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2020年3月14日(土) 20:32
素のファイバーホルダーが、必須。これがないと、ホットストリッパーにセットできない。更に言えば、ファイバーカッターにもセットできない。手も足も出ない。
しかし逆に言えば、これさえあればハンドリング良好。
最近の融着接続器も、光ファイバーをホルダーごとセットするようになっている。だから、位置合わせとか面倒臭くない。
ところが自分が持っている融着接続器は中古の古代機種なので、ホルダーを使わず素の光ファイバーをセットするようになっている。そのため、融着接続器を使用する直前が猛烈に面倒臭い。
太さ0.1ミリ余りの光ファイバーを、1ミリ以下の誤差で寝かさねばならない。視認からして、至難。
融着接続器に適切にセットできれば(このIFは非常に大きく、極めて神経を消耗する)、全自動で融着してくれる。
ただし、成功するとは限らない。思い切り、アナログである。
まずは、余った光ファイバーを2つに切り分け、融着接続を練習する。何年も作業していないので、思い出さねばならない。
左側の光ファイバーが、欠けているように見える。だが、余り気にしない方が良い。融着接続器のモニター映像は、顕微鏡ではない。正確な位置合わせができるよう、光学的なデフォルメが行われる。埃や欠けが、妙に強調されて映りがちだ。
重要ポイントとして、光ファイバーのコアとクラッドは物性が近く、殆ど見分けが付かない。仮に普通の光学顕微鏡で光ファイバーを観察しても、コアを見分けるのは難しい。
融着接続器は、コアが見分け易いような光源を用意し、非常に分かり易いモニター映像を作り出す。光ファイバーの観察用機器としても非常に付加価値が大きく、普通の装置ではこれほど明瞭にコアの位置を確認できない。
位置合わせが完了すると、アーク放電で石英ガラスを溶かし、光ファイバーを「溶接」してくれる。
適切に溶接するための条件は複雑で、気温や湿度によって影響を受ける。状況に合わせて放電パラメーターを変更する必要があり、そのノウハウをメーカーは蓄積し融着接続器に組み込んでいる。
そのため、個人で融着接続器を自作しようなどと考えてはならない。無謀です。
接続完了後に、エラーが出た。
しかし、モニターで観察した光ファイバーが綺麗であれば、問題はない。
逆に、すべてが正常終了して推定損失も低く出ても、モニターでコアに気泡が見えるようなら失敗である。
融着接続器は画像認識して、結果を表示する。だが、これは古代機種であり画像認識と言っても大したものではない。しばしば、ミスをする。目視判定の方を、優先させねばならない。
実際の光ファイバーを取り外す。綺麗に、くっついた。
さすがに、同一の光ファイバーを融着するのは成功だ。それでも、準備が大変なのは間違いない。1日に2回も融着すれば、お腹一杯になってしまう。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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