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2015年9月17日(木) 21:32

レンズが命

 やはり、赤外線カメラが無いと作業を進め辛い。常識的な手順では、出力の低いうちに可能な試験は出力の低いうちに済ませ、徐々に出力を上げる。不具合があった場合のダメージが小さいうちに、実施可能な試験は済ませるべきである。異常な赤外線の漏洩が無いかどうか確認するというのは、低出力で済ませておくべき性格のものだ。
 つまり、赤外線カメラ無しに最大出力の測定には進めない。優先して、赤外線カメラを探すとしよう。

 さて、最終出力の光学系も、地味に悩ましいものの1つである。適切な光学系を使用せねば、レーザーの威力を引き出すことはできない。
 ファイバー自体はシングルクラッドなので、昨日のように炎上する心配は少ない。ただし、接木がうまく行くかどうか。別メーカー同士の融着となるため、コア径やNAの差により漏洩光が想定外に多くなるかもしれない。そうなったら、終端コネクターから作り直さねばならなくなる。

 終端は直径0.01ミリから200ワットが飛び出す過酷な環境なので、そう簡単に個人工作できるとは思えない。接木できなかったら、かなり厄介なことになる。

 コネクターに関しては、産業用レーザー加工機としてメジャーなものである。だから、レンズ交換できる。とはいえ産業用だから、素手で操作できるような固さではない。バイスで挟んで相当な力を加えないと、回せない。取り外しできない。
 そりゃそうだ。素手で回して外せる産業用レーザー光学系なんて、ヤバ過ぎる。
 だが、レーザー銃に流用する場合は不便だ。素手でレンズ交換できるかどうかは、使い勝手を大きく左右する。

 とはいえ自分はレーザー銃を作ってそれで戦闘やろうって訳ではない。レーザー銃は、あくまでロマンだ。だから、フィールドでレンズ交換できなくても現実には使い物になるだろう。
 小さい方のレンズは、コネクター終端保護を兼ねて付けっ放しにしてある。大出力レーザーが放出される光ファイバーの末端は、絶対に汚したり傷付けたりしてはならない。
 この光ファイバーから放出されたレーザーは、NAが 0.08〜0.09になるはずである。10センチ進むと16ミリとか18ミリぐらいの直径に広がるだろう。

 小さなレンズは放出直後にレンズがあり、コリメートする。そのためビームは余り広がっておらず、普通のレーザーポインターみたいに細いレーザーとなって進んで行く。近距離を無差別に攻撃するのに向いている。

 大きなレンズは焦点距離が120ミリで、筒の先端に位置している。これだと、レーザーは太さ2センチぐらいの太いビームとなって放出されるだろう。
 ファイバーレーザーは回折限界近くまで絞り込めるので、正確に焦点を合わせれば100メートル先で1センチのスポットも可能。50メートルなら5ミリ。遠距離狙撃用だ。

 炭酸ガスレーザーだと100メートル先に1センチのスポットを作ろうとすれば、直径30センチ以上の筒が必要になるだろう。レーザーレンズの有効径は85%ぐらいだし、光学系の筒はレンズよりも大きくなる。20センチでは、まず無理だろう。だから、光学系とレーザー管を合わせて一式を歩兵運用するのは不可能。
 つまり、ポータブルなバッテリー動作という条件において、ファイバーレーザーの有効射程は、炭酸ガスレーザーを遥かに上回る。

 ただし、このまま使うのは困難。重さが1.1キロというのに目を瞑ったとしても、ピント調整できないのが致命的。レンズだけ取り外して自前の銃身に取り付け、抜け殻は水冷可能な円筒としてビームダンパーに流用するのが良さそうだ。

written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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