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2006年11月21日(火) 17:30

山狩り

 IGBTのゲートに接続した抵抗が各51Ωではなく51KΩだったりして。過去のドジを踏まえるといかにもありそうだ。しかし、残念ながら?ちゃんと51Ωが接続されている。
 PICの出力ピンは綺麗な矩形パターンだし、トランジスターを通した後でもやはり250Hz程度ではパターンはまるで崩れない。それがなぜ?

 まてよ・・・確かにレーザーポインターを振ると綺麗な点線になるのだが、明るい白壁と暗い壁では点線が違う。明るい壁ではシャープなのだが暗い壁で振ると明るい期間が明らかに長い。元の信号はPICが生成した正確にデューティー50の波形である。レーザーポインターもLED並に反応遅いんじゃないか?
 確かにレーザーダイオードは超高速の反応速度を誇る。だが、秋月円筒形モジュールは薄型モジュールと異なり、出力が安定している。マトモなAPCが組み込まれているのでは?そしてそのせいで、反応がトロくなっているのでは?

 試しに、薄型モジュールに換装する。話にならないほど出力が不安定だが、レーザーを振ると暗い壁であっても明暗の長さが等しいシャープな点線が輝く。期待しながら接続するが、やっぱりナマったゲート電圧しか出て来ない。
 ただ、ナマってるだけでなくノイズが乗りまくっている。円筒モジュールではノイズは乗らない。これは薄型モジュールの品質が劣悪であることと同時に、フォトトランジスターの反応速度は速いことも示唆している。

 ならば最後の手段、レーザーダイオードの直接ドライブだ!
 共立グリーン改造でお馴染みの手法。3V定電圧に51Ωの電流制限抵抗を入れ、レッドレーザーを動かす。早い話がLED光らせるのと同じです。
 写真では赤と黒の配線が逆(汗)
 黒い方が3Vで、赤い方がGNDだ。

 これで、究極の反応速度が得られる。だが、やっぱりゲート電圧の波形は変わらない。さすがにLD直接駆動で反応速度がミリ秒オーダーは考えられない。犯人は送信側ではなく受信側に居る。

 レーザーポインターの近くにTPS601Aを設置する。入射光が強力なので増幅を必要としない。
 1KΩを直接バイアス用とする。これで、カソード電圧をオシロでチェック。ミリアンペアあたり1Vの電圧が計測される。入射レーザーの強度がそのまま電圧として測定可能だ。さあ、波形はどうだ?

 綺麗な矩形パターンが現れた。
 やはり、TPS601Aは充分な反応速度を持っている。こいつも犯人ではない。
 こうなったらIGBTを取り外しての測定も必要。波形がナマってるのはIGBTゲート容量のせいなのか?それとも別の理由なのか?
 ゲート電位だけでなく1KΩの+側で計測しても波形がナマっていたため、IGBTゲートの責任ではない可能性が高い。しかしここまで犯人が絞られて来れば、最終的な確認もすべきだ。

 IGBTを何度もハンダ付けしたり外したりしたくないため気が進まないのだが、原因は徹底的に調べねばならない。自分が何を見落としているのか?トラブルは開発の初期に解決するほど影響が小さくなる。慌てて進むと後で大変なことになる。

 IGBTを外して光ゲートドライバー単独にしても、波形は変化無し。微妙に遅い電圧立ち上がりと異様に遅い電圧降下。
 光ゲートドライバーの回路そのものに関しては、例のごとく回路シミュレーターを使って理論的にはちゃんと動作することを確認してある。パーツの定数にはズレがあるが、仮にブースター部分を無くした場合のシミュレーション例がこれ。2ミリ秒ごとではなく0.1ミリ秒ごとに切り替えている。

 ブースターを除去しても、現実回路より1桁高速にスイッチング可能なはずなのだ。
 いよいよ犯人を追い詰めたのか?まだ分からない。こうなると一番怪しいのはC2655なのだが、どっこい送信側でもLD駆動に使われている。そして、そのC2655と三端子レギュレーターを通した後でも250Hzの駆動波形はナマっていない。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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