2008年12月21日(日) 16:23
闇雲にOCの向きを変えても無駄な確率が高いが、今回はシステマティックに向きを変える選択肢がある。というのも、共振出来るだけの精度が出ていないにしても以前よりはかなり精度良く組み立ててあるはずだからだ。OCは共振を実現する向きからそれほど大きく外れていないはず。
だとすれば、現在の向きの近辺を、絨毯爆撃することで共振するかもしれない。
OCの向き調整は2カ所の六角レンチを使い、2次元的に行える。一方のレンチはレンズマウントの狭い空間で使用するために先端を短くカットしてあり、そのままでは回し難い。そこで、金具で挟んで回し易くしてある。写真は、現在の向き。ここから六角レンチの回転角にしてプラスマイナス150度程度まで片っ端から変化させてみる。
問題はやはり、2次元だということだ。一方の六角レンチは範囲全体をスイープ出来るが、もう一方はデジタル的に段階的に回転させねばならない。どうしても、走査の隙間が生じる。分解能を上げようとすればどんどん時間を要する。
共振に際しての許容誤差は励起LDの出力に関係するから、出来るだけ励起LDの出力は上げたい。つまり、ハーフ出力だ。しかし、冷却システムの能力不足から、冬場でも連続稼働は1〜2分に限られる。その後は何倍も放置してシステム全体の温度が下がるのを待たねばならない。
実際に六角レンチを回すとこれが想像以上に時間を食う。1〜2分では数往復しか出来ない。そんな訳で、絨毯爆撃はやたら時間が掛かる。ただし、共振すれば緑の輝きが発生するわけで、話が分かり易くモニターが楽なのはいい。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2008年12月20日(土) 22:10
ありきたりな方法だが、ビデオカメラの液晶モニターをデジカメで撮影するという安直な手はある。きちんとキャプチャーする場合に比べれば画質は落ちるが、もともとアナログ時代のビデオカメラは解像度が低く、それほどの違いでもない。
そもそも、作業する人間はキャプチャー画面ではなく液晶モニターを見ながらやってるわけで、コレが実際に利用できる情報量そのものなのだ。
赤外線を排除する最近の機器とはまるで違い、低出力励起でさえナイトショットをOFFにしておかないといけない。さもないと明るすぎて情報量が無くなる。太陽をモロに撮影するような画面になってしまうのだ。
1064nmの蛍光がかなり強烈に発生しているのは確かであり、共振の必要条件はそれなりに揃っているはず。
薄ディスク結晶を固定してあるヒートシンク台の位置を微調整すると、蛍光の形状も変化する。だが、ピーク出力がどこにあるのか良く分からない。
センサーを取り付けるような空間は不足しているし、たとえ取り付けたとしてもたまたまセンサーの設置してある向きへの放射が平均より弱かったり強かったりするかもしれない。どう考えてもこの蛍光は、全方位に一様に放射されているとは思えない。
いずれにしても、位置を微調整してあれこれやっている間、グリーンの輝きはいっさい拝めなかった。期待しちゃいなかったけど。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2008年12月19日(金) 17:25
取り外したキヤビティーを調整台に置き、OCの向きを改めて調整。共振しないとなったら、やはりつい少しOCを動かしてしまったからだ。偶然に共振する確率は相当に低いのだが、それでも手探りで僥倖に期待してしまう。
その後、長さ1メートルのアルミ柱に載った調整装置一式を机から下ろして一時保管。代わりに、励起用レーザー発振システムを運んで来る。スイッチング電源と水冷装置。超高出力半導体LDアレイとそのドライバーと揃えるとかなりの面積を取る。
励起レーザーの照射位置はキャビティー底のマウントで調整する。3カ所に六角レンチを差し込んで動かすが、そのためには底面より更に下に作業用空間が必要となる。そこで、机から突き出すようにキャビティー部分を配置。
問題は、1064nm蛍光の観察手段だ。半年前に使っていたビデオカメラはアナログテープ時代の骨董品なので、映像を取得するのが大変である。わざわざビデオキャプチャーシステム一式(パソコン含めて)を稼働させねばならない。家の現状ではこれが「大騒ぎ」のレベルになる。
しかし、ブログ公開の映像を諦めれば、ビデオの液晶モニターを見ればいい。他に機器を動かす必要がない。実際のモニター映像を見たいというニーズは確実にあると思うが、自分の苦労がとても引き合わないので当面公開しない。
