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2014年6月15日(日) 17:48

日本プロ野球の凋落

 日本プロ野球の凋落に関するニュースが増えている。
・視聴率が取れない。そもそも地上波放送が激減。
・選手から見ても魅力がない。スター選手はみんなメジャーに行きたがる。
・運動の得意な子供が目指すのは野球よりサッカー。

 史上最も好きだったスポーツ選手は?という類のアンケートでは、未だに王長嶋が相当な割合を占めている。年寄りしか見ていない。
 巨人を筆頭に日本の高度成長期の大人気スポーツは、人気の世代交代できないまま21世紀に来てしまった。
 個人的にはその理由は、スター選手がみんなメジャーに行くようになってしまったことだと考えている。野茂が頑張って切り開いた頃とは違い、かなり簡単にメジャーに行けるようになってしまった。だが、スター選手が外国で活躍するのはサッカーも同様である。それなのになぜ、野球では問題なのか?

 野球とサッカーの最大の違いとは、団体競技でありながら個人と個人の戦いがクローズアップされる点である。常に投手と野手の1対1勝負であり、それ以外の選手は守備と走塁で絡みはするが、主役ではない。それに、華麗な守備や盗塁などで絡む場合も、焦点が当たるのは1人か2人である。
 野球は、集団競技でありながら、個人競技でもあるのだ。だから、サッカーよりもその人気が、個人人気に依存している。スター選手が日本から居なくなれば、競技の魅力も落ちてしまうのだ。
 高校野球は地元代表を応援するという甲子園のパターンがうまく決まり、個人人気への依存は小さい。そもそもどんなスター選手でも3年間しか在籍しない。また、メジャー流出も無視できる。だから、まだ高校野球は人気を保っている。

 スター選手がメジャーに行く一方で、サッカーは日本が強くなって来た。W杯でも予選突破を当たり前のように狙えるようになった。こうして、人気の交替が起きている。
 では、プロ野球はどうすれば良いのか?
 正直な話、日本の少子化問題と同じで、「プロ野球はどうすれば良かったのか?」と問うのが正しい。すなわち、既に手遅れである。

 これも自分の考えだが、日本のプロ野球を殺したのは外人選手の人数制限である。1球団あたり3人までしか外人選手を登録できず、試合に出場できるのは2人まで。これで、日本プロ野球の魅力が薄れた。
 日本のレベルが低かった時代であれば、制限にも合理性があった。完全に解禁すれば外人選手ばかりになり、日本人は脇に追いやられてしまう。
 だが、WBCで世界一になれるような実力を付けても、外人選手を排斥し続けた。そのため、日本国内で無双できるようになったスター選手は、より強い相手を求めてメジャー移籍したがるようになってしまった。メジャーで活躍することが、夢として語られるようになった。それは、アメリカ人が日本人より強いからではない。メジャーリーグなら世界と戦えるが、日本球界では日本としか戦えないからである。

 徐々に外人制限を緩めていれば、日本球界に留まったまま世界と戦うことができただろう。それならスター選手のメジャー流出も減っていただろう。野球に十分な人気が残っているうちに、手を打つべきだった。

 今更慌てて門戸を開いても、昔から世界の強豪が集まっていたメジャーに対抗するのは難しいだろう。
 それでも、やらないよりはマシである。ちょうど政界から16球団に増やす案が出ている。外人枠を撤廃し、大量の外人選手を入れる。地理的にアメリカよりも日本に近い台湾や韓国の選手なら、メジャーより日本を選んでくれるかもしれない。もちろんそれ以外の地域からでも歓迎だ。こうして国際化すると同時に選手を増やし、政界の後押しに乗る。スポンサー企業は、膨大な保証金などの参入障壁を廃止して募集する。
 でもどうせこんな改革やる決断はできないまま、衰退するんだろうな。

 横綱を外人に独占されても、世界に門戸を開き続けている大相撲は、正しい選択を行って来た。だから、シゴキ殺人や八百長で危機を迎えながらも、乗り越えて生き残っている。

written by higashino [LIFE] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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