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2006年10月23日(月) 17:28

実験用コイル

 コイルの巻き方が汚いと僅かな性能劣化があるし命中精度にも影響皆無ではない。磁場が綺麗にセンターを貫いている方が弾道が安定するのは自明である。しかし、使い物にならないほど悪化するとは思えないし現時点ではあくまで実験用途としてのコイル製作だ。見てくれは気にしないことにする。

 そうなると、一番の問題はセンターのパイプ冶具が外れないこと。こればかりは、外れないとコイルが全く役に立たなくなる。
 今度は、ポリエチレンパイプを12ミリに切り出した後、6つに切断した。3つ程度でいいかとも思ったが、念を入れる。これをガムテープで巻いてまとめる。
 ガムテープの背面はテフロン加工されていて、やはり接着剤が全く付かないのが便利。

 冶具にセットしたところ。
 ガムテープの上からエポキシを塗り、エナメル線を巻き付ける。2回の作業で分かったのは、5分硬化は速過ぎる。30分硬化で充分だ。ただし、綺麗に巻くことにこだわれば5分がいいかもしれない。つまり、1層巻くごとに新しくエポキシを塗り重ねるのである。
 今回そうしなかった理由は、エポキシ混合を6回も7回も繰り返したくなかったから。エポキシはどうしても使い残しが不可避なので、細切れに使うと大量の無駄が出る。高価なのに。

 しかし、一度に多量のエポキシを添付してから巻き始めると、エナメル線がエポキシに埋没してしまい1層目から既に綺麗に巻けなくなってしまう。手で綺麗に寄せたくてもエポキシでベト付くから触れない。かくして汚い仕上がりになる。
 どうせ各パーツかなり高価なんだし、この際1層分ずつ少量のエポキシを使いつつ綺麗な仕上がりにすべきかもしれない。長さ12ミリしかないのだから、1層だけを綺麗に巻くのは難しくない。そして1層ずつ順番にエポキシで固着させてから次層を巻くようにすれば、美しい仕上がりを狙えるのでは?

 中央パイプは6分割もしたのに、取り外すのは大変だった。さすがに6つのうち1つを取り外し成功した後は楽だったが・・・外す作業中にエナメル線に少し傷が付いたので、エポキシ塗付で保護した。

 1.0ミリエナメルのコイルとパッと見は似たようなものだが、持つと重さは明白に軽い。
 中央パイプを6分割したせいで、穴が綺麗な円形にならず少し歪んでいる。11ミリのパチンコ玉が引っ掛かるほどではないが、課題の1つとなった。
 綺麗な中央穴になり、取り外しが容易で、何度も使える。そんな冶具を考案せねばならない。

 インダクタンスは実測で何とか70μHを確保。製作誤差と計測誤差を考えても、これならピーク500Aに収まるだろう。ひとまず0.8ミリの75回巻きをコイル仕様と決めよう。

 巻きは汚いが、実験用コイルとしてなら充分。アクリルパイプ等のボビンが無く、プロジェクタイルにコイル線が晒されるのは不安もある。しかし、エポキシ硬化による頑丈な実物を触っていると、大丈夫な気になる。

 0.8ミリのエナメル線はいかにも細く感じるし直流抵抗も0.2Ωに近くなる。しかし、コイルがコンパクトなことは重要なのだ。これは実験用なので剥き出しだが、本番用コイルは恐らく鉄板で覆うことになる。超多段用のこんな短いコイルの場合、磁力線が逃げまくって非効率間違い無し。周囲を磁気シールドして磁力線を封じ込めれば、パチンコ玉に作用する磁力は遙かに大きくなるはずなのだ。
 ところが、磁気を確実にシールドする手段はない。鉄板で覆うにしても、厚くすることで効果を高める程度。つまり、重くなる。その分コイルは軽くしたいし、また外形がコンパクトなほどシールドが軽くなる。

 ところで、秋月IGBTを使ってコンデンサー充電器の性能を上げる計画はボツになりそうだ。
 IGBTの特性を調べると、FETとは異なり飽和電圧がある。つまり、流れる電流がどんなに小さくても両端に最低でも1V程度の電位差が発生してしまうのだ。FETなら基本的にそんな「固定費」は無い。だから、電流が小さい時はFETの方が効率が良い。10〜15Aでは2SK3132の方がロスが少ない。IGBTが威力を発揮するのは40Aオーバー流すような場合。

 IGBTは定格限界近くで大電流相手にしてこそ実力を活かせる。その点では、コイルガンは良き舞台だと言えよう。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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