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2007年1月3日(水) 16:11

昇圧チョッパーで330V可能?

 2SK3132はゲート電位4V程度は欲しい。しかし、MC34063内蔵トランジスターはダーリントン接続で最悪1.3Vの電圧降下がある。これでは直接ドライブ出来ない。そこで、低電圧に特化した機種であるJ244を使用してゲートドライブすることにする。
 Q1は外部からインバーターを一時停止させるためのものだが、今回の試験回路には入れていない。MC34063の出力電圧検出端子の電圧を高くして騙すのだ。

 2SK3132とコイル、電流検出抵抗などの主要パーツはハンダ付けして一体化。それをドライブする回路やMC34063をブレッドボードに組む。
 電源の単三ニッケル水素電池4本はアナログ電流計を介して接続し、平均消費電流をチェックする。

 巨大なK3132も電池ボックスに比べるとそれほど大きくない。このままうまく実装すれば、インバーターの体積はバッテリーの半分程度に収まるだろう。

 PIC制御用のJ244や出力電圧検出抵抗は取り付けていない。電圧検出端子はGNDに落としてあるため、限界まで高電圧でチャージ可能。まずは基本として十分な電圧を発生させられるかどうか?の確認だ。
 電流検出抵抗は1.2Ωであり、最大で250ミリアンペア程度が流れることになる。

 出力には使い捨てカメラの100μF電解を取り付けた。本番の半分の容量である。
 昇圧チョッパーはコイルガンのサージを利用して高電圧を発生させるようなものだ。コイルに電流を流しておき、いきなり回路を切断すればサージが発生する。サージ電圧がコンデンサー電圧を上回った瞬間に出力ダイオードが導通し、コンデンサーを充電する。つまり、常にコンデンサー電圧を僅かに上回った電圧で充電されることになり、非常に効率が良い。
 単純な昇圧チョッパーは一次電流素通し問題やスイッチング素子の選定に問題を抱えている。しかし、コンデンサー充電器としては最適であり極めて優秀なのだ。

 まずはR2とR3にいずれも330Ωを選択し、Q2のゲート電圧を測ってみた。タイミングコンデンサーは1500pFとし、約20KHzのインバーター周波数となる。330Ωではゲート電荷の引き抜きに時間がかなり掛かっているものの、使い物にならないほどではない。

 続いて、Q2によってドライブされる本丸Q3のゲート電圧をチェックする。OFF時に振動しまくっている。これはいけない。
 実際、コンデンサー電圧が72Vから上がらなくなってしまった。

 R3を330Ωから51Ωに変更してみる。振動は小さくなったが、かなり不安が残る。

 コンデンサーの充電も、遅々として150Vをようやく超えている有様で、とても実用にならない。
 タイミングコンデンサーを変化させても事態は大して変わらない。消費電流は平均200ミリアンペアを超えているが、それに見合った電荷の蓄積が起きていない。
 どうやら、ゲート電荷の引き抜きを抵抗1本に任せておくのは無理で、もっと能動的に引き抜かないと駄目なようだ。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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