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2006年11月24日(金) 17:28
光ゲートドライバーはパーツ選定や設計変更で大変だが、これまでの騒ぎで必要なチェックポイントはかなり明確になった。そろそろ弾速測定器の方も進行させよう。
コイルガンを作っているサイトは内外に数多いが、外国に比べると日本では弾速を測定していない所が多い。しかし、実験には測定が必須だろう。空き缶を撃ち抜くのも面白いが、具体的に弾速がどの程度まで上がれば撃ち抜けるか?という公開のされ方がしてあれば、更に面白いのにと思う。
コイルガンの弾速が測定されていないのは、適切な測定器が無いのも理由だろう。武器としてのコイルガンはプロジェクタイルの運動エネルギーより電磁ノイズ発生器としての威力が上かも(汗)
下手に測定器を使おうとすると、測定器が壊れかねない。しかも将来的に超多段式なんてなった日には・・・
そこで、コイルガン専用の自作測定器となる次第。
基本はありふれたPIC制御の光学検知式。弾丸の通過を光センサーで検出し、2点間の所用時間から速度を計算する。
ただし、すべての装置はバッテリー駆動の独立電源とし、シールドボックスに格納する。操作や結果表示の確認はボックスを開けて行うが、コイルガンを撃つ時はボックスを密閉してしまう。
シールドボックス内からレーザーを光ファイバーで検知機まで導き、15ミリほどのギャップを介して光ファイバーでシールドボックス内の光センサーまで引き戻す。
あらゆる装置はボックス内に籠城させ、外部との遣り取りは光ファイバーのみで行う。これにより、コイルガンの猛烈な電磁ノイズから守る。
ギャップを介した光ファイバーでは光量が低下するため、光源はレーザーを使用する。光源の変調はプロジェクタイル通過により物理的に行われるため、光ゲートドライバーで問題になっている立ち下がりのシャープさでは有利である。
少なくとも、発光側の立ち下がりがナマることはない。
結果表示は液晶ディスプレイを使用する。情報量が多い割に少ない配線で済むし、消費電力も少ない。
電子工作のためのPIC16F活用ガイドブックに掲載されている回路に合わせる。液晶パネルは例のごとく秋月で売っている。バックライト無しタイプを選んだ。
弾速測定器ではPICのクロックの正確さも問題だ。通常のセラロックはラジコン制御に使う程度なら充分に実用的な精度があるし小型である。しかし、弾速測定器ではクロックの誤差はそのまま測定誤差となる。温度等による変化だけでなく時間的変化があれば、別の日に測定した結果を比較し辛くもなる。
そこで、クリスタルオシレーターを使用する。
水晶発振器も液晶ディスプレイも5V安定化電源を必要とする。そこで、バッテリーをDC−DCコンバーターで5V安定化して使う。
ここで使用したのは鈴商で扱ってるもので、入力電圧4.65〜6Vとニッケル水素4本にピタリとハマる。恐らくその用途を想定した製品だろう。出力0.4Aまでなので、今回の回路には適切な能力。もっと大電流が必要ならコーセルの方が入力電圧範囲も広く小型である。しかし、このスペックで構わないのなら、こいつの方が安い。
水晶発振器の精度は4桁。しかし前書の時計作例では、5桁の精度を持ちしかも安い発信器が使われている。秋月でも売っている。だが、残念なことに自分は12.8MHz品しか発見出来なかった。クロックの精度だけでなく周波数も重要だ。測定の分解能に影響する。20MHzで動かせるPICを12.8MHzで動かすのは到底容認出来ない。検出器の長さ精度を考えた場合、5桁はオーバースペックである。精度が4桁しかなくても20MHz出せる方が価値が上と判断した。
メインスイッチはDC−DCコンバーター側面にエポキシで接着。最終的には全体をシールドボックスに収めるが、開発中は剥き出しである。
基板右側にあるのが液晶ディスプレイとの接続コネクター。14ピンあるが信号線は7本で済む。それで16桁×2列の表示が可能なのだから、7セグメントより遙かに便利。
4ビット送信モードで使うため、4本のピンは不用。残る3ピンは5VとGNDとコントラスト調整である。右上のボリュームで液晶のコントラストを調整する。
LEDは液晶ディスプレイの下に隠れてしまうが、発光していることが分かれば良いので充分に使える。検出光ではなく単なるモニター用である。
その下にTPS601Aが2つ、BポートとGNDの間に直結してある。Bポートをプルアップ設定で使うと、光が入らない場合は1で601Aに電流が流れると0がPICに入力される。
PICの内蔵プルアップ抵抗は数十KΩと大きめなのだが、それを逆用し手頃な増幅率を持つバイアス抵抗としてしまう。光ゲートドライバーで反応速度問題が出ているため、余計なパーツを極限まで省いた構成だ。
左に2つ並んだスイッチは弾速測定器の操作用。
なお、液晶ディスプレイは写真の状態では上下逆にセットされる。つまり、実際に使う場合は写真とは上下逆にする。
基板裏側。
このDC−DCコンバーターは外付けコンデンサーを必要としないが、取り付けることで電源としての品質はアップする。秋月のチップ型積層セラコンは案外作業性が良くて使い勝手が良い。
写真ではそれほどの配線量に見えないが、実際の作業は相当に面倒臭い。
電源配線が別に取り出してあるが、レーザーモジュール用である。PICで制御するのではなく、メインスイッチを入れれば点灯し続けるようにする。
光り続けるレーザーをパチンコ玉が遮る瞬間を検出する。つまり、レーザーは常時光っていなくてはならない。気分的には電力の無駄だが、あくまで気分的だ。
それに、気分的に電源を入れっ放しにしたくない仕様であれば、こまめにメインスイッチを切るようになり結果として省エネでもある。
レーザー部分以外を組んだところで、基板試験を開始。
まずはバッテリーを接続しPICはセットしない。バッテリー電圧とDC−DC出力の電圧をチェックし、正常であると確認する。メインスイッチが働いているのを確認する。
続いてPICをセットする。マイクロスイッチを押せばLEDが点灯する単純なプログラムで動作を確認。それをパスすれば、601Aに光が入ればLEDを点灯させてみる・・・という感じで動作確認は進行する。
ここで、赤LEDが光らないというトラブルが発生した。実はこれまでRA4を出力で使ったことが無かった。特殊なピンなので避けていたのだ。うっかりRA3と同じようにLEDを接続してしまった。
RA4を出力で使う場合、ピンとGNDの間がON/OFFされるような動作をする。
だから、LEDを光らせる場合はRA3など他のピンとは回路が変わるのだ。使うパーツは同じであるが。
また、ONになるのはRA4に0を出力した場合なので注意が必要。
分かってしまえばRA4も他と同じようにLEDを光らせるために使える。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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