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2006年9月26日(火) 17:27
残念ながら、GT10G131は入手出来ないようだ。流通在庫が無く、受注生産である可能性が極めて高い。
納期1ヶ月で価格@170円、納期3ヶ月でいいなら価格@147円というのは想定の範囲内だったが、それに加えて何と最小ロットが3000個!
これはもう「欲しけりゃ生産してやるから、しばし待て」としか解釈出来ない。サイリスタの方のS6992も同様だろうな・・・
正直、ロット1000個なら強引に注文して、余った分はオクで売っ払う手もあると思っていた。20個3000円とかのセットならコイルガン向きの素子なだけに買い手アリの可能性は充分。しかし、3000個40万円抱え込むのはリスクが高過ぎる。共同購入を呼び掛けても、3000個は集まらないだろう。自分が考えているような超多段コイルガンでも、試作用含めて300個もあれば足りる。
それに、現時点では本当にこのIGBTが使えるかどうか確定しない。素晴らしいコイルガンを完成させた上で、使っているIGBTはコレですよ共同購入しませんか?ならまだ話は分かるだろうが、最初のGT10G131をまずどうやって入手する?
サイリスタのSFシリーズなら幾らでも転がっているし性能的にも使い物になる。しかしOFFタイミングが問題だ。LC共振が何周期も続いたのでは効率悪化しまくりだ。ただし、だらだら放電されても使えそうだとなれば、本命となる。容量的にはサイリスタ最強だもんな。
入手が容易で使い物になりそうなIGBTを漁ってみなくてはなるまい。
ちなみにFETだと、化け物の2SK3132でさえパルスエネルギー耐性は0.525Jしかない。ON抵抗が0.1Ω弱だから、サイリスタやIGBTでお馴染みの電流二乗時間積に換算すると5〜6 A2secということになる。これで2000円だ。いかにパワーMOSFETの容量が小さいか良く分かる。11ジュールという小型の電解コンデンサーであっても、ほとんどロス無しに放電されてしまえば20倍もの容量オーバーだ。
多段式コイルガンの効率を検証する実験にならFETも使えるが、実用銃には論外。
IGBTにはバー型もある。だが、秋葉原に転がっているのはブリッジ用ばかりでパラレルに使えるカソード共用型がどこにも無い。もしあったとしても、2回路で200グラム以上になる。コイル1段を1回路で受け持てたとしても、IGBTだけでトータル2〜3キロもの重さだ。これも話にならない。
実用的な多段式コイルガンは誰もが分かってる通りスイッチング素子の入手が鍵である。だからこそ、実際に製作を始める前に設計をあれこれ検討し適合素子が手に入るのかも検討しまくらねばならない。途中でどうにもならなくなる可能性がある。
コイル
スイッチング素子の検討は続けるとして、今度はコイルを設計してみる。88μH以上のコイルとは、具体的にはどのようなものだろうか?
空芯コイルは比較的正確にインダクタンスを計算可能ということで、計算公開サイトもあちこちにある。
直径11ミリのパチンコ玉を加速するには、コイル内径は13ミリ以上欲しい。試験段階ではアクリルパイプに巻いたりするにしろ、本番では取り去りたい。アクリルだと肉厚2ミリ以上しか売っておらず、これで内径13ミリだと外径17ミリ以上になる。
内径17ミリのコイルで直径11ミリの球体を加速するのでは、いかにも遠い。磁力が弱い。と感じるが一応は計算してみよう。現実に手巻きする場合、下層と線径の半分ズラシで巻くのがやり易く密度も増えるので、実際は平均径は少し小さくなる。だからあくまで概算である。プロジェクタイルの進入により鉄心コイル化しインダクタンスが増大する方向の効果も現実には存在する。
内径 | 13mm | 17mm | ||
線径 | 1.2mm | 1.6mm | 1.2mm | 1.6mm |
巻数/層 | 16 | 12 | 16 | 12 |
コイル長 | 20mm | |||
層数 | 5 | 4 | 5 | 4 |
総巻数 | 80 | 48 | 80 | 48 |
コイル平均径 | 16mm | 20mm | ||
インダクタンス | 59 μH | 21 μH | 87 μH | 31 μH |
層数を増やすと外側の巻き線が発する磁力は届き難くなる。しかし巻き数が多いほど磁力は強くなる。両者のバランスで4層あたりが良好との情報もある。少なくとも10層巻きとかいかにも磁力の無駄っぽい。
いざ計算すると88μHは結構ハードルが高いと分かる。コイル径が大きくなればインダクタンスは増やし易いが、発生磁力は届き難くなる。500Aではなく1000Aまで大丈夫となれば、ぐっと楽になる。
実はそれほど難しくない。
耐電流500Aのサイリスターを、1つのコイルに2組並列接続すれば良いのだ。
これによりコイルに最大1000A流せるようになり、インダクタンスは4分の1で済む。コンデンサー容量が2倍になってもLC共振周波数はルート2分の1に短縮される。
11ジュール電解使うとして、コイルが25個あっても275ジュールにしかならない。2パラなら合計550ジュールと手頃な注入パワーも確保出来る。同様に並列数を増やせば・・・
少々耐電流が劣っても軽量というIGBTが入手出来る場合、数ジュールの小さなコンデンサーを合計100個以上使った超並列型という方法もある。使い捨てカメラ用フラッシュコンデンサーを、どこかでヒトヤマ幾ら (^_^;) で売ってないか?
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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