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2006年5月14日(日) 02:15

これも駄目か

 反射率90%のOCを使ってみる。
 ビデオカメラをレンズの斜めにセットし、反射光の一部がガラス端から漏れるのをモニターする。レンズの平面調整がうまく行って共振が成立すると、急に漏洩光が強くなる。
 しばらくして意外な事実が判明。共振長を数ミリ伸ばせば共振する。短いままでは共振しない。

 共振を成立させるためにはミラーの向きが正しくなければならないが、それだけでは駄目。共振長にも適正値がありパーツによっては短ければ短いほど良いというものでもない。

 これは新発見だった。ネット上のDPSSの記事でこの点に触れられていないのは恐らく、素性の知れたパーツ使ってきちんと設計しているからだろう。
 最も効率的に共振が起きるようにパーツ配置を設計して臨めば、共振させるために共振長を試行錯誤する必要はない。計算で答えは分かってるだろうから。
 しかし個人ハンドメイドでスペック不明のパーツ使ってると、答えは分からない。ネットの記事は大学や研究所が書いてるから、このノウハウに触れていないのだろう。

1064nm 遂にCWでのYAGレーザー発振に成功!
 日本でもYAGレーザーを自作している個人は居るが大抵パルスYAGであり、CWでの製作例は珍しいのではなかろうか。
 しかも、15W励起にすると一気に光が強烈になる。先日のグリーンYAGみたいにショボくなったりしない。これは・・・今度こそやったか!?

 ところが何かおかしい。YAGレーザーに触っても熱くないのだ。光出力を測定する。
 まずは1W未満の低出力励起。レーザーが暗いためビデオモニターを見ながらパワーメーターの受光部にヒットさせるのに苦労する。うまくヒットせず半端な値を出しつつ、結局150ミリワット以上出ていると判明。
 まずまずの効率である。ただ、レーザー光の断面が点ではなく左右に長いので、余り熱くないのだろう。励起LD光が左右に細長いため、励起結果もそうなっているようだ。

 次に励起光を15Wに上げる。ビデオモニターは非常に明るくなり、容易にレーザーをパワーメーターに入射可能。ところが、YAGレーザーは70ミリワットしか出ていない!?
 熱くないわけだ。だが、明るいことは明るい。明るいのにパワーが無い?

可視光&808nm デジカメを通して見た、可視光&808nmの状態である。上が低出力励起、下が15W励起。LDの発する光は桁違いに強くなっている。しかし、OCから漏れている励起光もまた派手である。

 15W励起は明らかにレーザーが強くなっているように映像では見えるが、測定結果は逆。それに、実際に15W励起でレーザーが強く出ているとしても、熱さを感じないのも事実だ。これじゃグリーンYAGの場合と変わらない。
 残念ながら共振器を短くしても解決しない。この共振器では諦めるしかないようだ。
 YAGレーザー銃ユニットとしても使えそうにないから、そのうち励起LDを直接利用する熱線銃ユニット仕立てるか。

written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(2)] [TB(0)]

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Comments

『Re: これも駄目か』

励起光が漏れ出してくる現象はNd:YAGまたはNd:YVO4結晶を使っている場合、LDの波長の変化がまず考えられる原因です。ブロワーで冷却されたようですが、ケースつきのLDの場合極力外部の温度変化を受けないように作られていますので
冷却水を冷やすのがいいと思われます。

確かに、レーザー関係のノウハウはWeb上ではあまり見かけませんね。でも共振器長の長さなどはスパコンを使うような計算をして最適化しても、最後は人の手による調整です。実際に用いるLDの特性、結晶のばらつき、ミラーの癖、廃熱のための装置等不確定な要素がいくつも出てきます。これらの不確定な要素を回避するのがプロの技なのです。

written by 中の人

『Re: これも駄目か』

 お話うかがうとますます、市販のグリーンレーザーモジュールに個体差あるのは当然に思えますね。
 メーカーが手抜きしてるのではなく、どうしようもない話。逆に言えば「絶対に1ミリワット以上不可」と逆方向ではあるが「出力保証」せねばならない国内販売のグリーンレーザーポインターが桁違いに高価なのも仕方なし。

 さて、何のためにレーザー装置を自作するのか?
 理由は幾つかあるにしても、重要なのはレーザー装置など大学や研究所が既に幾らでも作っているし情報もノウハウも溜め込んでいるという点。同じことをやってもレーザー装置を個人所有する喜びがあるだけで、特に目新しさがないのでは悲しいんですよ。少なからぬ¥と時間を使っているのですから。
 しかし、個人の趣味だからこそ可能なことがあります。それが「ポータブル」です。バッテリー動作が可能で、人力で持ち運び可能。レーザーポインターやそれに毛の生えた程度なら別として、ワット級レーザーをポータブルにしようという発想は大学や研究所にはないはずです。それは「面白い」だけであって意味がない。ま、アメリカ軍なら研究してるでしょうが (^_^;)
 付け入る隙は、まさにここ。個人の趣味だからこそ「面白い」は最強の動機になるし、それを追求しても許されるのです。

 レーザー光を実用に使うなら、アクティブに冷却水やパーツの温度管理を行うのは当然です。しかし残念ながらそのために余分な電力が必要となり制御装置の重量も必要になります。それらを許容するなら、ノウハウはもう誰かが持っている。
 だけど、ポータブルの制約下では違います。みんなノウハウが不十分。だから更に面白い。
 今は冬場で冷却水の温度が最も低くなっています。だから、これ以上冷やすのは難しいし冷やすのが前提であれば夏場の動作がとんでもなく大変です。レーザー砲の冷却にあたってはクーラントに氷をブチ込む仕様も考えましたが、やはり扱い易さを考えると・・・
 大学や研究所の常識では、冷却水を温度管理する。しかし自分がやろうとしているのは、ポータブルでは温度管理の余裕がない(特に電力的に)から水温が変化するのを与件として受け入れることなのです。
 その上で、どうやって解決するか?なのです。励起光をうまく反射させて吸収率を上げれば何とかなるかもしれない。

 それでも共通に使えるノウハウは多いはずなので、ネットだけでなくでかい本屋でレーザー関係の本も漁ります。しかし、理論は載っていても現実にレーザー装置を組み立てる上でのノウハウが書かれているものは全然無いのが不満です。
 パーツ集めさえすればレーザーが組めるわけじゃないのに、そのいわば接着剤とでも言うべきノウハウが手に入らない。

written by IDK

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