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2007年1月17日(水) 17:13
0.6ミリエナメル線で傾斜巻きの性能が高くなった主因は、もしかするとコイル長の違いかもしれない。全長15ミリと16ミリ。工作誤差により傾斜巻きの方が1ミリほど長くなっている。
一方で、0.6ミリ10メートルを傾斜巻きすれば太くなり過ぎてしまい、ストームタイガー搭載が難しい。0.4ミリはコイルの発熱が大きい。ストームタイガー主砲を想定すれば、0.5ミリ10メートル傾斜巻きで全長17ミリのコイルなんていいかもしれない。自分が主として製作している全長の極めて短いコイルでは、1ミリの違いが巨大な影響力を持つ。微妙なコイルスペックで悩むが、逆に言えばかなり煮詰まって来たってこと。
そこで、コンデンサーを増設し、330V200μFを2個の22ジュール投入体勢とした。
小型で結構性能が良かった0.4ミリ10メートルと、11ジュール投入で最高性能を出した0.6ミリ10メートル。いずれも傾斜巻き・出口サイド軟鉄ワッシャー付加で計測してみた。コンデンサーの容量が大きくなったことで、理論的には変換効率が低下する。問題は、どの程度低下するか?だ。
磁気シールド有 | 0.4mm10m傾斜巻 | 0.6mm10m傾斜巻 |
IGBT・ONマイクロ秒 | 455μH初速m/s | 321μH初速m/s |
800 | 14.14 | 14.73 |
13.59 | 14.58 | |
14.07 | 14.07 | |
960 | 14.34 | 14.29 |
15.13 | 14.69 | |
14.13 | 15.12 | |
1120 | 13.72 | 14.86 |
13.76 | 15.37 | |
13.63 | 14.86 | |
1280 | 14.14 | 14.07 |
14.34 | 15.00 | |
14.21 | 13.87 | |
2550 | 12.71 | 15.39 |
12.93 | 16.11 | |
いずれも変換効率は落ちているものの、危惧したほどは落ちていない。これなら2倍のエネルギーを注ぎ込む意味が充分にある。どうやら、ストームタイガーは22ジュール仕様となりそうだ。
パチンコ玉と並べるとコンパクトさが際立つ。最高ではないが図体からは想像出来ないパワーを持つ。コイルを仕込める空間が無くて、とにかくコンパクトでなければならない!という場合の有力選択肢である。
最適ON時間960μ秒よりON時間が長くなるとパワーダウンするが、更に長くなると再びパワーアップするという11ジュール時に良く見られた現象を引き継いでいる。
しかし、11ジュール時と異なり通電しっ放しでは明白にパワーダウンする。このため、コイルの性能を引き出すには単純フライホイールでは駄目であり、回生型回路を必要とする。
11ジュールの最強コイルは22ジュールでも良好な性能を発揮。
外径が大きくなり過ぎるため、ストームタイガーに積むと主砲に大きな仰角を掛けられなくなる。それでは低速重量弾の模型的魅力でもある曲射弾道を楽しめない。
しかし、電流垂れ流しでもハイパワーが出せるため、OFF機能の無いサイリスターを使う小型コイルピストル用に最適。そっちに使用したい。
エネループは非常に優秀だと確定した。
4N無負荷4.85Vでコンデンサー充電中は4.25Vに低下。無負荷4.75Vまで消耗しても電圧低下は4.15Vに留まった。これまでニッケル水素充電池で散々悩まされた、大幅な電圧降下が最後まで発生しない!
ただし無負荷4.8Vを切るあたりから出力電圧が大きく振れるようになる。微視的にはかなりの電圧降下を起こしているのかもしれない。
AD変換機能を持ったPICを制御用に使ってバッテリー電圧を監視。
コンデンサー充電器を作動しない状態で4.8Vを切っていればローバッテリー警告で機器を動作させない。それ以上あれば機器を動作させてみて、動作時電圧が4.4Vを切っていればローバッテリー警告で機器の動作を中止。そんな感じで安全装置がうまく働けば、単三エネループ4本での単一電源化が可能だろう。
エネループならば、以前断念した小型レーザー銃も実行可能と思われる。しかし、駆動可能なLDは808nmの光出力で3〜4ワットまでである。消費電流と放熱装置の両方から来る制約だ。これでは、Wicked の完成品に対して明白なアドバンテージとなるほどのグリーンレーザーは生成出来ないだろう。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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