しかしデジタル機器で撮影出来れば、公開用の映像を簡単に得られる。
そこで改めて試してみたが、まるで駄目。808nm励起光ならまだ可視波長に隣接しているため写せないこともない。だが、1064nm蛍光は絶望的。というのも、最近のデジタル機器は赤外線カットが徹底しているのだ。
理由の一端として盗撮問題があるのは確実だが、本当の理由は色再現性である。デジタル時代になって簡単にデータが得られ、しかもネットの普及でクチコミが凄まじく速い。そんな中で、僅かな欠陥も大げさにあげつらわれて批判され駄目製品呼ばわりされる。赤外線に感度があると、特定の照明下で特定の物体の色が化けるのだ。
殆どの場合は関係ないが、一度おかしな色になる状況が知られると、変色カメラのレッテルを貼られる。現実には全く困らないのに。
そうなると、メーカーも徹底して赤外線を排除に掛かる。光軸調整で拡大ライブビューが大活躍した最新の一眼レフも、1064nmの感度はゼロである。数学的な意味でのゼロではもちろんあり得ないが、実際のところモニターは真っ暗。本当に光のカケラさえ写らない。フィルターとダイクロイックミラーの2段構えで赤外線を消している。
ロートルなアナログビデオカメラが、引退出来ない。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2008年12月18日(木) 17:32
1インチ化したOCをマウントに固定し、秋月グリーンレーザーを反射させて向きを合わせる。しかし、例によって両面の平行度は数分角程度しかないため、これだけでは0.1ミリというオーダーの精度は実現出来ない。
よっぽどの僥倖に恵まれないと、参照ビームによる調整だけで共振条件は達成出来ない。
だが、凸レンズ2枚をセットしてビームを通しても、合わせ鏡完全成立で反射光のパターンが変化する兆しが見られない。更に調整精度を追い込もうとすると、半年前のような策をアレコレ弄さないといけない。また、大抵の策が既に失敗に終わっている。
そこで、BiBOも取り付け、このまま取り合えず励起してみる。
半年近く放置していた励起用LDだが、あっさりと稼働。
機材のセッティングが面倒なので、通常のデジカメを使い808nm励起光の観察。一応薄ディスク結晶にそのままでヒットしている。
しかし、グリーンレーザーは発生しない。
共振に必要な精度が達成されていない確率が高いため、グリーンレーザーを拝める確率は低いと思っていた。しかし運が良ければ強烈な緑の輝きを拝めるかもしれない、と期待していたのも事実だ。残念。
OCを通して真上から覗き込んだところ。もちろんデジカメを通している。肉眼には更にゴーグルも着用。当たり前。上もそうだがハーフ出力での稼働。デジカメの赤外線感度が低いので大したことなさそうだが、光出力15ワットぐらい叩き込んでいる。
これにて、あっさり敗戦・・・とは言え8月15日までにはまだ悪あがきの余地が残っている。
まず、機材設定に時間が掛かるので端折ったが、観察は1064nm蛍光で行わねばならない。薄ディスク結晶の厚さは0.2ミリしかないため、励起光の狙いが0.1ミリ違っただけで励起効率が激変する。今回は半年ぶりに2カ所の固定ネジで取り付けた素の状態だ。微調整して励起光を結晶側面にうまく当てれば共振するかもしれない。
励起レーザーのエネルギー密度が上がるとQ値が上がる。Q値が上がると、共振に必要な精度が低くなる。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2008年12月17日(水) 17:27
例によって東急ハンズには、帯に短し襷に長しの役立たずが一杯置いてある。2センチ角で厚さ5〜10ミリのアルミがあればいいのだが、3センチ角だったり厚さまで2センチあったり。
結局、ワッシャーの方が良さそうに思えた。
内径10ミリ外径25ミリと迷ったが、内径12ミリ外径26ミリのにした。1インチは25.4ミリなので、少しだけヤスリで削って外径を小さくする。OCは直径12.7ミリだが12ミリの穴にギリギリでハマりそうな感じがするほど。想像以上に直径差が小さく、エポキシで固定する際にも片側が陥没。なかなか水平にならず苦労する。
いつも通り、エポキシが完全硬化するのを慌てず一昼夜寝かせて待つ。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
Generated by MySketch GE 1.4.1
Remodelling origin is MySketch 2.7.4