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2014年08月の記事

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2014年8月26日(火) 21:03

水平移動の直接判定

 室内専用なら話は簡単で、超音波などの近距離測距センサーで壁との距離を調べれば良い。だが、屋外では狭い公園あどであっても、センサー範囲内に適切な障害物が存在するとは限らない。超音波は届く距離が短く、光を使う機器は概して重く高価。
 あれこれ考えまくった挙句、いろいろ考慮事項はあるものの地面を撮影して画像処理するしかないのか?という結論に。機体が揺れてもカメアが真下を向くようにしないといけないし、何より画像処理が大変である。とても小型機器に収まるとは思えない。mp4などのビデオ圧縮では、2つの画像を比較してシフト量を推定する処理が行われる。それ用の画像処理ICを入手できたとしても、大量のメモリーを抱え込んでICとのインターフェースを取って・・・そんなもの小型模型ヘリに積めるわけがない。

 ところが、地面を撮影して移動量を推測するための専用ICは、既に膨大な数が出回っていたのだ。
 光学マウスである。これは、ADNS-3090 というセンサーICのデーターシートから取ったもので、光学マウスの構造を示している。

 LEDの光は特殊形状のプリズム内を反射し、地面(マウスパッド)を横から照射する。これにより浮き上がった地面の凸凹を、センサーICで認識する。
 センサーICにはCCDが内蔵されており、直前のレンズで地面を撮影。毎秒1000回という頻度で撮影を行い、直前の画像との差により移動方向を認識するのである。今回調べるまで自分は、反射光のパターンを調べているものとばかり思っていた。ところが実際は、小型カメラそのものだったのである。
 カメラと画像処理CPUが一体化した、とんでもない高度な処理を行うIC。それが、1000万個というオーダーで大量生産されるため、画像処理ハードとしては桁違いに安価。原理が分かれば明白で、センサー前のレンズを交換し遠距離にピントが合うようにすれば、マウスならぬマルチコプターの移動を直接検出できるはずだ。

 これは素晴らしい名案だと思ったが、既に試している人がいた。まあそうだろうな。世界中の人間の中で、自分が一番最初に考え付いたアイデア・・・などというものはそうそう頻出するわけがない。マルチコプターに紐をつけて安全制御というアイデアもそうだった。そして前例を見ると、基本的にうまく行くらしい。
 ただし少し考えただけでも、カメラの視野を人間が横切るとか水面の上を飛んでいるとか、判定がおかしくなりそうなケースが幾つも思い浮かぶ。実際に製作して種々の状況で実験し、トラブルが発生する状況についてノウハウを蓄積する必要がある。そして、そういったノウハウを生かすためには、フライトコントローラーの自作は必然となる。

 ところで、なぜ ADNS-3090 かと言うと、同じ原理に基づくセンサーICの中で最も高性能なものの1つだからである。それが、1000円ぐらいで売っている。ただし、入手はほぼ不可能。製品に組み込んだ状態だと幾らでも流通しているのに、個人がICを購入するのは無理だ。結局のところ、マウスごと買うしかなく数倍の価格になってしまう。資源の無駄でもある。だが、最初の1個は止むを得ない。
 価格競争の激しい昨今において ADNS-3090 のような過剰に高性能なセンサーを組み込んだマウスは、ほぼゲーム用である。ゲーミングマウスと称して売られている。一人称視点シューティングゲームのようにマウスの極限性能が重要な特殊分野では、マウスに搭載されているセンサーICの種類や実地性能がシビアに情報交換されている。どのマウスがどのセンサーを搭載しているかの情報は簡単に入手できるし、各センサーの評判も収集可能だ。

written by higashino [マルチローター] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2014年8月25日(月) 21:40

実は大変

 ホバリングなど簡単だろマジメに制御しろ!
 操縦し難さへの怒りから一気にマルチローター自作に走ったが、マジメに考えるとそう簡単にホバリングできないことが分かる。

 重力加速度は毎秒 9.8m/s ぐらいだが、概算だとまあ10でいい。
 1秒で5メートル落下。落下距離は時間の2乗に比例。つまり、0.1秒なら5センチ落下し、10秒なら500メートル落下する。空気抵抗が無ければ。
 仮に横方向に1Gでスライドすれば、10秒で500メートルも移動してしまう。1ミリGでも50センチ。加速センサーのゼロ点ズレが1ミリGあれば、ホバリングが10秒で50センチも横ズレしてしまうのだ。そして、ゼロ点ズレどころか分解能が5ミリGもあるような加速センサーがごく普通に市販されている。そのような安価な加速センサーでは役に立たないのは明白である。

