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2020年3月3日(火) 20:26
豪勢な大型ヒューズとか、高級なノイズフィルターとか、普通の家電製品では見かけないような念入りなノイズ対策が施されている。
バッテリー駆動する場合は、ACラインノイズ対策は不要になる。音楽機器でも、ACアダプターを使うよりバッテリーで動作させた方がノイズ的に有利で音質にも期待できると言われたりする。
いずれにしろ、大半は使用しない。
重要なのは、金属箱に密閉されたレーザーダイオードぐらいだ。
箱を開くと、光ファイバーがくっついたレーザーダイオードと、その駆動基板が入っている。予想通りだ。
この光ファイバーはファイバーレーザー本体ビームと同じ場所に引き込まれており、照準用の同軸レーザーであることは確実だ。
ただし本来の用途はレーザー加工であり、照射は至近距離で行う。よってこのレーザーも、光出力1ミリワットていどの赤色LDである可能性が高い。強力なグリーンレーザーに換装すれば、遠くの照準も楽々・・・に思えるがコトはそう簡単ではない。
使用状況からして、この光ファイバーはシングルモードなのが確実で、コアの直径は恐らく5ミクロン前後。いっぽう大出力グリーンレーザーは光ファイバー付きのものは殆ど販売されていないし、コアはもっと太いのが普通だ。つまり、換装してもレーザービームの大半は通らない。
金属箱を上下2層に分けるように、水冷板が鎮座する。一面灰色に見える床が、水冷板だ。写真右端は水冷板が無く、でも右上と右下だけ存在している。そこが、水の出入り口。
中央に、励起用光ファイバーを納めた楕円ケースがある。写真に写っている部分だけで、ほぼ共振器が構成されているはずだ。
1号ジャンクでは200ワットの光出力を得るために、2つの共振器を直列していた。だが、この2号ジャンクは共振器1つで200ワットを出している。それだけ、ファイバーレーザ技術が進歩したのだろう。
共振器を直列すると、レーザー出力を加算できてどんどんパワーが上がる。だが、ファイバーレーザの共振器を直列するには特殊な技術が必要であり、その性格から兵器扱いされている。個人が入手できるようなパーツではない。
やたらと光ファイバーが無駄に引き回されているように感じるが、光ファイバーと電線は異なる。電線を長々と引き回すのはマイナスでしかないが、光ファイバーが余分に長くても、ほとんど問題は無い。
一方で、光ファイバーの接続には充分な長さの余裕が必要である。プラスチックの簡易な光ファイバーではなく、このような本式の石英ファイバーを接続するには融着接続器を使わねばならない。融着接続器は、光ファイバーに余分な長さがないと使用できない。
融着接続器を使用するたびに光ファイバーが短くなり、短くなり過ぎると融着作業が不可能となる。長さの余裕は、融着できる残り回数でもあるのだ。メンテナンスで光ファイバーを接続し直さねばならなくなった場合に備え、光ファイバーを使用した機器は必ず光ファイバーを余らせている。
そして余った分は適当に巻いて、引き回してある。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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