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2006年11月5日(日) 07:19
IGBTゲートドライバーにはどの程度の性能が必要になるだろう。
ゲート電荷の引き抜きは1μ秒より短時間に行いたい。多段階に遅延が重なるため、全体の遅延を数μ秒に抑えようとすればどうしてもそうなる。今回使用するIGBTはゲートに51Ω以上の抵抗を付加するようデータシートで指定されている。
4パラで使用した場合、ゲート容量は合成15.6nFとなる。そしてゲート抵抗は合成13Ω程度となる。ゲート初期電位を5Vとすれば、初期引き抜き電流は約400ミリアンペアとなる。ゲートに指定の抵抗を入れた場合、それ以上は流れない。
この最高性能の状態で既に、ゲート電荷を抜くにはコンマ数μ秒を要する。つまり、要求性能を確保しようとすれば限界まで高速にゲート電荷を抜かねばならないのだ。
Q2の増幅率を100とした場合、赤い引き抜き電流を400ミリアンペア確保するためには、緑のベース電流は4ミリアンペア必要である。
R1が1KΩとした場合、5Vでは5ミリアンペアが流れる。つまりほぼドンピシャである。もちろんこんな計算をやった上でR1の抵抗値を決めたのだから当然なのだが・・・
要するに、ゲートドライバーの設計はもうギリギリのバランスで成立しており、これ以上どうにもならないのである。Q2の増幅率が大きくならない限り。
IGBTをONにする場合を考えると、Q1の増幅率もまた問題だ。となれば、ブースターを2段にするしかない。
・・・な訳ないだろ!
フォトトランジスターの方をダーリントンにすれば良い。Q3が1個増えるだけだ。
これでは電圧降下も遅延も増大する。しかし、電圧降下は電源電圧を上げれば良いし遅延に関してはそこがシンクロトロン型の強みである。プロジェクタイルの位置を気にしなくて良いため、遅延そのものの絶対値ではなくバラツキだけが問題となる。余りに遅延が大きければ問題だが、今更トランジスター一段分の遅延が追加されても大勢に影響は無い。何より、光ゲートドライバーの感度が2桁アップすれば、送信側がいろいろな点で非常に楽になる。
PIC直接駆動可能な10ミリアンペア級のLEDが使用可能にでもなれば大成功である。1ミリの太めファイバーの先端を、DAIさんの情報にあるように溶かして広げれば行けるかもしれない。何しろ最終的には40セットなのだから、送信側にLDを並べたりペルチェで温度管理とか言い出すのに比べれば大違いだ。
受信側だって最後は40セットなのだが、増えるのはトランジスター1個だけ。コスト面でも送信をレーザーモジュールにすると桁違いに必要になる。サイズや重量も比較にならない。
明らかに、光ゲートドライバーを改良するのがベストと思われる。
トランジスターたった1個の話なのだから最初から入れとけよ、という意見もあるだろう。しかし、入れることによるデメリットもあるのだから、入れる必然性を確認するのが先だ。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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