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　一応まだ仮組みではあるが、制御系は基板にコンパクトにまとめる。
　ヒートシンクを取り付けたＦＥＴと、もともと巨大なコイルが大半を占めている。制御系がシンプルかどうかなど、完成品にとっては誤差の範囲でしかない（汗）

　目的は大電流での動作確認。耐久性や性能チェックも可能ならやってしまいたい。そして、パーツ全体の配置もイメージを明確にしたい。

　ところが、いきなり予想外のトラブル。
　制御ＩＣのＶｃｃを切っておき、ラジコンバッテリーを接続した瞬間に大電流が！
　こんなことになる可能性は・・・ＦＥＴがＯＮになったままか？
　ＦＥＴのゲートとＧＮＤの間に１００ＫΩを追加し、プルダウンしておく。ところが、やはり制御ＩＣの通電を切った状態では大電流が流れてしまう。ＭＣ３４０６３は動作していない状態では２番ピンがＨになるのか？厄介な仕様だな。
　幸いＦＥＴは壊れなかったようだ。制御ＩＣのＶｃｃを接続すれば、まるで何事も無かったかのように電流系の針は正常。僅かに振れただけ。だが、コイルが音を立てる。

　インバーターの動作で音が聞こえないよう、周波数を２０ＫＨｚ以上にすることが多いようだ。しかしこれは性能を考えて１３〜１４ＫＨｚに落としている。動作音が聞こえてもおかしくない。しかし、１ＫＨｚとか遙かに低い周波数であるように聞こえる。それに、ブレッドボードで動かした時は全く音がしなかった。
　可能性として、電流検出抵抗がある。ブレッドボードで大電流は扱えないので、１．２Ωという大抵抗を使った。しかしここでは数アンペア流して試験すべく０．０５Ωを使っている。また、まだターゲットコンデンサーは接続せず、放電器で代用している。

　大電流のためコイルの振動も大きくなったのではないか？
　それにしても低音に過ぎる気はするが・・・
　もっと問題なのは、出力電圧が上がらない。根元コンデンサーＣ１だけが充電され、それ以外は電圧が低い。まるで、Ｄ１がＦＥＴより出力寄りに取り付けられているかのよう。
　更に、放電器を作動させても消費電流は殆ど変わらない。数ミリアンペア以下の放電しか行われない。

　Ｃ１だけは３２０Ｖ程度までチャージされている。そんな電圧は出せなかったはずなのに？
　もしや、制限電流が大きくなったので高電圧が出せるようになったのか？
　だとすれば、単段で３３０Ｖが可能かもしれないが、いや、今はラジコンバッテリー２本だった。ＡＴＸの１２Ｖでも出せる電圧でなければ、実運用では使い物にならない。バッテリーが消耗すると高負荷時に電圧が１２Ｖを割ることもある。単段３３０Ｖを再度狙うのであれば、ＡＴＸ電源の電圧で実現出来ねばならない。

　ＡＴＸ電源で動かすと、１秒置きに電流計の針が振り切った。ＡＴＸ電源内の安全装置が働いている。次の瞬間、コイル端子と電子基板の接続部がバチっと火花を発し、煙が（焦）
　どうなってんの？？？

　焼けたのは電流検出抵抗だった。０．０５Ωに２０Ａ流れると２０ワットも発熱する。１ワット抵抗２本では完全にアウト。改めて計算するとノーマル状態でも容量がギリギリ。この際ヒューズ代わりに犠牲になって貰おう (^_^;)
　抵抗２本だとヒューズより安いしな・・・

　ところが、抵抗を交換しても復活しない。基板を詳細にテスターで当たるが、どこも壊れていない。しかし、導通していないところが高抵抗値ながら僅かに導通しているっぽい部分がある。怪しいがはっきり分からない。
　ＦＥＴのドレインを切り放してショートが起きないようにし、ゲート電位とＯＮ抵抗を測定。ゲートが１０ＶほどになるとＯＮ抵抗はほぼゼロ。しかしゲートがＧＮＤだと１ＭΩ以上の抵抗値である。ＦＥＴは壊れていない。短時間ながら何度もショートしてるのに壊れないのは、さすがバケモノだけのことはある。

　電流検出抵抗をブレッドボードのときの１．２Ωにし、バッテリーと直列に例の１０Ωセメント抵抗を入れる。回路がショートしてもそのままの状態で各所をテスターやオシロでチェック出来る。
　ＦＥＴドレインを回路から切り離したままバッテリーを接続すると、ゲートは綺麗に約１０ＫＨｚで駆動されている。ＭＣ３４０６３も壊れていないように見える。ところが、ゲート端子を回路に付け戻したらゲート電位が直流になってしまった！
　ＭＣ３４０６３が壊れたか？
　まさかコイルが壊れたとは思えない。他のパーツもディスクリートであり、焼けた抵抗以外は訳の分からない壊れ方はしていないはず。専用ＩＣは便利だが、壊れていないか調べられない。交換してみるしかない。

　交換すると、あっさり復活した。
　回路がショートしてもＭＣ３４０６３には特に大電流が流れたりしないはずなのに、なぜ壊れたんだ？
　他のパーツではなく。