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2007年7月11日(水) 17:36

余計だったか?

 コイルガン10用のコンデンサー充電器は昨日で一段落付けるつもりだったが、電源OFF時のオペアンプの挙動という宿題が出来てしまった。
 解決策はすぐに幾つか思い浮かぶものの、じっくり考えるとそう安直ではない。

 例えば、電圧検出分圧抵抗のGND側をパイパスしてそのままプルダウンするスイッチを新設する。

 スイッチを入れるとオペアンプの入力はGNDレベルとなり、オペアンプのVccが0Vに向かって低下しても電圧の逆転は生じず大丈夫だ。ところが、スイッチを入れるタイミングが問題となる。
 スイッチを入れる前にメイン電源を切ってしまうと、全く意味は無い。かと言ってメイン電源を切る前にスイッチを入れてしまうと、コンデンサー電圧が0Vと判定され充電器が作動しっ放しとなる。コンデンサーが設定以上の電圧に充電されてしまう。

 メイン電源を切るのとスイッチを入れるのは同時に行わねばならず、概念的にはともかくとして現実にはタイミングを完璧に一致させる実装は難しい。つまり、この設計は良くない。

 更に何とも運が悪いことに、電圧検出抵抗の近辺だけ既にエポキシで固めてしまっていたのだ。
 理由は、充電完了LEDの電流制限抵抗と重なり合っていてショートの危険が高い箇所だったから。

 つまり、スイッチを増設しようにも、できない。
 電圧検出抵抗付近の回路に手を入れる方法は、いずれも同様だ。作業出来ない。
 では、どうすれば良いのか?
 結果論としては、放置がベストだったようだ。主電源を切る時の状態に問題はあるが趣味の装置としては無視しても当面大丈夫っぽくて、先に進むべきだった・・・かもしれない。

 自分が選択した対策は、主電源と電圧検出抵抗のうち電圧の高い方がオペアンプの電源ピンに接続されるよう、ダイオードを設置することだった。
 電圧検出分圧抵抗の側は通常1.235V以下なので主電源の方が遙かに高く、主電源が入っている通常の状態では常時主電源の側だけが導通する。電圧検出分圧抵抗の側は、主電源を切った最終段階でオペアンプを保護するだけである。

 本来なら回路図の赤い矢印の位置に接続することで、ダイオードを2個で済ませたかった。しかしエポキシで固められていて無理。
 仕方なく、個別に3個使うことにした。単純だが、既に組み上がった回路に追加するとなると慎重な作業が要求される。ダイオードはストームタイガーの5Vデジタル系電源の製作で使用したSFPB−62を採用。順回復時間がゼロに近く順方向電圧低下も小さいショットキーバリアである。

 チップタイプであり、向きを間違えると致命的なので注意を払う。
 1個はオペアンプの8番ピンと電源を結ぶ線を切断して挿入。
 他の2個は半固定抵抗の端子にそれぞれアノードをハンダ付けし、カソードをジャンパーでまとめてオペアンプの8番ピンに引き込む。

 作業終了。動作試験してみる。
 前日同様に充電器がうなりを上げ、電流計が6Aまで振れる。ところが、充電が完了した瞬間に充電器の音が不安定に変化。次の瞬間、音がしなくなった。電圧計を見ると、コンデンサーの電圧が少しずつ下がっている。つまり、充電されていない。
 電圧検出抵抗から抜ける電荷を補うための間歇動作が無い。

 ふと電流計を見ると、10Aのスケールを振り切っている!
 うわっ主回路が短絡してる!ヒューズは?切れてない(をい!)
 急いで機械スイッチを切る。

 どうやらK3132がONになりっ放しだ。この現象自体は過去に散々経験した。K3132は市販最強のFETであり、ラジコンバッテリーごときが短絡で流せる程度の電流では破壊されない。しかし、ヒューズまで破壊されないのは大問題だ!

 それ以前に・・・どこが悪かったんだ?
 この手のトラブルではパーツがどこか焼けるものだが、特に異臭はしない。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(3)] [TB(0)]

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Comments

『タイトルなし』

実害のないところに仕事を増やしてしまったようで申し訳ないです。
実は、回路を勉強していてまた気になるところを見つけてしまいました。お知らせしておきたいのですが、修正要否は慎重にご判断ください(なにぶん前科ができてしまったもので…)。
懸念点はCdピンに抵抗がないことです。このピンからはQ1にベース電流が供給されますが、Esが接地されているので、際限なくベース電流が流れそうです。データシートの例では、Q1オン時にEsの電位が上がる(自動的にベース電流は減る)もの以外は抵抗が入れてあるようです。
あと、これは問題になるか不明ですが、自分が充電停止機能を実装するならば34063の電源は切らずにINVピンで制御すると思います。SAFTYピンの下にトランジスタを入れ、充電終了時にOFFになるようにします。どうも制御ICの電源が切れるというのは気分的に心配でして…。

written by むう。

『それだ!』

犯人たぶんそれです。回路を調べてますが壊れたのはMC34063である可能性が高まってます。
この回路はストームタイガー用を流用したのですが、元はニッケル水素4本用です。つまり電圧が違う。

MC34063は電源電圧に応じて要所に抵抗を入れる必要があり、その条件は電圧に応じて当然変わります。そこをうっかりしていました!

written by IDK

『充電停止機能』

 この乱暴な充電停止方法は、「バトル・プルーフ」の結果なんです。
 ラジコン搭載充電器を開発していて、暴走に悩まされました。バッテリー電圧が低下して来ると、INVピンの電圧と無関係に充電が停止せず、コンデンサー電圧が際限無く上がります。
 死にかけのバッテリーでも絶対に暴走しない設計をあれこれ試した結果がコレです。
 今回、バッテリー電圧の違いをうっかりしてMC34063に適切な抵抗を設定し忘れてしまいましたが、元となったストームタイガー用は信頼性が高く、どんな状況でも誤動作したことがありません。
 1次側の電源が安定しているなら、INVピンを使う方が良いと思います。

written by IDK

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