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2009年10月2日(金) 21:24

本日の想定外

 再度測定してみる。やはり、急激なゲート電位の低下が発生している。通電せずにゲートドライブした場合は、綺麗に5Vまで振れている。どうやら電流が多く流れれば流れるほどゲートは電荷を大食らいするようだ。IGBTをトランジスターの進化したものだと考えれば、そんなコトだってあるのかもしれない。
 だとすれば、ハイサイドの電源用コンデンサーが一律100μFってのは不適切だ。IGBTの並列数が増えれば、それに応じて容量を増やさねばならない。

 ちなみにメインコンデンサーを充電せず、IGBTをONにしても電流が流れない状態でゲート電位を測定したら、これまた昨日のようにキッチリと5Vまで振れた矩形波が記録された。オシロのプローブはIGBTのすぐそばにGND接続しているので、サージっで測定結果が狂わされたのでもない。

 これは、ゲート電位の立ち上がりを拡大したところ。dv/dt の下がり方が非常に急激であり、マイクロ秒あたり400Vを越えていないか微妙な変化速だ。
 だが、やはりこのゲート電位の激しい低下がリアルなのかどうか気になる。130Vからの放電でコレだとすれば、フルチャージ330V放電ではどうなるんだ?

 壊れる可能性がかなり高いと思いつつ、最近はオシロの測定失敗も少ないので思い切って330Vフル充電。
 放電した瞬間、激しい炸裂音と火花が輝き、焦げた匂いが漂って来た(泣)
 ところが、どうも妙なのだ。コンデンサーを短絡させたような火花だったが、IGBTではなくもっと回路群の内部で光った。また、匂いは半導体が焼ける独特のものではなく、普通に紙を燃やしたような感じ。実際、どこで短絡したのか良く分からない。しかし、ハイサイドIGBTは破壊されていた。ローサイドは無事なようだ。

 青いメインコンデンサーの波形は、しっかり330V加わっていたことを示す。
 ゲート電位の立ち上がりが異様に低い。ターンオン直後からIGBTに流れる電流は急激に増大するので、それに比例してゲートが電荷を大食らいするのだと考えれば理解できる。ただ、そうなると謎なのはローサイドの場合は大食らいに追随できている事実。

 IGBTはゲート電位が1V半ぐらいになるとターンオフする。急激にゲート電位が低下し、2Vを少し切ったところでターンオフ同然に。そこでサージ電圧が発生。ところが、通常のターンオフに比べるとゲート電位の低下が著しく遅いために I2t が大量蓄積してIGBTが破壊されたというシナリオだろう。

 ターンオン時の急激な電位降下は、最大でマイクロ秒400Vを突破しているかもしれない。本当に微妙だ。

 これは、破壊の瞬間と思われる部分の時間軸拡大波形。ローサイドが I2t で破壊された時に似ている。
 ここまで激しいゲート電位の低下が発生するなら、これまでも散々ハイサイド素子が壊れていたはずだ。それが、ある程度は単に運が良かっただけにしろ壊れずに撃てていたことも多い。そうなると、ゲートドライブのために追加した51Ωが逆に怪しい。
 従来はそんな抵抗入れて無かったわけで、入れなければもっとゲート電位は高いままキープされるんじゃないか?

 ハイサイドの光ゲートドライバーの挙動も正確には分かっていない。現実の素子は頭の中で考えた通りには動作してくれない。内蔵FETのON抵抗も数Ωじゃなくて、遙かにでかいのかもしれない。

written by higashino [コイルガン戦車 1/24] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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