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2006年11月29日(水) 17:09
実使用時にベース電荷みたいな概念が存在するのでは、トランジスター使うメリット無いじゃん
(;_;)
フォトトランジスターの増幅にFETを使うことにする。無駄に耐電流やON抵抗が大きくその代償としてゲート電荷の大きなものは不可である。ギリギリまで耐電流が小さくON抵抗が大きい代わりに、ゲート電荷の小さなものでなくてはならない。選定したのは2SK1827である。ON抵抗何と20Ωもあるのだが、601Aの増幅に使うなら全く問題ではない。
ゲート電荷は6pFしかない。微小なチップ品なので、扱い易いようピンヘッドにハンダ付けする。
6pFであればR2に100KΩを使用しても1μ秒程度でゲート電荷を5Vから1Vまで放出可能だ。200KΩにして感度を倍増させても2μ秒。抵抗が1本余計に必要となるが、パーツが小さいので抵抗もついでにチップ型を使い基板を起こせば、レーザーポインターの制御基板みたいなコンパクトな品が作れるだろう。
ところが、最初にR1とQ3の接続部分・・・すなわち出力電圧を測定したらONになったまま戻らない。そこで、上図のようにQ3のゲート電位から測定してみた。すると、余りに予想外の波形が現れた。
601Aに光が当たらなくなり電流が途絶えると、Q3のゲート電荷はR2を通じてGNDに逃げる。R2として100KΩを入れた場合のQ3ゲート電位だが、異様に落ちるのが遅い。想定の数百倍の時間を要している?!
試しにR2に1KΩとすると、それなりにマトモな時間でゲート電荷が抜けた。だが、1KΩでは光検出感度が全くアップせず、増幅Q3を入れる意味が皆無である。
これはどういうことだ?
ゲート電荷6pFを抜くのに、どうしてこれほど異様に長時間を要するのだ?
いずれにしろ、FET増幅は失敗だ。
2SA1972
トランジスターによる601Aの増幅では最も性能の良かったA1972を再度引っ張り出してみた。
光が当たった場合に電位が下がる構成に組み直す。
出力電圧の変化を測定する。
何と、以前の測定の面影が全く無い悲惨なパターンが現れた。どいつもこいつも何やってんだ!
しかし実は、A1972が悲惨じゃないかという予感はあったのだ。このパターンを目にしてほぼ確信に変わった。確かにトランジスターの機種による個体差はあるが、それより遙かに決定的な条件がありそうだ。
601Aの増幅にトランジスターを使用し、光OFF時の反応が比較的良かった場合と論外に悪い場合。それを分ける条件がある。
601Aに入射していた光が途絶えた瞬間に、トランジスターのエミッターとベースの電位差が大きければコレクター電流は高速に停止する。電位差が小さければ、なかなか停止しない。
・・・のではないか?さっそく仮説の検証だ。
2SC2655
主犯またまた登場である。仮説が正しければ、601AのアノードをVccに直結することでC2655のゲート電位を高くしてやればOFF時の反応が高速化されるだろう。
601Aのアノード・カソード間電圧は0.25Vである。最大0.4V。C2655のベース電位はVccよりそれだけ低くなり、5V安定化電源では4.6〜4.75Vとなる。エミッターは接地してるので、両者の電位差も5V近くなる。
C2655のエミッター・ベース間電位差は5Vまでしか許されないため、ギリギリだ。更に大きな電位差が許される機種に交換せねば、Vccを6Vまで上げることは出来ない。
FETに比べるとトランジスターでは許容されるエミッター・ベース間電位差は小さいものが多く、大半が5Vまでである。電位差を大きくするのは良くないとのイメージがあったので、601AのアノードをVccに直結する回路は以前ボツにした。
だが、試してみるとビンゴだった。戦犯C2655が良い子A1972より遙かに良好なOFF反応を見せたのである。
601Aの増幅にトランジスターを使うのはアリかもしれない。
トランジスターの電流が瞬時に停止しないのはウザ過ぎるものの、回路設計次第である程度対処可能だ。C2655ではVccを5Vまでしか上げられなくなるので、他のNPNトランジスターも試してみよう。FETがそうであるように、トランジスターもスペック的には貧弱なものの方が反応良いかもしれない。
601Aの増幅には、ずっと耐電流の小さなトランジスターでも使える。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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