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2020年8月11日(火) 21:03
キヤノンから R5 と R6、ソニーからはα7S3 が発表され、動画デジカメの世界も急に賑わって来た。しかし、個人的にはなかなか悩ましい状況である。
オーバーヒートが話題になっていて、実使用でどこまでトラブルが起きるのか不安が大きい。旅行で長回しする状況だと、明らかに GH5 をバックアップに持って行く必要がある。そうすると、最初から GH5 のままで良いんじゃね?という話になる。
GH5 はマイクロなので、フルサイズのデジカメ動画の動向をずっと追っていた。だが、確かに GH5 には不満が多いが、決定的な問題は動画AFが使い物にならないという部分ぐらいしかない。発売当初に購入して何年も使ったが、あとは 4K60p 10bit 内部収録ができない問題ぐらいだ。
60fps にはこだわりたいので、30p しか対応していない R5 の 8K は、無いのと同じ扱いである。つまり基本は、4K60p がどのていど使い物になるのか?
ここでは、オーバーヒート問題を一時棚上げにして考える。
その観点で見ると、R5 より R6 が望ましい。
なぜなら、R6 は 4K60p 収録を 5.1K オーバーサンプリングで行えるからだ。単版式である以上、オーバーサンプリングによる画質向上は大きい。計算すると、1.8倍弱の画素から縮小収録になるので、三板式にかなり近い画質が期待できる。FOVEON との比較から、単板式はおよそ倍の画素で釣り合う。FOVEON の1500万画素×3に匹敵する画質は、単板式なら3000万画素という次第である。
あくまで目安であって被写体次第で変化はあるが、動画は 4:4:4: ではなく 4:2:2 または 4:2:0 が主流だということも考えると、画素数2倍からのオーバーサンプリングで三板式に匹敵すると考えて問題はない。
つまり、画素数1.8倍弱からのオーバーサンプリングとなる R6 の 4K60p は、R5 やα7S3とは「はっきり分かるほど」の違いが期待できる。
また、動画AFの性能も、基本的に R5 と R6 は同等と考えられる。R5 の動体AFは非常に評価が高く、デジカメ史上最高との評価も多い。GH5 の動画AFはどうしようもないので、この部分では大きな購入動機がある。
動画で強力なAFがあれば、撮れていたのに。そういう被写体は、多いのだ。GH5 で何とかなっていたというより、そういう被写体は諦めて、撮りに行かなかったという面もある。
かくして、R5 と R6 と α7S3の中から選ぶのであれば、本命は R6 である。
ただ、おいそれと手が出せない。
やはり、オーバーヒートは問題である。ソニーだって、オーバーヒートで何年も叩かれ続けた末にα7S3があるのだ。キヤノンは次のマイナーチェンジで、部分的なオーバーヒート対策を講じるだろう。慌てて買わずに、R6 の後継機を待ち、それまでは GH5 で我慢するという方に傾いている。現段階での R5 や R6 に対する世間の評価は、スチルがメインで動体を追うなら最高。動画が最重要の場合は薦められない・・・というものだ。
そして動画メインで見た場合、3840*2160 収録がクロップされるのもいただけない。
R5 や R6 はクロップ無しを謳っているが、公開されているトリセツでは16:9だとクロップされることが明記されている。画角が、7%弱狭くなる。これはα7S3も同様で、こっちは10%も狭くなる。せっかくのフルサイズ動画なのに、やたらクロップされるのだ。これも、慌てて買う気が失せている理由である。
クロップ率はキヤノンの方が小さいが、一方でキヤノンにはズーム操作中に動画AFが停止するという、とんでもない欠点がある。シネレンズ以外の大半のズームレンズは、ズーム操作によってピントが移動する。それなのに、ズーム操作中に動画AFが停止するのでは、まるで意味が無い。
やはり、R5 や R6 は最強のスチルカメラであって、動画用ではない。その割に動画能力を宣言してるから性質が悪い。それでも、動画AFが動体をどれぐらい優秀に追えるのか?実例が蓄積され世間の評価が固まるころ、それ次第で R6 を買ってしまうかもしれない。
5D2 の初期は、動画がフルオートのみだった。絞りなどを設定するため、レンズ接点にセロテープを貼ってカメラを誤魔化して・・・なんてことを必死でやりながら撮っていたものだ。R6 の細かな欠点やオーバーヒート問題も、運用回避を頑張りつつ何とか出来るかもしれない。長所の大きさ次第では、そのリスクと苦労を行う価値が出る。
今は新型コロナのせいで、イベントの多くが中止となり、魅力的な被写体の多くが消滅した。それだけに、様子見し易い。
見送りが決まった場合は、代わりにハイスピードカメラを買う。α7S3 ってFHD240pが使えるけど、FHDの解像度無いんだよね。4K120p 使えるカメラは、FHD480p 乗せてくれよ。R6 も FHD240p ぐらいあると簡易ハイスピードカメラになるのに・・・
written by higashino [カメラ] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(1)] [TB(0)]
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Remodelling origin is MySketch 2.7.4
『EOS R5 C』
悩ましい状況に EOS R5 C が一応の結論を出してくれたので、買うことにした。
・オーバーヒートなし。
・8K60p可能。キラーコンテンツは DUAL FISHEYE。
・4K60pもオーバーサンプリングで高画質。
8K60pでVR180コンテンツ作成。
4K60pとMP4(YCC422 10bit)は従来通りの普通の動画撮影。
と使い分ける。
RAWが好まれているが、画質と後処理の容易さのバランスではMP4の10bitが侮れない。撮影時にカスタムホワイトバランスを合わせておく。MP4なら画質の割にファイルが小さくて済む。
そして撮影後は露出とコントラストぐらいの調整で済ませ、そのまま編集してしまう。
自主映画撮影でグレーディングに凝るならともかく、白飛び黒潰れが少なくその上で見た目自然な記録映像が欲しい場合、それで十分だ。
written by IDK