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2015年10月22日(木) 22:03
2枚目も同様に仕上げたら、境界からインクがはみ出してしまった。
1枚目はレスジトペンを使い、後からマッキーを使った。それに対して2枚目は、最初から全部マッキーを使った。
マッキーは非常にインクのノリが良くて、確かにレジストペンよりも楽にマスクを形成できた。だが実は、それは粘性が低いからかもしれない。
レジストペンは基板パターンをシャープに描かねばならないため、粘性高めでにじみ難い。しかしその代わり、マスキング能力はマッキーに一歩を譲る・・・ということなのかも。
いくらマスクが強力でも、境界がにじんだり滲み込んだりするようでは、後の手間が増えてしまう。こういう部分は削り取らねばならないが、当然ながら相当に大変だ。
マスクの完成した2枚を、エッチング液に放り込む。何も起きない。
暫くすると、小さな泡が上がって来た。やがて、だんだん泡が多くなり、2つの楕円形をしている。おおっエッチング開始だ!
ところが泡は急激に増大し、エッチング液が沸き立った。
恐ろしいことに、アルミ板が浮上して来た。発生した泡の浮力なのか!?
まるで、フライパンで天ぷらを揚げているような有様である。もはや、制御不能。
そもそも、泡の浮力で浮上するには泡がどこかに溜まっている必要がある。しかし、アルミ板のどこにも気体を抱え込むような構造はない。どうなってんだ?
マスクした楕円内部までも、何か皮膜みたいなものが形成されていて膨らんでいる。何が何だか訳分からない。
エッチングは失敗に終わったと覚悟したものの、これどうやって収めれば良いんだ?
考えてる時間は無い。アルミ板は取り出し、残ったエッチング液を水で薄めて冷やす。容器の外側に流水?そんな余裕ねえよ!
おかげで、処理すべき廃液の量が倍増した。
どんなに洗っても表面が泡立つ状態だったので、重曹を盛って止めた。だから白っぽくなっている。
アルミの面影がないぐらい派手に腐食されている。マスクに関しては、テープで覆った部分だけが役目を果たしていて、塗っただけの部分は消失している。
もちろん使い物にならない。
こうなったのはエッチング液が高温過ぎたせいだが、その理由は・・・
・冷たいアルミ板を放り込むと液温が下がると懸念した。
・保温措置が想定より強力で、どんどん液温が上昇した。
・通常のエッチングに比べて桁違いに深く溶かすので。
ともあれ教訓は得たのだが、やり直さずにプランBを採用することにした。
まず、現実問題としてエッチング中に時々引き上げてノギスで残厚を測定するというのは、難しい。実際にエッチングという作業をやってみて分かった。
次に、均質に溶けず相当な凸凹が出来る。基板製作のように金属層を全部溶かせば良い場合だと、溶ける速さにムラがあっても問題ではない。溶かしたい部分が全部溶けるまで待てば良い。しかし、今回の工作では一定の深さに溶かしたい。ここまでムラがあると、綺麗に仕上がらない。リューターで削り出すのと大差ない。
更に、溶けた部分が想像以上に汚いこと。アルミの光沢が残れとは言わないまでも、もうちょっと見た目が小奇麗だと想像していたのだ。
0.25ミリも溶かせば、速度ムラで表面は凸凹になりしかも錆状である。これでは、期待したヒートシンクは作れない。
最後に、マスクの難しさ。裏面は元のアルミ面が相当に残っているが、それでもマスキングテープの重なり部分から侵入したエッチング液に派手に腐食されている。0.25ミリを溶かすまでの間、マスクを確実にキープする自信が持てない。
おっと、廃液処理が面倒極まるという問題もあるんだよな。
これじゃプランBは当然だろう。その内容?
厚さ0.2ミリのアルミ板を買って来なくては・・・と言えば十分だろう。
どうして最初からプランBにしなかったかと言えば、より多くのパーツに分かれることで放熱性能が悪化するからである。可能なら0.25ミリの段差を一体パーツで実現したかった。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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