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2009年4月30日(木) 17:25

勘違いしていた

 手元に残る幾つかのコイルを測定すると、200〜300μHが大半である。
 改めて2年前の記事を漁ると、完全なミスに気付いた。1段目は0.35ミリのエナメル線を10メートル巻くというのは完璧に錯誤で、実際は5〜6メートルしか巻いてなかったのだ。当時の試行錯誤では、1段目の長さが5ミリというのは正しい。しかし、インダクタンスは200μH前後がベスト。500μHクラスも試作したが、明らかにインダクタンスが大き過ぎて不適当との結論が出ていた。
 どうやらせっかくの今回のコイルも、廃棄処分である。

 ところが、2年前のコイルと今回のコイルは直径が1ミリぐらいしか違わない。だからこそおかしいと気付かなかったのだ。しかし、本来なら5メートル半しか巻かないコイルを10メートルも巻けてしまったのはなぜだ?
 もしかすると、コイル巻き器のちょっとした改良点が効いているのではなかろうか?
 以前コイルを巻いていて、かなり手が疲れた。巻き上げには意外にトルクが必要なのだ。そこで作業中には、お手軽に小型クランプを取り付けた。古くて錆びてるがこの上からガムテープで脱落防止を施し、取っ手として回す。圧倒的にトルクを与え易くなり、エナメル線をキツく巻けるようになった。

 だとすれば、2年前と同じスペックの第1段コイルを0.4ミリのエナメル線で巻けそうな気がする。
 コイルガンの効率が低い原因は、コイルの電気抵抗である。コイルガンの電流でも電気抵抗ゼロをキープできる常温超伝導線が実現すれば、簡単に効率10倍に出来る。もっとも、そういう時代にはコイルガンは銃刀法で規制されているだろう。それはともかく、コイルガンでは同一スペックが実現できるのであればエナメル線は太い方がいい。電気抵抗が小さいからだ。

 こうなって来ると、2段目以降も見直しが必要になる。2年前と同じサイズで同じインダクタンスのコイルを、1ランク太いエナメル線で巻けるかもしれないのだ。それは効率アップにつながるから、試す価値がある。一方で、狙いのスペックのコイルが出来たかどうかは作ってみなければ判明しない訳で、かなりの廃棄コイルが出る可能性もある。
 これは、4つのコイルそれぞれをバラバラに製作し最後に合体させるしかないという意味でもある。さもないと、どれか廃棄となったら全体を廃棄する羽目になる。

 ただしこれは以前のプロジェクトが頓挫した当時から想定されていたことでもある。コイルを単独で試験し欠陥が無いことを確認すべきだからだ。放電回路をどんなに慎重に設計しても、どんなに慎重に製造しても、メインコイルが傷物だとすべてがブチ壊しとなる。

 ちなみにクランプを取っ手として使うことで、予想しなかったメリットが生じている。
 かなり重いため、クランプが下になった状態で停止するのだ。作業中には、未使用部分のエナメル線がもつれないように整えたりコイルにエポキシを追加添付するなど中断が結構発生する。そんな場合に、巻き取り軸が自然固定されて非常に使い勝手が良い。

written by higashino [コイルガン戦車 1/24] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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