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2006年8月29日(火) 17:10

試運転

 昇圧が実現するかどうかだけをまず確認する回路を組んでみる。
 電圧調整用半固定は2.5KΩという品が無かったので5KΩを使用。入力平滑は殆ど無意味なのでOSコン1個だけ申し訳に使用。インバーター周波数は低く設定するため、タイミングコンデンサー容量を大きくする。当初は330pFによる高周波を想定していたがまずは1000pFとした。

 出力側のフィルムコンデンサーも平滑の意味は殆ど無く、単に実現電圧測定用と化している。
 仮組みでは大電流に耐えられないため、電流検出抵抗は1.2Ωである。せいぜい0.2〜0.3Aしか流れない。負荷はフィルムコンデンサーだけなので、どっちみち電流は殆ど流れないはずだ。

 組み立てを誤っていなければ、だが。

 チョークコイルとFETと出力ダイオードは巨大でボードに直接差せないため、ハンダ付けして一体の別ユニット扱い。
 黄色い巨大フィルムコンデンサーも、端子にジャンパーをハンダ付けしてからボードに差してある。

 電流はともかく、ボードがどの程度の耐電圧を持つか微妙ではある。

 出力電圧を最低に調整する。分圧抵抗が1M:8.3Kとなり、120倍以上の設定。基準は1.25Vなので、150V以上出るはず。結果は160V以上出力された。
 余りにあっさりと、ちゃんと動いてしまった★

 だが、出力電圧を上げるよう設定しても、247Vまでしか上昇しない。密かに危惧していた可能性が現実になってしまった。
 チョッパー型の昇圧比は、スイッチングFETのON期間とOFF期間の比率で決定される。デューティーが100に近づけば理論上は際限なく高電圧を出せる。だが、昇圧比を極端に上げようとすればFETがOFFとなっている時間が極端に短くなる。
 FETのスイッチング速度は無限ではないため、OFFして超短時間でONにしようとしても追い付かない。

 だから、インバーター周波数を上げ過ぎると昇圧し難くなる。周波数を下げても、今度はスイッチング制御ICの能力が壁となる。MC34063の場合、ON期間とOFF期間の比を一定以上に大きく出来ない。そしてこの限界は意外に小さいのだ。
 このあたりの可能性は昇圧チョッパーの原理を知った時点で当然気付いた。実はそれもまたチョッパー型より市販インバーター改造に走らせた動機の1つだった。
 170Vは例のサイトで実績がある。だが330Vまで上げられるのか?

 不安だったからとにかく仮組みして試したのだが、賭けに負けた (;_;)

 247Vまでしか出せない原因が本当に昇圧比の壁であるなら、バッテリー電圧を下げれば出力電圧が下がるはずだ。ラジコンバッテリー2本はまだ無負荷電圧16V近くある。ATX電源12Vで動かすと、出力電圧は220Vで頭打ちとなった。単純なバッテリー電圧比ではないものの、明らかに昇圧比の限界に引っ掛かっている。

 MC34063のON/OFF比率は周波数によって限界が変わる。コンデンサーを1000pFから3300pFに換装すると、ATX電源でも237Vまで出せるようになった。だが、周波数調整だけでとても330Vは出せそうにない。
 この時点で、MC34063とその互換とされるNJM2360でON/OFF比率が違うと気付く。そればかりか、同じ容量のコンデンサーを使っても周波数が違う。NJMで設計したがMCだと周波数がかなり上がるのだ。NJMの方を使えば「もしかすると」更に高い電圧を出せるかもしれないが、それは可能性でしかない。

 シンプルにとにかく一号機を作ってしまおうとの作戦は第一歩でいきなり躓いた。さて、どうしたものか。出力は極性反転しないがコッククロフトで昇圧か?

 をっと、その前に高負荷試験が必要。過電流でブッ壊れる回路の発展案を考えるのは無意味だ。
 出力フィルムコンデンサーに放電器を接続し、40ミリアンペアの定電流負荷を掛ける。出力電圧が17V程度まで低下して40ミリアンペアが流れ続けた。コンデンサー充電を想定した場合、高負荷時に出力電圧が低下するのは理想的性質だ。しかしチョッパー回路ではワット数が落ちるので問題かもしれない。
 本格的な大負荷試験は大電流を流せるよう回路を本組みしてからとなる。

written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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