 自分が購入した小型マルチローターは、ミリG単位の精度も怪しい加速センサーを搭載していたために、浮くやいなや横に流されたのだろう。これじゃGPS搭載が可能な規模のマルチローターが、こぞってGPS搭載に走るのも当然である。ただし民生用GPSの分解能は5メートル程度なので、狭い場所で精密な移動を行うのには使えない。
 かと言ってマイクロGの分解能を持つ加速センサーを搭載しても、測定可能な加速度の上限が低くなる。上限オーバーすると、積分値が不正確になって現在速度が不明になる。

 このように考えると、角速度(ジャイロ)センサーの方も大変だと分かる。
 角速度の誤差が蓄積すると、現在の向きが良く分からなくなる。これは、カメラで撮影するにしろコイルガンで射撃するにしろ、大問題である。となると、蓄積誤差への対策として、絶対的な向きを確認できる地磁気センサーの魅力は大である。地磁気は常時監視しなくても良いのだから、コイルガンを稼動させない場合だけ補助的に用いるとして導入の意味がありそうだ。
 射撃時は当然だが、コンデンサー充電時にも無視できない磁場を発生させる気がする。実際に試す必要あり。

 加速センサーの方は、もっと頭が痛い。絶対速度または絶対座標の検出を、GPSではない手段により実現させないと、安定したホバリングができない。

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2014年8月24日(日) 20:37

慣性誘導

 兵器や宇宙ロケットに搭載される慣性誘導装置に関しては、昔から疑問を持っていた。
 理論的には、加速度を積分することで速度が得られ、速度を積分することで距離が得られる。しかし現実世界のセンサーには、誤差やノイズが存在する。特に電子工作を始めてセンサー類を扱うようになると、誤差もノイズもとうてい無視できないことが身に染みる。レーザーダイオードを駆動する際の電流計など最たるもので、ノイズの中に計測値が埋もれているような有様である。

 慣性誘導装置なんて、誤差とノイズで即死するんじゃないのか?
 慣性誘導装置は何十年も前から存在していたが、昔の技術レベルでも実用的な慣性誘導など可能だったのか?
 なにか、とんでもない超技術が兵器とか航空宇宙の世界には存在するのか?
 半ばギャグとして語られる「NASA製」みたいな。

 そこで調べると、確かに超高精度のジャイロセンサーは存在する。レーザーを用いた方式である。
 だが、模型の空モノに搭載するには案の定だが重過ぎる。もちろん価格だって桁違いだ。なるほどこんなものを最低でも3軸搭載するのだから、誘導ミサイルあるいはロケットというものは猛烈に高価なわけだ。
 しかし、趣味のマルチローターにそんな高精度ジャイロが必要とは限らない。特に自分の場合、飛行範囲は数十メートルしか想定していない。それに、目標をインプットしたら自動で飛んで行くような運用も想定していない。あくまで姿勢制御が目的である。コイルガン搭載などと言ってるが、別に兵器開発しようってわけじゃない。

 だとすれば、民生用の安価なジャイロで充分に使い物になるのではないか?

 実のところ、遠隔操作を行わない自立自動の飛行物体というのは、その気になれば個人の趣味レベルで開発可能である。コイルガンなどよりも、無人航空機を個人製作可能なほど民生技術が進歩してしまっている方が危険とみなされており、目視範囲外に空モノを飛ばすことが近未来に規制される可能性すらある。製作しようとすれば自分にも恐らく製作可能だが、本来やりたいことを押しのけてそういうヤバそうな領域に踏み込むのは愚かだと考えている。
 また、そこまで行かなくても、世間ではマルチローターの用途として広大な自由空間を数百メートル以上飛行する方が多数派っぽい。これが意味するところは、市販のフライトコントローラーも、そういう用途を想定して製作されるということだ。

 自分とは想定する用途が違うのだから、例え市販品が製品として優秀であっても、最適とはなり得ない可能性が高い。
 あくまで自分の用途・・・狭い範囲で障害物の多い場所を低速精密に飛行させたい・・・に最適化されたカスタム機を作りたい。

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2014年8月23日(土) 20:16

開発計画

 ところで、どう考えてもマルチローターにコイルガンを搭載してみたくなるのは必然と思われる。高性能な回生型コイルガンの開発は、現在のスイッチング素子では不可能と判明し中断している。しかし、それほど高性能ではないものであれば、開発可能である。空モノに搭載する場合、何よりも軽量である必要があるため強力なものはどうせ無理。
 あるいは普通に、小型カメラを搭載しての撮影。
 そういった近未来を考えると、少なくとも数百グラムのペイロードを搭載可能な必要がある。

 制御を自作するためにも、搭載余力は必要である。自作基板は市販基板より重くなるし、センサーや配線にも冗長な部分が出るだろう。トイラジレベルのマルチローターでは、自作による重量増を受け入れる余地が無い。

