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2006年8月14日(月) 19:28

復活と死亡

 ミニ秋月インバーターが壊れた。
 SSY−1に接続して2秒に1回程度の割合で連射していたら、突然充電できなくなった。電源LEDが1秒ほどの周期で点滅を繰り返し、各コンデンサーは80〜110Vの半端な電圧で充電されたまま。
 出力電圧は230Vほどで、トリガーパルスによる放電が見えるだけ。SSY−1は発射出来ない。
 インバーターがかなり熱くなっているので冷えるのを待ち、SSY−1を接続せず電源入れてみたが、相変わらず電源LEDは点滅し続ける。
 過負荷でどこかイカれたな (;_;)
 問題は、内蔵ヒューズは切れていないということ。これでは、入力側に電流制限回路を付けたとしても大丈夫な保証がない。
 かと言って出力側に保護回路入れたのでは効率が悪い。出力側は電力垂れ流し出来ねば困る。
 本命視された市販インバーターだが、耐久性に難ありだ。もしSSY−1連射が大丈夫なら、大容量コンデンサーの充電に耐えられるかのテストも考えていたのだが、駄目だった。
 どうやら電源自作した方が良さそうだな。

 DCコンバーターを交流化する最も安直な方法は、出力にHブリッジを組むことだ。
 ところが、160Vとかある出力を相手にHブリッジは容易に組めない。FETのゲート電圧をどうやって制御するんだ?
 耐圧が数百ボルトあるFETでも、ゲートはプラスマイナス20Vまでしか耐えられないという話が多い。これでは、ゲート電位を作るために四苦八苦する羽目になる。
 ならば12V程度しかない電源の方をHブリッジすれば?
 11〜17VならFETのゲートをGNDと+間で振ることが出来る。だが、入手の難しいトランスは使わずに済ませたいとなると、FETがOFFとなりコイルが一気に高電圧を発生する瞬間に、FETに大きな電圧が加わる。トランス無しで高電圧を発生させようとすれば、高耐圧のFETが不可欠なのだ。これは大問題となる。しかも、交流化を断念しても解決しない

 FETの耐圧が上がるとON抵抗も大きくなる。並列してON抵抗を下げればゲート容量も増える。ゲート容量が増えるとスイッチングロスが増大する。周波数を上げるほどロスが増大する。周波数を上げないと巨大なコイルが必要になる。
 お盆休み中にスイッチング・レギュレーターの勉強してみたが、想像以上に難題だと気付かされた。バッテリー駆動の高圧コンデンサー充電電源。それは一見何でもない工作に思えたが、とんでもなく奥が深い。レーザー本体よりも遙かに奥が深く思える。これに付き合っていると、いつまでたっても充電装置が完成せず、レーザー実験が出来なくなりそうだ。
 そこで、紐付き充電装置を使うことにした。

 高電圧系サイトでは必ずと言っていいほど使われている定番アイテム、スライダック (商品名ボルトスライダー) である。

 壁コンセントの交流100Vを交流1V〜130Vまで可変出力する。
 直流換算なら180Vあたりまで振れることになるのでバッチリだ。これにコッククロフト・ウォルトン回路や電子レンジのMOT (高圧トランス) を組み合わせれば、大抵のコンデンサーは充電可能。
 うまく行くことが他のサイトで既に実証されているものを使うのは、非常に気軽である。

 ダイヤルを0Vの方に回しておいて電源を入れれば、突入電流を防止出来る。少しずつボルトを上げれば、大電流を流さずにコンデンサーを充電可能。もちろん人間様は少し手間ではあるが、何の工作も必要とせずそのまま使えるのが良い。

 これで実験用電源を確保しておき、レーザー本体の実験とバッテリー電源の開発を並行して行えば良いのだ。

 それにしてもスライダックは重い。500Wという小型のものだが3キロ半を越える。重いのは家庭用の交流50ヘルツないし60ヘルツをそのまま使うからである。周波数が上がるとコイルは小さくて良い。一方、50ヘルツや60ヘルツでは巨大なコイルが必要になる。

written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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