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2006年12月29日(金) 18:18

25ミリコイル

 弾速測定器が発する大量の赤外線も、今回は全く影響を与えることなくコイルガンは快調に動作。
 だが、ほんの10センチ先にある数センチの的にマトモに入らない。

 パチンコ玉をくっつけたOリング磁石を側面の軟鉄シールドに吸着させているが、吸着位置が一定になるよう周囲にガムテープで枠を作った。ところが、これでは平気で1ミリくらいはズレてしまう。
 すると、軟鉄シールドが帯びた磁気で弾道が不安定化され、どこに飛んで行くか分からない。

 ソレノイドではコイルを軟鉄シールドで覆うのは当たり前だが、コイルガンでは必ずしも適しない。この新しい25ミリコイルを側面シールド一体で製作したのは失敗だったようだ。
 性能自体もかなり低い。25ミリは長過ぎってことか。予想以上に。

 何とかマトモに通過したと目視出来た時の弾速を集めてみる。大前提として、堅牢なパチンコ玉の保持機構を作らねばどうにもならない。

IGBT・ON 弾速m/s
160μ秒 7.38
7.52
320μ秒 7.39
7.15
480μ秒 7.70
7.86
640μ秒 7.43
7.68
800μ秒 7.97
7.53
960μ秒 7.77
7.66
2.44m秒 7.37
7.31

 結果を見ると、全般的に異様に遅い。これは25ミリのコイルを製作した時点から違和感があった。壊れる前に300μ秒通電で秒速7.31メートルと表示されたことも既に書いた。
 それを脇に置いても、結果がおかしい。通電時間と弾速に相関が小さい。無いとは言わないが予想外に弾速が変わらない。
 通電時間が長過ぎると引き戻し力が生じるはずだ。つまり、非常に早期に通電が終了している可能性がある。ちなみにON時間を80μ秒にすると弾道が極端に不安定になって事実上測定不能になった。また、いずれもIGBTがONになっている時間であり、コイル電流自体はそれよりも長く流れ続けているはずだ。

 回生型にしてからサージが完璧に押さえ込まれている。だが、設計で想定していない何らかの現象が起きている。何かが隠れている雰囲気しまくりだ。

 コイルの直流抵抗が0.1〜0.2Ωあるはずなので、コイル両端の電位差をオシロで計測すればコイル電流の変化パターンを確認出来そうである。だが、二号充電器があるとオシロも使えない。発射時に充電器を停止させることは出来るが、その手前の充電時わずか1秒未満の段階でオシロがストライキ状態になる。
 射撃間隔が10〜15秒開いても実験には殆ど支障を感じないと分かったので、どうせ製作せねばならない本番用小型充電器を開発するか・・・

 初代の12ミリコイルに取り替え、側面シールドを付けず適当な位置にパチンコ玉を置いて射撃。余りにいい加減な再現性の無い測定だが、IGBTへの通電時間320μ秒で秒速8.71メートル、480μ秒で8.82メートルが出た。これも回生型にする前より明らかに勢いが無いのだが、それでも簡単に25ミリコイルを上回ってしまった。

 パチンコ玉を磁石で保持したら性能落ちるの当たり前だろ!という声が聞こえて来そうだ。
 しかし、ある程度性能を落としても、実用上は確実でコンパクトな給弾装置の方が重要である。自動装填自動連射機能は必須だが、そんなコイルガンは殆ど公開されていない。手動でプロジェクタイルを差し込んで射撃するものは、ラジコンには積めない。

 磁石を使わずエアガンのようにチャンバーパッキンで保持する方法も試すつもりではある。だが、その場合もパチンコ玉を押し込む装置は作らねばならない。また、コイルの途中にパッキンを用意するのは構造的に難しい。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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