオードに直接ハンダ付けする。

 こうやって作ってると、コンデンサーをコネクター化するのはアリだと感じる。

 コイル接続用配線にタグを付けておくと、作業が無茶苦茶捗ることも実感。

written by higashino [コイルガン機動戦闘車] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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