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2007年1月14日(日) 17:46
どうも調子が悪い。弾速など測定するまでもないほどパワーダウンしてしまう。
アルミ製というのがマズいのかもしれない。
あるいはパチンコ玉が余り突き出してくれないのがマズいのかもしれない。コイルとの間合いが開き過ぎてしまうのだ。
そこで、加工は面倒だがアクリルパイプに再挑戦。内径12ミリを使用。
慣れると結構加工し易いかも?と思い直す。
最適チャンバーが分からないので、試行錯誤しつつイメージを膨らませる。無関係な穴も開いている。
金属線の弾力によりパチンコ玉を上から保持。下には切り欠きを設けておく。
これによって、ちょうどコイルの端にパチンコ玉が掛かるように保持する。
コイルにはガムテープで仮止めし、使えそうかどうか確認。
シンプルな造りの割には好感触。
写真のコイルは実は、0.4ミリの極細エナメル線を10メートル巻いたものだ。長さ15ミリ。インダクタンスは355μHもあり、直流抵抗1.4Ωと無茶苦茶。
ところが性能が良い。秒速10.4メートル前後が普通に出るし、最高で10.95メートルを記録した。0.33ジュールにして効率3%に達する。
シミュレーションによれば、ピーク電流はたったの130Aである!
IGBTを4パラどころか単独で使えるほど少ない電流しか流れない。ただし、さすがにコイルはかなり暖まる。あくまで暖かいレベルであり、熱くはないのだが。
一方で、初の秒速10メートル越えしたコイルをほぐしたものは、秒速8メートル台が精一杯にまでパワーダウンしていた。
ここまでのところ、直流抵抗によるロスに目をつぶってもインダクタンスを大きくした方がパワー&効率がアップする傾向が現れている。また、予想外だったことに、磁気シールドはどこに設けても初速ダウンの傾向が出ている。
何度も指摘している通り、直径11ミリの球体であるパチンコ玉は、プロジェクタイルとして相当にでかい。コイルと比較してだが。そのため、既に磁力の逆二乗則は働かず、作用距離が短くなっても吸引力は余り増大しない。結果としてパワーに関しては、吸引力よりも作用時間の方が支配的になっていると思われる。
むしろ作用時間を伸ばすことがパワーアップにつながるようになっており、インダクタンス増大によるコイル通電時間増大でパワーが上がっている。それにしても0.4ミリコイルはいかにも直流抵抗が大きい。ピーク電流130Aで最大パワーとはいかにも異常事態である。コイルガンはコイルとコンデンサーのバランスが重要だ。
プロジェクタイルにパチンコ玉の使用を与件とした場合、最適バランスとするにはコンデンサー容量が不足しているのではないか?もしパワーソースを11ジュール電解1個だけとしたいのであれば、もっと小さなプロジェクタイルを使うのが最適ではないか?
ただ、0.4ミリコイルにも意味がある。それは、最小のコイルガンということだ。
ある程度遊べるだけの最小限のパワーさえあれば、組み込む装置は単純なほど好ましく小さいほど好ましい。そんな用途に最適なのだ。
まず、コイルが小さい。
次に、複雑な回生型回路を組まなくて良い。直流抵抗が1.4Ωもあるコイルにパワーソースが11ジュールしかないため、フライホイールダイオードだけ付加して電流を流しっ放しにしても電流は急激に減衰し、引き戻しによるパワーダウンがほとんど無い。OFF機能のないサイリスターを使い、当然制御用のPICも使用せず、パチンコ玉を秒速10メートル以上に加速する装置が作れる。ピーク電流が小さいため、サイリスターやダイオードの選定にも苦労しない。
サージにしても、フライホイール流しっ放しであれば回生型並に抑止される。
多段式を始めとするコイルガンの発展型を睨めば、現路線で更にあれこれ研究する必要がある。
だが、パーティーの余興に使えるような気軽なデモ用超小型コイルピストルとか、全長18センチのラジコン戦車に搭載する主砲とか、そんな用途であればサイリスター一発の単純な方式がベストなのではないか?
秒速10メートルは遅く聞こえるが、リアルに室内で見れば印象は全然異なる。一般人にデモすれば恐らく余りの速さにビビるだろう。危険だとの声さえ出てくると予想する。しかも重量弾だから転倒力が大きい。エネルギーはエアガンの半分以下だが、運動量はエアガンのBB弾を秒速200メートルで射出するよりも大きい。貫通力が小さく転倒力が大きいってのは、オモチャとして理想的だ。
一方もし屋外で使用した場合、飛距離はせいぜい10メートル。15メートル先には絶対に届かない。つまり、周囲の安全確認が容易なのだ。場所を選べば、危険範囲すべてに容易に目が届く。屋外の10メートルなんて本当に目と鼻の先である。つまり、安全な遊び場所を探すのに苦労しない。初速の遅さが飛距離の短さとなり、それがメリットとなるのだ。
ラジコン戦車の主砲が例えば50メートル先まで届いても、30メートル先の空き缶にさえ当たらないだろう。実際には数メートルの射的で楽しむことになる。そうなれば、10メートルしか届かないながら届きさえすれば確実にノックダウンさせられる低速重量弾の価値は落ちない。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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