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2009年8月23日(日) 21:04
IGBTが破壊されるのは、定格以上の電圧が加わったか定格以上の電流が流れる場合が多い。もちろん、ゲートに過剰電圧が加わったとかいう可能性もあるが。
しかし、ツェナを配置してあったため過電圧で壊れたとは考え難い。サージが発生しても一撃でツェナを破壊するような大きなものではないはずだ。だが、過電流の可能性は残る。コンデンサー容量とコイルのインダクタンスは従来の設計とそう変わらない。だから、電流もそう変わらず大丈夫と判断していた。本当に大丈夫かどうか、少なくともシミュレーションは済ませておくべきだったのではないか?

そこで、遅れ馳せながらやってみた。まずは3組のコンデンサーバンクの電圧変化である。以下もそうだが、これらは順回復時間がゼロの理想ダイオードを使う前提の計算である。つまり、この段階で異常な値が出ているようでは話にならない。
いずれも通常のコンデンサー放電パターンと異なり途中で膨らんでいるが、言うまでもなく回生電流のためである。vc3は銃口側コンデンサーであり、放電し切らないうちに回生が始まっている。回生によってコイル電流に掛かるブレーキは、残存電圧が高いほど強力になる。砲口端コイルは電流を急激に減らしたいので、途中回生が正しい戦術のはず。残存電圧は、2発目以降のコンデンサー充電を短くしてくれる。

続いて、4つのコイルに流れる電流。これらはIGBTに流れる電流と等しいはず。IGBTユニットの耐電流はL1からL3が300A、L4は600Aとなっている。つまり、コイル電流は想定内である。L2に比べてL3の電流が何割も大きく、過電流が犯人だとすればL3が壊れずにL2が壊れるというのは不自然だ。ただ、実際にはL2のIGBTが破壊されて常時通電状態になってしまった。そこで、L2のIGBTがOFFにならないという変化を加えてシミュレーションし直した。

2段目コイルの電流がなかなか抜けずにダラダラと続いているが、L3に与える影響はかなり小さい。240Aが230Aになる程度であって、電流に関してはL3の負担が何割も大きいことに変わりはない。つまり、IGBTの破壊原因が過電流という可能性はそう高くない。
written by higashino [コイルガン戦車 1/24] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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