 一方で、マルチローターが相当な危険物であることもはっきりしている。それを否定するのは、よっぽど想像力が欠如していると言わざるをえない。
 となると、大型あるいは重量のあるマルチローターは扱うべきではない。小さければ小さいほど、軽ければ軽いほど安全である。それが物理学だ。
 すなわち、必要最小限の規模のマルチローターだけを扱うべし、となる。
 こうしてあれこれ予備調査やった結果、効率とモチベーションを考慮して以下の順番で開発を行うことにした。

1)センサー処理技術の蓄積
 ジャイロセンサーや加速度センサーを使用し、姿勢や位置を的確に認識する技術を得る。閉所や室内での運用を考慮し、GPSに頼らない。GPSを搭載せず、その重量を別のセンサー等に振り分ける。また、コイルガン搭載を睨み、地磁気センサーも搭載しない。高精度のジャイロセンサー・加速度センサー等だけに頼って、認識を行う。ノイズに負けず高精度の情報を得るための技術を開発する。これは、マルチローター以外にも応用範囲が広く、今後の電子工作でも役立つと期待される。要するに、慣性誘導装置。

2)安定ホバリングの実現
 フレームとモーターとプロペラとアンプ。以上の基本的機械部品だけを購入。送受信機は使用しない。センサーと合体させ、安定したホバリングを可能とする制御ソフトを開発する。超音波等による近接センサーは、まだ開発や搭載を行わない。ただし、高度計として超音波センサー1個だけは搭載の可能性あり。さまざまな異常な外力を加えてそれに対応できるものを目指す。正常ケースでホバリングさせるのは恐らく簡単であり、眼目は人間の介入抜きでどんな異常事態にも自律対応し安定ホバリングを続けられること。

3)フライトコントローラーの完成
 送信機からの操作により、移動を可能とする。1)ではマルチコプターのパーツを購入する必要が無く、2)でも送受信機は必要がない。このように、出費を段階的に行えば良いのも工程作りでは考慮している。

4)空用コイルガンの開発
 軽量でそれなりの威力を持った空用コイルガンを作る。弾数は6発程度におさえる。マルチコプターのバッテリーは数分しか持たないので、多数搭載しても撃ち切れない。コイルガン戦車のように多数のプロジェクタイルを消費しないので、重量あたりの威力を稼ぐためパチンコ玉ではなく細長いプロジェクタイルの採用が有力。また、コイルガン開発は他と独立して可能なので、パーツ入荷待ちの合間などに作業できる。

5)近接センサーの搭載
 超音波を纏った近接監視を強化し、全周囲の衝突防止装置を実現。プロペラガードと共に搭載。これは、空撮等を前提としている。コイルガン搭載マルチコプターの場合は、危険過ぎるため付近に人間が居る場所では飛ばすことができず、よってプロペラガードは無くても構わないし近接センサーも省略して武装に重量を回す。

written by higashino [マルチローター] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2014年8月22日(金) 21:58

面白くない

 超音波スピーカーのVp-p が、小さな主コイルだと約20Vなのに対し、大きな主コイルでは約30Vだった。しかし理論的には、影響が大きいのはサイズではなくインダクタンスである。

 そこでインダクタンスを実測すると、小さなコイルは120μHなのに対し大きなコイルは84μHだった。すなわち、インダクタンスが小さい方がVp-p が大きくなっている。
 スイッチング周波数は一定なので、インダクタンスが小さいとピーク電流が増大する。PWMの通電時間に比べてインダクタンスは十分に大きく、コイルは飽和していないはずだ。

 もしかすると、インダクタンスを減らせばVp-p が大きくなるかもしれない。
 そこで、小さなコイルの巻き線を解いてインダクタンスを小さくしてみた。実測43μHになった段階で、実験装置にハンダ付け。

 予想通り、小コイル自身での比較ではVp-p が大きくなった。しかし43μHの小コイルは、84μHの大コイルに及んでいない。30Vまでは達していない。そしてインダクタンスが小さくなったためにLC共振周波数が高くなった。LC共振周波数を調整するためにはCを大きくせねばならず、それによってVp-p は小さくなって元の木阿弥となる可能性が高い。

 これまでの実験結果から判断すると、昇圧チョッパーによって超音波スピーカーを駆動することは可能。しかし、Vp-p を思い通りに大きくするのは苦労すると思われる。
 昇圧チョッパーあるいは市販の DC-DC コンバーターを使用して60〜70Vを作って大き目のコンデンサーに蓄積。それを供給源として40KHzの信号発生を行うというのが現実的ではなかろうか。

 思ったほど面白くない。スマートではない。
 超音波測定はいったん保留し、マルチコプターいじくった方が楽しそうだ。

written by higashino [高度測定装置] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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