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2012年7月16日(月) 18:26

RS232C通信ユニット

 これまた困った周辺機器。MSX用のRS-232C通信ユニット。

 何が困るって、家にはRS-232C機器が皆無なので動作確認できない。本体に挿してはみたものの、完全に困ってしまった。ケーブルすらなく、どうにもならない。ケーブルがあっても接続すべき機器がどこにも無いのだから、ケーブルを持ってる訳がない・・・

 RS-232Cは高電圧の信号を必要とするため電子工作の趣味では扱いが面倒。そのため、インターフェースがRS-232Cになっている装置は買わないようにしていた。そのうちパソコンなどからもレガシーデバイスとして端子が抹殺され、自分のテリトリーからは絶滅して久しい。
 だから、こんなユニット持っていても意味無しの極致。

 インターネットではなくパソコン通信が華やかなりし頃は、RS-232Cユニットがないとネットできなかった。だから逆に、大変な価値を持つモノだったのだ。
 まさかパソコンにさえ物理的にRS-232C接続できなくなる時代が来るとは。そりゃあ今でもUSB変換ケーブルを使えば接続可能だが、そんなケーブル持っていない。繰り返すが、所有しても使い道がゼロだからだ。1000円で売れるかどうかも怪しいこのユニットの動作確認のためだけに買う気になる価格でもない。

 ビデオデジタイザーと同様、トリセツが無ければ事実上使い物にならない。

 ところで、MSXのカセットとそれを差し込むスロットは、時代を先取りしていた。すなわち、デバイスドライバーに相当するプログラムがカセット内部にROMとして書き込まれていたのである。
 IBM−PCの世界で割り込みやI/Oポートアドレスが衝突しないようユーザーが全部を管理したり、初期のプラグ&プレイが「挿して祈れ」と揶揄されていた頃。それより昔に、MSXの周辺機器は完全なプラグ&プレイを実現していたのである。しかも、現在の最先端PCでさえ悩まされる「デバイスドライバーがありません」「デバイスドライバーの互換性が」という問題すら無かったのだ。

 厳密に言えば、MSX規格を完全には守らない一部の周辺機器が問題を出していたものの、ブラックリストとして周知しておけば済むレベルの例外。

 MSXの名前は「マイクロソフトX」に由来するとの説を自分は支持している。

 アスキーの西と組んでハードウェアによるパソコン規格統一を狙ったが、失敗。そこでソフト(OS)による規格統一に戦略転換し、今度は世界征服に成功したというもの。しかし、IBM-PC/AT互換機がほぼハード的な統一を果たして上に成り立っていることを考えれば、AT互換機とは別種の規格を作ろうとして失敗しただけと言えるかもしれない。

 ちなみにMSXという規格に対する自分の評価は、ハードのコストを下げるためにソフトにシワ寄せした規格というものだ。ソフトを作る立場で見ると、とんでもなく使い難い地獄の仕様になっている。自分がMSXユーザーやってたのは、価格的に他に買えるパソコンが当時無かっただけ。欲しいけど高くて買えない憧れのパソコンが、他にあった。
 現在では、充分な性能を持ったパソコンが当時のMSX並みの価格帯で買える。良い時代になったものだ。

written by higashino [MSX] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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