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2006年9月2日(土) 18:39
そもそも、どうしてICが壊れたんだ?
実際、気になっていたことではある。本当にICに高電圧が加わらないのか?
設計図では大丈夫だが、現実にはサージがあるかもしれない。コイルの手前にも保護ダイオードD2を入れた方が安心だ。これで試すと、いきなり出力電圧が上がった。ということは、やはり何らかのキックバックが発生していたのか?
ICの耐圧は40Vである。
ラジコンバッテリーからATX電源に替える。電源を入れた瞬間、前回同様に電流計がいきなり振り切った。予想の範囲内だったので、針を注視していた。即座に電源を切る。今度はICが壊れることもなく、ラジコンバッテリーに戻すと正常動作した。
なぜラジコンバッテリーだと正常動作しATX電源だとショートするのか?
訳が分からない。しかし本番はラジコンバッテリーで運用するので、この際ATX電源で動かなくても先に進むことにする。これまで余りに足を取られ過ぎて全然開発が進んでいないからな・・・
電流検出抵抗を0.1Ω(最大3A)とし、放電器を入れると平均消費電流が0.8Aまで振れた。一応電流制限はキチンと働いているようだ。一方でコッククロフトは案の定、出力ワット数が上がらない。そこで、レギュレーターとしての使用を断念。ICの電流制限機能に頼って出力側はブレーキを掛けないようにした。
下の回路図で、出力部分を見て欲しい。コッククロフトを解体し、昇圧に不可欠なコンデンサー2つだけを残した。C1からC2にスムーズに電荷が移動するかどうか?がポイントなので、フィルムコンデンサーではなく200μFのフラッシュ電解を投入。
544ジュール電解に接続してみる。
いきなりショート状態になることもなく、しっかり電流制限が働いている。入力側の電流計はピタリと0.8A近辺をキープし続けている。発生した高電圧はコイルや抵抗などでブレーキを掛けることなく全部コンデンサーに送り込まれる。アッという間に電圧が上がる。ところが、途中から電流値が低下し、音がスローになる。
10KHz駆動のインバーターはコイルがかなり音を出すが、動きが分かり易くて逆にいいと感じる。夜の運転が出来ないほど大きな音ではないし。
最初の勢いはどこへやら、やっと300Vに達したのは75秒ほど経ってからだった。6800μFなので、300Vは306ジュールである。狙いの330Vだと370ジュールになる。平均で4ワット充電でしかない。
これではいかにも遅いので、電流検出抵抗を0.05Ω(最大6A)に増設。何だか電流が倍よりも増大し、平均3A近く流れている。300Vに20秒で到達してしまった!
だが、途中で電流値が低下し充電速度が落ちるのは変わらない。倍電圧整流回路の原理から想像出来るとおり、基本電圧よりもターゲットの電圧が高くなるとブレーキが掛かってしまう。
C1からC2への電荷移動が阻害され、出力レギュレーター化してしまう。
現状では基本電圧が200Vをかなり越えており、最終的には440V以上まで上げられる。544ジュール電解は定格400Vサージ450Vなので危険な状態だ。
出力電圧検出を調整し、最終電圧330Vで止まるよう調整する。半固定を回して電圧設定を下げ、放電器で544ジュール電解の電圧を落としては通電という繰り返し。設定電圧になるとコイルの音が消え電流もゼロ化するので、分かり易い。334Vで充電が停止するようにした。
この状態で電圧ゼロから充電を開始し、充電が停止したのは43秒後となった。平均8〜9ワット充電か。
一方、ノーブレーキで飛ばせばどうだろう?
試しに出力電圧検出をプルダウンし、常に最高電圧が出るようにする。今度は330Vまで20秒しか掛からなかった。能力的には平均18〜19ワット充電出来るものが半分以下の能力しか出せていない。
また、コイル音を聞く限り途中でブレーキが掛からなかった。つまり、基本電圧で330V越えてるんじゃ・・・確認すると360Vを越えているようだ!
C1とC2に使っているカメラフラッシュ用電解は耐圧330Vでサージ360Vである。これまたヤバい!
ついでに言えば使用FETは2SK3132でファイナルアンサー。1486では耐圧が足りないのであった・・・ラジコンバッテリーはLD電源で2本一度に充電したあの日から一度も充電していない。どんどん消費しているはずが今でも目標より1割以上高い電圧が出せている。これは、直接330Vの生成出来そうだぞ?
D2の追加と電流制限を緩めたことで、当初遙かに無理っぽかった330Vが充分射程に入って来た。これなら倍電圧整流回路による出力制限を受けずに済む。更に電流検出抵抗を最大12Aまで強化すれば、実用性能を出せるのでは?、
ところで、6A制限でFETの発熱はどの程度だろう?
ヒートシンクに触れた瞬間、感電した。
改めて調べると、FETの放熱板はソースではなくドレインだった!
ばっきゃろ〜危ね〜じゃないか!当然ソースに接続しているものだろ!これでは、ヒートシンク全体を絶縁せねばならず、極めて使い勝手が悪い。仕様決めたバカ前に出ろ!
もっとも、もし放熱板がソース電位だとすると、普段は良いがFETが壊れた場合に放熱器で感電する可能性がある。最初から感電必至のヒートシンクから絶縁対策せざるを得ないから、どっちみち安全だ。そんな思想なのかもしれない。感電するかどうかがパーツの信頼性に依存するのはマズいということかもしれない。
パーツが壊れようが何しようが感電しないように機器は作るべきだよな。
更に気になったのは、40ミリアンペア放電器がしばしば50ミリアンペアを越える。70ミリアンペアほど流れることもある。明らかに発熱でトランジスターの増幅率が上がったせいだ。ここまで影響があるとなると、レーザー砲の電源にパワートランジスターを使う場合の安定化にはかなり気を遣う必要がある。
written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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