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2007年1月10日(水) 17:16

秒速10メートル

 コイルガンには普通使われない0.6ミリという細いエナメル線を使ってみた。
 長さ17ミリのコイルに150回巻くと、8メートル弱を消費した。実測178μHで直流抵抗がほぼ500ミリオームにもなる。

 パチンコ玉チャンバーが出来ていないが、偶然で測定が可能となった。細くて小さなコイルは実際のストームタイガー搭載を睨んでのものだ。内径が11.4ミリ程度と、まるでエアガンのバレルを製作してるのか?ってタイトな仕様にしたらコイル端でパチンコ玉が軽く引っ掛かるようになってしまった。
 逆に、端に引っ掛けた初期位置からどんどん撃てるということだ。

 直径2センチのコンパクトなコイルは、全く威圧感が無い。かわいらしくさえ見える。

 ここに小さなコンデンサー1個を放電して何が出来るのかと不安を感じる道具立てだ。

IGBT・ON 弾速m/s
320μ秒 9.72
10.22
9.68
400μ秒 9.81
9.54
9.60
480μ秒 9.72
9.85
9.72
560μ秒 9.62
10.21
9.46

 しかし、結構良い感じに発射される。小さなインバーターと小さなリチウムイオン充電池も頑張っている。測定器にまっすぐ通過させるのが難しく、実際より少しだけ遅い数値が出ることが多いはず。正味の実力は秒速10メートルに達していると思われる。
 秒速10.2メートルで0.286ジュール。効率2.6%と大したことはない。初代コイルで効率10%も狙えるか!と色めき立ったのに比べると地味な現状である。

 しかし、道具立ての大きさを考えると、模型用としての実用性は高い。
 掌に撃つと、そろそろヤバいんじゃない?って感じだ。秒速8メートルはズシンとしっかりした手応えを「楽しめる」のだが秒速10メートルは明らかに違う。もう一頑張りすれば、「威力」を実感出来るようになるだろう。

 一方では先日と同じく、通電時間が変わっても弾速は余り変わらない。320μ秒ではコンデンサーが放電し切れていないのに初速が高い。560μ秒は明らかに通電が長過ぎるのに初速が高い。その中間が落ち込んでいるものの誤差の程度の違いに過ぎない。

 連続充電状態で射撃していると、550mAhのリチウム充電池による充電時間が徐々に延びて10秒ほど要するようになった。そして、300V手前から電圧が上がらなくなった。測定すると無負荷電圧3.5Vで充電時2.9Vとなっていた。少し休ませると7〜8秒で330Vに到達。
 電池切れの時の挙動は大丈夫そうだし、100発くらいは撃てそうだから、これをコンデンサー充電器専用バッテリーとして採用するのは「可」だ。ニッケル水素電池のように、弱ってくると電圧降下が突然激増するとトラブルの元である。このリチウムは容量こそ小さめだが、最後まで電圧降下が安定している点が好感される。

 放電時のコンデンサー電圧変化はシミュレーションと良く一致するので、インダクタンスを実測しつつピーク400A強が流れると思われるまで巻き線を解いた。
 105回巻きあたりまで解くと、コイルは更にコンパクト。これで初速はどう変わる?

 試そうとしたがパチンコ玉の引っ掛かりが無くなって固定出来なくなり、初期位置が不安定で測定不能。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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