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2018年6月16日(土) 23:02
変速機とは基本的に、複数のギアが同時に回転している。
1段目のギアと2段目のギアは、両者とも常に回転している。最初から回転速度が違っている。1段目より2段目の回転が速い。
変速は、シャフトを1段目のギアで回転させるか2段目のギアで回転させるか、それを切り替えることにより行う。
変速機の構造とは、その切り替えを行う具体的な方法のことだ。
1段目のギア。
これの特徴は、特殊なベアリングが使用されていること。片方向にしか回転しない。
結果として、シャフトの回転が1段目のギアより速くなると、ギアは空回りしてシャフトの回転を妨げない。
ギアが2段目に切り替わってシャフトの回転速度が1段目のギアより速くなったとき、1段目のギアは空回りしてくれる。変速機の切り替え時はふつうクラッチを切らねばならず、その瞬間はトラクションが消失する。だが、片側回転ベアリングを使うことで、トラクション消失の瞬間を皆無にできる。
この素晴らしいアイデアは、ギアの回転方向が決まっている場合にしか使えない。エンジンは回転方向が決まっているから良いが、戦車用モーターは両方向に回転する。
よって、このアイデアおよびこの変速機セットは、ドリル戦車に流用不可能。
2段目のギア。
バネで強制合体させられている遠心クラッチを備える。
1段目のギアで駆動されるシャフトには遠心クラッチが接続していて、回転が上がると遠心力が増大しクラッチが2つに分離する。それにより2段目のギアに固定された円柱にクラッチが接触しし、シャフトが2段目のギアで駆動されるようになる。
2段目のギアは1段目のギアより高速で回転しているため、シャフトは2段目のギアと同じ速度で回転し1段目のギアは空転する。
遠心クラッチが円柱に接触する前は、シャフトは1段目のギアの速度で回転する。
遠心クラッチが円柱に接触した後は、シャフトは2段目のギアの速度で回転する。
ギアチェンジのタイミングが遠心力任せであり、正確に制御できない。そのためドリル戦車に使用できないことは昨日書いた。つまりこのタミヤのギアセットは、2重の意味でドリル戦車には使用できない。
全くの無駄なカネと解析努力だった。とはいえ、既出のスマートな変速機が使い物にならないと判明したのは大きい。駄目でした、という結論の研究にだって意味はある。
ドリル戦車に変速機を組み込みたければ、独自方式を使うしかないってことだ。
written by higashino [ドリル戦車] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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