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2012年8月9日(木) 19:34

フィードバック入力

 レーザー銃の制御は、何に基づいて行なうべきか。
 素のレーザーダイオードの場合、簡易的には定電流制御する。もうちょっと高級なら、APC制御。光出力をフィードバックに使い、光出力を安定化させる。レーザー銃のオリジナル発振器であるIPG社の場合は、種火レーザーの光出力をフィードバックに使っていた。
 フィードバック方式にはトレードオフがあり、悩ましい。

 最終的な光出力に近い部分をフィードバックに用いるほど、光出力は安定する。その一方で、途中のエネルギー変換が増えてトラブルの可能性が増える。フィードバック入力の手前で故障が発生した場合、フィードバックが狂う。例えばLDが死んで、電流を与えてもロクに発光しなくなったとしよう。この場合、定電流制御なら何も起らない。制御系は所定の電流をLDに与え続けるだけであり、レーザー発振が止まる以外に影響は広がらない。
 だがAPC制御なら「光出力が不足」と認識され、制御系はLDに与える電流を増やしてしまう。

 フィードバック入力を後にするほど、故障の影響を受け易くなる。だから、故障を検出する手段を確保しておかねばならない。もちろん、故障を検出する手段自体の故障も考慮しておかねばならない。

 この問題があるので、励起LDの光出力をフィードバック入力に使用しようと考えている。
 励起LDを束ねるポンプコンバイナーは、18入力が4ユニットで合計72入力である。これに対し、励起LDは68個だから4入力が余る。ここにフォトダイオードを取り付けて、漏洩して来る励起光を検出しフィードバックに使用する。
 これなら、故障検出機構の複雑さと最終光出力の安定性のバランスが良い感じではないかと思う。

 だが、ダミー抵抗では励起LDの光出力をシミュレートできない。別途赤外線LEDを設置して、それっぽいことはできるかもしれないが・・・基本的にダミー負荷は定電流制御まで、だ。
 どっちみち安全性のすべてをダミーに頼ることはできない。最後の砦として電流による制御は行なうし、その部分の信頼性だけはダミー負荷をフル活用して行なう。そんな腹積もりだ。

written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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