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2006年12月8日(金) 17:13

日本一短いコイルガン

 秋月インバーターの半固定抵抗だが、明らかに出力電圧リファレンスにしか使われていない。出力電圧とGNDを分圧し、検出端子に接続されている。
 となれば、250KΩを使うべき場所に500KΩを使ったから壊れるとは考え難いし、もっと小さな抵抗を使っても電流のロスが増えるだけで問題ないはずだ。

 そこで、手持ちの10KΩ半固定をセットしてみた。
 通電する前に抵抗値をチェックすると、やはり出力とGNDが短絡している。どうやら変換ユニットが壊れたようだ。もともとこのキットにはユニットが2つ付属しており、性能的に充分なので1つしか使っていない。もう1つのユニットに換装した。

 ところが、それでも短絡している。これはもしや・・・そうだツェナダイオードが付いていたんだ!

 ツェナを外すと短絡状態は解消した。
 つまり、500KΩ抵抗をセットして通電した瞬間、その時点での半固定抵抗位置では出力電圧が高過ぎてツェナが通電。サージとは異なり電流が延々と継続したことでツェナが破壊されて短絡したのだ。
 ツェナ無しで5V近辺に調節した上で、新しいツェナを取り付け直した。秋月インバーターは正常動作するようになった。

 これは、秋月インバーター以外でも注意せねばなるまい。光ゲートドライバーやIGBT保護にツェナを使いまくるが、どこかで壊れて短絡した場合に、それを容易に発見可能な自己診断機能を組み込む必要がある。本番では。

 以前不発に終わったサイリスター使用試験回路を流用。
 サイリスターの代わりにIGBTと光ゲートドライバーを取り付ける。

 ブレーキング抵抗は付いていない。フライホイールダイオードだけが付いており、IGBTをONにすればそのまま。OFFにしない。コイルや回路の直流抵抗でコイル電流が減衰するのを待つ。
 実際にはミリ秒単位でほぼ消滅するので、手動で光を当てれば結果として充分な時間ONにし続けられるだろう。

 OFFにしなければサージの発生が抑えられる一方で、IGBTやフライホイールダイオードに電流が流れる時間は長くなる。これにより、その部分の耐久性を確認出来る。
 開発中は思わぬトラブルが多発するものだ。前進は少しずつにして、トラブルは各個撃破するようにせねばやってられない。

 これをクリアすれば今度はブレーキング抵抗を取り付けて数百μ秒でIGBTをOFFにする。そしてサージの影響とブレーキング部分の耐久性を確認する。そのように段階を経て問題を潰して行くのだ。

 上の配線は秋月インバーターの5V接続。わざと長々と引き回した電源配線に発生するサージで、秋月インバーターや光ゲートドライバーが壊れることはないのか?
 下の配線はフラッシュ電解を充電するもので、三号充電器に接続されている。

 TPS601Aには真鍮パイプを被せてある。ここに手持ちで1ミリワット赤レーザーポインターを照射して発射する。
 コンデンサーは330V定格にチャージしておく。数百アンペアのパルス放電がコイルを走り、それによって各パーツがダメージを受けるかどうか調べる。

 コイル内にはパチンコ玉を転がしてある。コイルを止めてあるガムテープが落下防止になっているといういい加減さ(汗)
 つまり、厳密な計測を目的としているのではない。パチンコ玉はあくまで磁気が発生したのを見て確認するためだけにある。通電時間が制御されていないため、勢い良く発射される可能性は低い。しかし何らかの動きは発生するだろう。

日本一短いコイルガンだな!

 いざやってみると、手持ちのレーザーを当てて発射というのは妙な気分である。光をパイプに注ぎ込む感じ。いきなり小さく「ポン」と音が鳴った。殆ど無音で発射されると想像していたので意外。一体何が音を立てたのか興味ある。
 パチンコ玉は低い弾道で左側に放り出された。弾道と見た目から判断すると、秒速3メートル程度である。をっここまでいい加減な設置にしては結構良いんじゃない?
 そう感じたとき、溶接音みたいなものが聞こえた。青白い電気火花が三号充電器のヒートシンク下から発生した。そこかよ!
 どこか壊れるのは覚悟していたがコンデンサー充電器が燃えるとは予想しなかった。電源OFFに手間取る。見た目それ以外には被害が出ていないものの、各パーツがまだちゃんと動作するか個別に確認せねばならない。

 もちろんはっきり壊れた三号充電器は、詳細な調査が必要だ。
 しかしとにかく発射は成功したし、パチンコ玉がプロジェクタイルに使えることも確認出来た。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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