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2009年3月14日(土) 17:12

夢想妄想皮算用

 至近距離で空き缶などを撃つならプロジェクタイルの形状はどうでもいい。しかし射撃を楽しみたいなら、球形弾を使うしかない。スピンを掛けるのも矢羽根で姿勢を安定させるのも、コイルガンでは非現実的だ。そうなると、10メートルあるいはそれ以上遠いマトを狙う場合に選択の余地はない。
 球形弾は加速し難いので、短いコイルをびっしり並べる現状の方式を使いたい。投入ジュールを増やすにしても、一段あたりのジュールは増やさずに段数を増やす方向性だ。

 鈴商11ジュールを2本組み合わせた22ジュールを1単位とし、n単位(n+1)段回生回路となる。1段あたりのコイルを16〜17ミリとすると、36段で砲身の全長60センチ前後。P90のようなプルバップ方式のライフル形状に組み上げれば、かなりコンパクトに感じられるだろう。コイルガンの場合、威力をアップしようとすればコイルがどんどん長くなる。コイル全長が制約になり、銃の許容全長が必然的に威力を制約する。
 銃身だけ伸ばせば良いエアガンや火薬銃と異なり、コイルガンは銃身周りにいろいろくっつく。だから、短めに設計しないと重くて扱えなくなるだろう。

 コンデンサー35単位770ジュールで、36段回生回路。1単位あたりプロジェクタイルに1ジュールを与えられれば威力は35ジュールとなるが、思い切り皮算用だろうな (^_^;)
 その皮算用でも効率は1/22すなわち4.5〜4.6%であり、決して夢物語ではないはずなのだが・・・というかこれぐらい出てくれないと、スリングライフル作った方がマシってことになる。少なくとも、パチンコ玉なら秒速100メートル。27.5ジュール出ないようなら失敗。これで効率にすると3.5〜3.6%です。

 充電に関しては、入力電圧を高くすればコンデンサー充電器の出力を急激に大きく出来る。コイルガン構想の初期に確認済みだ。ラジコンバッテリーを2本直列にすれば、出力50ワット以上を狙える。770ジュールを15秒以内にチャージするのは十分に可能だ。

 こうして考えると、妄想だけならコイルガンは結構な武器になりそうに思える。ところがそれほど簡単ではない。
 プロジェクタイルを加速すれば、反作用で銃身すなわちコイルに大きな力が加わる。だが、コイルは強度的に劣る銅である。現実的な長さで武器として使えるような加速を得ようとすれば、コイルが物理的にヤバい。そもそも効率が低過ぎる。投入エネルギーの9割以上が熱と消えるが、その大半はコイルで発生する。例えば車載にして超強力なコンデンサー充電器を用意し、連射出来るようにしたとする。それこそ機関銃真っ青の勢いで銃身が溶けるでしょ (^_^;)
 自分はエポキシで固めることによりコイル強度をアップさせているが、エポキシの耐熱性は銅より遙かに劣る。銃身が溶ける遙か前にエポキシが燃える。

 狩猟に使用可能なほどの威力は出せるが、連射は効かない。そういう性質も、クロスボウやスリングショットに似ている。
 また威力アップを追求すると排熱がネックになるという点では、レーザー銃そっくりだ。

 さて、必要なパーツはほぼイメージ出来るが、それらをどのような形状に組み立てるのが最適だろうか?
 40段とか連ねても、コンテンサーや放電回路は1段1段を個別にかなり自由に配置出来る。だが、砲身コイルだけは別だ。こればかりは配置の自由は全く無い。つまり、先に砲身コイルを組み立てるべきなのだ。そして、各コイルとの配線が最短になる位置に個別の放電回路を取り付ける。続いて、各放電回路との配線が最短になる位置にコンデンサーを取り付ける。
 最後に、スイッチング制御用の配線を行う。コンデンサー充電器とバッテリーは、それこそどこにでも置けるから、銃としての使い勝手や重量バランスを考えて決めれば良い。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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