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2007年4月7日(土) 15:51
小学校の理科。棒磁石を2本くっつけると、どうなるか?
S極とN極が互い違いになった長い磁石になるのではなく、磁極の分離した長い磁石になる。もちろん誰でも知っている常識だ。
では、永久磁石の代わりに電磁石を使えばどうだろう。もちろん結果は同じ。
ならば、電磁石としてコイルガンのコイルを用意してみよう。
コイル1個に電流を流すと、発生した磁場の中心はコイルのセンターになる。コイルを2個並べて両方に同じ電流を流すと発生した磁場の中心は、2個のコイルを1個の長いコイルとみなしたそのコイルのセンターになる。
さて、電磁石は永久磁石と異なり、流す電流の大きさを変えることで磁力の強さを変えられる。コイルを2個並べて両方に違う大きさの電流を流せばどうなるか?
左側のコイルに大きな電流を流せば、磁場の中心は左に偏る。右側のコイルに大きな電流を流せば、磁場の中心は右に偏る。左右のコイルに流す電流の大きさを変えることで、磁場の中心を滑らかに可変出来るのである。これは、コイル1個ではマネ出来ない。
多段式コイルガンにおいて、常に複数のコイルに電流を流すようにすれば、磁場の中心を滑らかに移動出来る。これは、単段式では不可能な効率アップの手段である。磁場の中心を常に最適位置にキープ出来れば、n個のコイルで単段のn倍を上回るパワーが出せるかもしれない。
多段式コイルガンでは弾速が上がるほどコイルを長くするデザインが多い。それを、あえて同じコイルをズラリと並べて、弾速が上がるほど多数のコイルに同時通電されているようなデザインにする。そして、合成磁場の中心が常に弾丸の直前にキープされるよう制御する。
コイルをだんだん長くするとコイルの特性が変わり、設計が面倒になる。しかしこの方式なら同じユニットを並べれば良い。問題は、ユニット数が増えるため製作が面倒なことである。
そこで、自分の興味は1つに絞られた。すなわち、磁場の中心を任意の位置にスムーズに移動させるような制御を、フライホイール型放電回路で実現可能かどうか?である。
通電時間を自由に操ることができ、電流を止めるのも高速で可能な回生型放電回路。それならばほぼ狙い通りの制御が可能だろう。だが、回生型は非常に製作が辛い。4段程度なら作る気力も出るが、既に8段にしてなかなか気力を出すのが難しい。
これに対し、フライホイール型はコイルピストルでやったように楽に製作出来る。20〜30段でも作る気が起きる。電流を高速で止められないと困る銃口近辺の何段かだけ回生型を使用し、それ以外はフライホイール型を並べて済ませられれば実現の可能性が高まる。
通電開始のタイミングだけ制御可能で後は流しっ放し。コイル電流もダラダラ流れ続けてなかなか止まらない。そんなフライホイール型でも使い物になるのか?
可能性はある。22ジュールでの実射では、単段フライホイール型で0.5ジュールに対し、単段回生型は0.6〜0.7ジュールが出ている。つまり、回生型にすれば2割から4割のパワーアップになっている。
だったら、フライホイール型でも2倍の段数並べればパワーで上回るのでは?
フライホイール型は製造時に精神的に消耗しないため、回生型の3倍以上の段数を作る気になる。効率は回生型より悪化するが単段に比べれば良好な性能が出せるかもしれない。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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