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2006年9月27日(水) 17:22

GTOサイリスター

 秋月で扱っている唯一のIGBTがTG12N60C3Dである。何とか使えそうな感じだ。
 スペックは600V・24Aと平凡だが、480Vなら80Aまで耐えられる。330Vとか更に電圧が低ければ?

 残念だが、安全動作領域は50〜480Vまでずっと80Aのようだ。
 特性はコイルガンよりコンデンサー充電器に向いている。秋月も恐らくそういう意図で扱っているのだろう。スイッチングが高速でゲート容量が少ない。耐圧も600Vある。ゲート電圧をシビアに管理せねばならないが、それさえうまく行けば三号充電器の性能を向上させられる。10Aオーバー流してもロスは大きくないし、発生電圧の上限も少し高く出来る。
 耐電流でこそ2SK3132に劣るが、スイッチング素子としてはより優秀である。何より価格が300円。これだけで充電器のパーツ代が半分になってしまう!

 コイルガンの実現性に目処が付いたら、四号充電器を作るのに使ってみたい。三号充電器はスイッチングFETが分離式なので、簡単にIGBTに換装出来るし駄目なら元に戻せる。
 成功すれば三号充電器を上回る性能のチャージャーがパーツ代2000円で製作出来ることになり、携帯パルスレーザー銃や携帯コイルガンがグッと身近になるだろう★ 

 ・・・ただしコイルガンは単段式ならば。
 多段式コイルガンは、どう考えてもスイッチング素子にかなりの資金が必要になる雰囲気。充電器が2000円で製作出来てもほとんど意味は無さそうである。
 仮にこのIGBTを並列使用するとして、上限80Aだからコイルのインダクタンスとマージンを考えると8パラ程度で使いたくなる。コイル25段だと合計200個だ。6万円(汗)
 だけど、レーザー銃に比べると特に高くないんだよな(大汗)
 いざとなれば強引に200個並べる手はある。

GTO THYRISTOR

 コイルガンの場合、スイッチング電源と違ってOFFにするのは1回で良い。次弾発射までには秒単位の長い時間を要する。
 従って、OFFにするため少々時間が掛かっても構わない。となればスイッチングの遅いGTOも使い物になるし場合によってはサイリスタの電流を切る回路を考え出せるかもしれない。
 ともあれ、まずどんなGTOが売っているか?である。

 千石では扱っていないようだが、若松にはある。
 SONYのSG274とSG613だ。ところがこれ普通とは逆で、モノはあるのにデータシートがない。幾らネットを漁ってもヒットしない。スペック不明では検討不可能だ。ただし、容量と言う点で一般論としてサイリスタとGTOサイリスタはほぼ互角なので、SG274であればフラッシュ電解11J×2パラ程度の放電に耐えられそうな雰囲気ではある。テストする価値はある。

 写真はお手軽コイル。理科の実験に使う0.55ミリの細いエナメル線を外径13ミリのアクリルパイプに2層巻きしてある。パイプにはパチンコ玉は入らないので8ミリボールベアリング。余談だがエアガン事件のせいか6ミリだけ売って無いのが笑える。
 法律以前の問題としてエアガンに鉄球入れるのは馬鹿である。エアガンはコイルガンと異なり加速中に弾丸とバレルの接触が不可避なので、鉄の弾丸でバレル内に傷が付いてしまう。

 これに、コンデンサーではなくLD電源で定電流を流してみた。
 5A流した時点で、ベアリングの転がりが中心磁場に捉えられて引っ掛かるのが分かった。しかしそれだけ。1グラム程度の小さな力が加わっているだけっぽい。

 しかも、コイルはかなり過熱する。何十秒も流していれば当然ではあるが。
 秒単位で持続する場合の耐電流が不安なので、電流をこれ以上大きく出来なかった。

 パルス500Aでも、磁力の強さはピークでこの100倍でしかないんだよな。

 実際はこんな薄いコイル使うのではないし、アクリルパイプも使わない予定。それでも球形弾を加速するのは容易じゃなさそうだ。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(1)] [TB(0)]

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Comments

『SG-613』

かなり古い記事でまだ必要かわかりませんがSG613らしきデータシートを見つけたのでURLを張っておきます。
1msだと33Aまでとのことなので並列で使う必要があるかもしれません。

written by adiben

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