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2006年9月3日(日) 18:09

行けそうだ★

 大容量コンデンサー充電の場合、出力側にどんなにでかい平滑コンデンサーを着けても役に立たない。片っ端から吸い出されてしまう。そもそも出力短絡でも動かねばならないため、リップルを減らそうとするのは無意味。
 問題は出力電圧検出である。ターゲットが所定の電圧になった時点で止めるのは簡単だが、その前に散々定格を超えるパルス電圧与えることになりかねない。

 そこで、ピーク電圧モニター専用のコンデンサーを用意。一方通行なので平滑には寄与しない。容量の小さなフィルムコンデンサーにひたすらピーク電圧を記憶させる。
 そしてここで出力電圧検出の分圧抵抗を付ける。溜まった電荷は検出用抵抗から徐々に流れ出す。コンデンサーを小さくするには検出抵抗値を大きくし流出電荷を少なくしたい。
 しかし、余りに小さくすると電圧検出精度が落ちる。MC34063のリファレンスには0.4μAのノイズがある。1%の精度を想定すれば電圧検出抵抗から40μA以上が流れて来ないといけない。
 1MΩ付いてるので300Vでは300μA程度が流れることになる。これを2MΩにするとバランスが良いかもしれない。

 1MΩと0.1μFの組み合わせだと、流出電流によるコンデンサーの電圧降下で10Vほどアソビが生じる。330Vまでフルスピードで充電された後、いきなり消費電流が低下して340Vまでダラダラと電圧が上がるのだ。
 4.7μFを付けるとほぼアソビ無しになるが、コンデンサーがでかい。
 安定とサイズのバランスから、2MΩと0.47μFの組み合わせが良さそうに思える。

 昇圧回路を入れない直接充電。
 入力電流制限は6Aだが、平均は2.5A。これで330Vまで36秒を要した。
 昇圧回路を入れた場合の43秒より高速化しているが、思ったほどの改善ではない。20秒にいかに近づけるか?

 電圧検出をプルダウンし最高電圧を出すと、360Vまで出た。ピークは370V近辺。
 しかしこの場合も、330Vに達したのは36秒時点だった。
 昨日に比べると妙に遅い。回路は変わっていないのに?

 D1がFETより手前に残ったままだったので、出力寄りに移動させる。これで、平均電流が3Aにアップした。
 しかし、330Vまでは30秒掛かる。電流アップ比率にピタリ合ってるだけで効率は変わらない。
 300V(306ジュール)までは20秒なのに、330V(370ジュール)は30秒だ。急激にブレーキが掛かる。消費電流は変わらないのに。
 もっとも、逆に言えば65%の時間で80%まで充電出来る。実用上はフルチャージが待ち切れない場合に早期発砲してもそれなりの威力が出るということで、許せるかもしれない。

 こうなりゃ昨日の回路に戻してやる。
 何と、28秒を要した。気持ち速い程度でほぼ同じ。20秒は計測ミスだったのか?
 ちなみに例のLT3750では、データシート上のグラフから概算すると6800μFの300V充電に6Aで17〜18秒ということになる。330Vではなく300Vで勝負する限り、それほど引けを取らない。
 自作チョッパーは高電圧発生部に高耐圧FETや余分のダイオードが入って効率を悪化させているが、出力部はLT3750同様にノーブレーキを誇る。
 となると、昨日とコンデンサーの容量が違ってたりして。

 オーディオの世界では機器内蔵コンデンサーのエージングが話題になるようだ。また、二次電池では新品時は容量が少なく数回充放電を繰り返すと本来の容量になると言う。
 544ジュール電解をマトモに充電したのは昨日が初めて。それにより本来の容量を取り戻した・・・なんてことがあるのだろうか?
 あるいは徐々に消費されるバッテリーの絡みがあるかもしれない。
 いずれにしろ330Vまで28〜30秒は現実だ。出力部をあれこれいじったが大して変わらない。

 電流をアップさせるとON抵抗が2乗で増える。無理して12A動作させても無駄な気がする。10Aあたりに抑え、性能はこんなものと妥協すべきかもしれない。
 このチョッパー回路は直列して電圧を上げることは出来ないが、並列運転には全く問題が無い。更に短時間で充電したければ2つ作る方がいい。
 だとすると問題は現状程度の性能でもっと軽く出来ないかどうか?
 熱的に軽くできないなら定格電流を小さくすべき。電流を減らせば効率が上がる。発熱は大幅に減る。
 となるとポイントはチョークコイル。300グラムもあるのでは複数使う気になれない。そこで、15Aだが60μHの小さい奴を買って来た。これが使えるようであれば、不満なら2パラで動かそうと割り切れる。重さは170〜180グラム。幅が6割になって重さも6割って感じだ。

 計算上10KHzでは不安があるため、タイミングコンデンサーを2200pFにし15KHzで動かしたい。だがまずは現状の3300pFでチェック。
 300μHのやつでは3A流れていたものが1.5Aしか流れない。そして、電圧の上昇が著しく遅い。駄目だ使えない。完全にインダクタンスの不足だろう。よし、タイミングコンデンサー交換だ。2200pFだけでなく1000pFも試したいので、ピンソケットにしておいた方がいいな。ユニバーサル基板の一列隣が空いてるようなので、ここにピンソケットをセットして・・・ってあれ?こんなところに邪魔な配線がある。どこにも接続されていない。何のゴミだ?
 ゴミじゃねぇよ!トランジスターの真ん中の足じゃね〜か!

 何てこった。スイッチングFETのゲート電荷を高速に抜くためのトランジスターだよ。そのコレクターがGNDに接続されているはずが、接続されず浮いている!
 そうか、これで電源ON時に妙な挙動が起きたんだ!調べたが気付かなかった。不覚!
 GNDにしっかり接続し、バッテリーを接続。耳障りなピー音が消滅した!平均電流が2.2Aにアップした。そして・・・充電が爆速化してる!
 今度は330Vまで20秒で到達してしまった。300μHではなく新しく買った60μHの方で・・・こいつは、とんでもないことになったかも。実はこのチョッパー電源かなり優秀なんじゃないか?

 その後、意外な事実が判明。
 60μHを300μHにすると著しく性能が落ちたのである。平均電流が0.5Aしか流れない。また、60μHでも1000pFや2200pFで動かすより3200pF(最初の3300pFをロストしたので2つを並列接続してみた)の方が性能が良い。PWMがONになる時間が60μHの方が遙かに長いのか?
 バッテリー15Vで平均2.2A、20秒でチャージ完了とすればトータルで660ジュールを消費している。それで370ジュールを充電しているから変換効率は56%に達する。コンデンサーの充電において効率50%を越えるのは、かなりのものじゃないか?

 電流制限を緩めれば60μHでは問題が生じるかもしれないので、現時点では370ジュールの充電を何秒まで短縮可能かは分からない。しかし、これ以上性能がアップしなかったとしても、使い物にはなる。

written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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