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2009年6月4日(木) 21:03

設計を追求すると難しい

 4段のうち2段にハイサイドIGBTを有する現在の回路は、性能的にはそこそこいい感じだと期待できる。ハイサイドの製作は二度とやりたくないほど大変だが、既に製作終了している。信頼性の不安はあるにせよ、作ってしまったからにはこのまま進もうと思う。
 しかし今後を考えると、ハイサイドのスイッチング素子を廃止することで性能がどの程度の影響を被るのが知っておきたい。コイルガンは理屈の単純さと裏腹に、実現出来る性能は計算困難な要素だらけ。やってみなければ分からない。コンデンサーとコイルスペックの絡みで、場合によってはハイサイド抜きの方が性能アップになってもおかしくない。

 誰でもやるような実験と異なり、コイルガンのようにおおっぴらに製作キットを市販できない類の実験で一番のネックは、パーツの入手性である。理想に近いパーツを入手することは普通は無理で、手に入るパーツの中から選ぶしかないのである。
 そうすると、入手し易いパーツの組み合わせで条件が制約され、思いがけない最適解が出てくる可能性がある。

 この際、ハイサイド抜きで通常の多段式コイルガンを作ってみようではないか。
 立ち消えになったコイルガン10のプロジェエクトを復活させ、ローサイドのみの放電回路で組み立てる。これにより製作の敷居を低くし、今作っているストームタイガーと比較することでハイサイド抜きの影響を探る。
 砲尾端のハイサイドを抜くのは簡単だが、問題は砲口側だ。回収先コンデンサーが無い。放電時は砲口端コンデンサーの電圧が最も高いため、既設コンデンサーのどれかに接続すれば電圧逆転問題にぶつかる。かと言って回収専用にコンデンサーを1組余計に用意すれば、2発目を撃つ前に回収電荷を抜かねばならない。抜いたら抜いたで、2発目のためにコンデンサーを充電することで回収専用コンデンサーにも電荷が流れて来てしまう。

 砲口端のコイルだけ、回生無し単段式コイルガンにするのも一案だ、しかし、砲口端コイルは性能に大きな影響がある。コイルガンでは、いかに高速にコイル電流を消すかが性能のキモである。そして砲口端は最も影響がでかい。そこに回生無しフライホイール型は採用し辛い
 ただ、4段とかではなく20段30段となれば、1段くらい低性能でもペイしそうである。しかし、秒速100メートルを狙うあたりになれば、フライホイール型ではかなり長いコイルにせねばならないだろう。銃の全長が不必要に長くなる。

 コイルガンを構想していてどうしてもブチ当たる壁は、速度を出すにはどうしても長いコイルが必要な点である。投入ジュール数に比例するように砲身が長くなる。数十ジュールでは小型ラジコンに積めるようなコンパクトさだが、数百ジュールなら砲身も10倍だ。
 コイルガンの威力は、許せる全長によって規定される。そんな状態で、砲口にフライホイール型は無い。
 世間で似たような苦しみを味わっているのが粒子加速器である。際限無く長くなってしまい仕方なく円形にして、でもやはり遠心力が速度限界を決めるのでどんどん直径を大きくして・・・

written by higashino [コイルガン戦車 1/24] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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