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2006年8月18日(金) 18:06

改造ポイント?

 秋月インバーターで検索するとヒットするのはEL駆動用キットばかり。そっちは情報も豊富なら回路図も流れているので話は簡単だ。しかし、DC-ACの方は極端に情報が少ない。改造ベースとして情報を整理しておくのはレーザーネタ以外でも将来役立ちそうな気がする。

 この基板にはICが3つ載っている。LM324N(U2)と、2つのKA3525A(U1、U3)だ。LM324Nはご存じ単なるオペアンプ4回路なので、回路の機能を推測する上では重要だがパーツとしては枝葉末節である。大事なのはインバーター制御ICのKA3525Aとなる。
 U1が12Vから125Vを作るべく、2つのFETを駆動しトランスを働かせる。
 U3は直流125Vを交流化すべく、Hブリッジを駆動している。

 これは昨日簡略版を掲載したトランス駆動系の詳細な回路図である。もっとも、ごちゃごちゃ付いているのはローパスフィルター等の信頼性向上パーツが多く、本質的な問題ではないと思われる。R1はC1に溜まった電荷を放出するための抵抗で、インバーターの電源を切ると速やかにC1の電圧が下がる。
 KA3525Aは11番ピンと14番ピンでFETを駆動する。両方のピンが交互にHとなるようだ。Q1とQ2はフェアチャイルドのFQP50N06というもので、耐圧60Vで50Aオン抵抗18ミリΩと結構ちゃんとしたものが使われている。

 トランスを介しているため電源バッテリーと高圧出力側は絶縁されているように思える。しかし、U1でFETを駆動する関係からGNDは共有する必要がある。高級なインバーターであればフォトカプラを使用して完全に絶縁するところだが、1800円のインバーターはそんな手間を掛けていない。

 コッククロフト・ウォルトン回路を駆動するならわざわざ家庭用AC周波数に合わせる必要はなく、整流する直前のトランス2次側出力を引っ張り出して使えば交流周波数は高いままだし整流やHブリッジのロスも無い。しかしその場合、そのままでは後述するように電流制限が働かなくなる。ただし、働かなくても少なくともFETは容易に壊れないスペックだ。
 更に、この位置ではパルス幅が違うだけで最大電圧は変わらないかも?バッテリー電圧の変動で最大電圧が変わるかも?コンデンサーはピーク電圧で充電される。一応確認する意味はある。

 ゲート耐圧を遙かに超えた125Vという電圧相手に、NチャンネルのMOSFETだけ4つ使ったHブリッジをいかに駆動するか?
 それ自体興味深く応用機会も確実にあるが、今回の改造目的とは関係が薄い。明日以降の話題としよう。

 HブリッジのローサイドがGNDになっていない。R2が入っている。つまりこれは出力電流を検出するための抵抗と考えられる。電圧が高いほど電流検出ロスを減らし易いから正解だし、Hブリッジを組んでいるからこそ交流出力にも関わらず容易に電流検出抵抗を仕掛けられる。
 16番ピンは5Vをキープするらしく、基準電圧として使える。これをR22とR23で分圧し、電流検出抵抗と比較している。出力電流がオーバーするとオペアンプの出力が+に振れる。その信号はU1の1番ピンに入っている。
 トランス2次出力から電流を直接引っ張り出すと、この電流検出機構は意味が無くなる。

 一方、直流化された状態の125VはR24と(R25+R26)で分圧され、やはりU1の1番ピンに入っている。
 直流出力電圧が高くなり過ぎるか、または交流出力電流が大きくなり過ぎると、U1の1番ピンの電圧が上がる訳だ。ここから考えると、かなりの確率でU1の1番ピンがビンゴである。ここの電圧が上がるとトランス駆動FETのON期間が短くなるのだろう。従って、R24の抵抗値を小さくすれば、出力電圧をアップさせられるはず。

 ところが実はこの改造ポイントはとっくに気付いていて、とっくに試している。R24と並列に半固定を接続してみた。結果は・・・全く何の効果もありませ〜ん!(泣)

 今回気合いを入れて回路を解析したら、既に駄目と判明しているのと同じ結論が導き出されて少々落ち込んでいるのだ。しかしまだ回路を全部解析した訳じゃない。何か隠されたトラップがあるかも・・・取りあえずもう一度、今度はR26を半固定に交換でもしてみるか?

written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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