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2009年9月28日(月) 21:03

些細なミスの重大な結果

 天地人に限らずNHKドラマで不満なのは、火砲の描写。反動がまるで無い。コイルガンでさえ凄まじい反動があるのに、反動無しで火を噴く砲が強烈に嘘臭い。作り物かハリボテにしか見えない。

 メインコンデンサーへのコネクターを外し充電されないようにして、IGBTのゲート電位だけをまずモニターする。オシロのGNDをIGBTのソースに接続。これは戦車全体のGNDからは浮いていて、このオシロでは禁止されている用法である。

 PCと接続して使うオシロの大きな欠点は、GNDを任意に選べないこと。PCのGNDと大きな電位差がある場所に設定すると、壊れてしまう。ところが、今作っているコイルガン戦車は完全バッテリー駆動。外部とは完全に切り離された独自の世界に完結している。だから、どこにGNDを設定しても構わない。電線にとまった鳥が感電しないように、PC接続オシロも壊れることはない。

 きっちりと5Vに振れるゲートドライブ波形が現れた。今度こそは正常に動作している。ONになっている250μ秒間のうちに、電位が僅かずつ下がっているのが分かるだろうか。電源となる10+100μFの積層セラミックコンデンサーが放電して電圧を低下させているのである。10μFだけだと低下量が大きくなり過ぎる。

 コネクターを接続し、メインコンデンサーの充電開始。例によって100〜150Vで放電させ、ハイサイドIGBTに加わる電位の変化を調べる。ローサイドと異なり、ターンオンの瞬間とターンオフの瞬間の両方とも興味深い。まずはターンオンの瞬間を時間分解能高くして観察。
 ローサイドとは異なった複雑な電位変化パターンが現れた。

 ところが、オシロの設定を変えるべくPCを操作していたらラジコン戦車からうっすらと煙が漂って来た!
 慌てて戦車の電源スイッチを切る。煙はハイサイドのIGBT近辺に沸いている。ハイサイドのユニットが激しく発熱している。原因不明だがこれは死んだろう (;_;)

 原因はすぐに判明した。コイルが接続されていなかったのだ。

 試験のために各部の配線は念入りにチェックしたが、肝心のコイルにコネクターが接続されていなかった。コネクターはジャンパーで短絡してあっただけなので、IGBTのスイッチを入れた瞬間に短絡同然となり・・・はい、最初の通電でハイサイドはもちろんローサイドも即死です。

 こんな馬鹿なことになった直接の原因はもちろん不注意だが、人間がミスを犯し易い状況ってのもある。、今回は5.8V電源の調整でハマってしまった。
 プルダウン抵抗とかダイオードの電圧降下があるため、ハイサイド光ゲートドライバーに加わる電位は実際に測定せねば分からない。実際の電位が5Vを僅かに上回るように5.8V電源を調整するのだが、コイルを接続しないと回路が形成されないため測定出来ない。 

 しかし、メインコイルが搭載された砲架弾倉ユニットを車体に搭載すると光ゲートドライバーにアクセス出来なくなる。また、搭載自体がコネクター接続等めんどう極まる。
 そこで、5.8V電源の調整だけならジャンパーで済ませていたのだった。それをコイルに接続し直すのを忘れたため、一瞬で合計8個のIGBTが破壊されてしまった。

written by higashino [コイルガン戦車 1/24] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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