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2006年9月4日(月) 17:24
試験基板のスイッチを入れて電流計を注目。そろそろバッテリーの残りが少なくなり平均2A強しか流れなくなっている。
次の瞬間、猛烈な破裂音と共に544ジュール電解の上部からオレンジ色の火花が散った!(焦)
即座にスイッチを切る。いきなり回路ショートとか何度もあったので、異変があれば瞬時に切れるよう身構えている。原因はすぐ気付いた。
コンデンサー保管時の安全のため、電極をショートさせてある。その配線を外し忘れて充電器を作動させてしまったのだ(汗)
実は、これやっちゃったの2回目である。自作チャージャーは出力が短絡してようが何しようが平然と電流を送り続けるよう作ってある。普通の電源装置のような出力短絡保護は無い。
出力が短絡しても何の変化もなく正常動作すること自体が安全装置だ。
結果的に、出力短絡しても機能に問題無いという試験になった。短絡状態でも消費電流は全く変わらないので、電流計を眺めていても気付かない。
どっちみち充電時は出力短絡同然なので、過電圧検出よりも過電流検出が先に働く。しかし一方、出力電圧がターゲットの電圧以下では電流が流れない。
結果として、充電対象コンデンサーの電圧を僅かに上回る出力電圧にキープされ、これが高効率を生み出すのだろう。
逆に出力に何も接続されていない場合は、電圧検出コンデンサーが短時間で充電され指定電圧に達し、出力が止まる。
バッテリーは消耗するとジリジリ電圧が下がり続ける。その影響はかなり大きい。まだ基本電圧7.5Vほどあるものの、負荷が加わると一気に電圧降下を起こす領域に来てるかもしれない。
試しにATX電源を接続すると、1秒ごとに保護機構が働いて消費電流が上がったり下がったり。それでも以前と違い2Aは超えない。そして、遅いながらちゃんと充電される。
出力電圧をMAX設定すると、400V以上までチャージ出来た。12Vでも400Vが出せるようになっている。となれば、バッテリーが切れる寸前まで330Vは大丈夫。400Vに設定しても大丈夫だろう。
だが予想以上にバッテリー電圧は性能面への影響が大きい。トランジスターの足が浮いていたミスを直した今や、D2を省略出来ないだろうか?
オシロでチェックすると、予想に反してサージは皆無に等しかった。ダイオードを無くしてもICは壊れそうにない。以前壊れたのは別の理由だろう。ダイオード無くして実際に何度か動かしたが大丈夫そうだ。もっとも、FETより手前にD1を入れていた時に比べると影響は少なかったようで、気分的効果の方が大きい。
ついでにFETのゲート駆動信号を調べると、トランジスターが仕事を果たしていて一気にOFFに出来ている。しかしONはなだらかだ。もっと高速でONしたい。
少し考えて、性能と安全のバランスから1番ピンと8番ピンのプルアップを50Ω、2番ピンのプルダウンが150Ωでどうか?
駆動電流を余り欲張っても、駆動電力が増えて無駄だ。
さっそく試す。そろそろテスト基板もごちゃごちゃして来たが、ICが壊れることもなく動作。FETゲート駆動信号は立ち上がりも鋭くなった。10KHzというインバータとしては低い周波数もあって、K3132の巨大なゲート容量をしっかり扱えている。
バッテリー電圧は14.5Vまで落ちて来たが、370ジュールの充電を19秒で終了。表示は7.2Vだから14.4Vが標準に思えるが、ラジコンバッテリーの場合大抵7.2Vは最終電圧。7.2Vまで下がればバッテリー充電の頃合いである。7V切るようなところまで放電すると、やり過ぎ感がある。つまり、そろそろ充電しなきゃ・・・というバッテリーでも18ワット程度の能力が出る。
500ジュールのコンデンサーを30秒掛からず充電出来るなら実用性アリだし、バッテリー電圧が平均的な状態なら遙かに短時間で充電を完了出来るだろう。コレでチャージャー第一号機の仕様を決めて良さそうだ。
電流制限は10Aに設定。
K3132のON抵抗は0.07Ωだが、これは25度での話。実際の使用時には0.1Ω見ておいた方が安全だ。10Aならロスは10ワットとなる。バッテリーが15Vならば150ワット中の10ワット、それほど酷くはない。
それにコイルを流れる電流は徐々に大きくなり、いきなり10A流れるのではない。平均すればロスは遥かに減少する。現実にFETは殆ど暖まっていない。
発熱は数ワット。本来なら空冷で十分だがヒートシンクを絶縁せねばならず、必然的に空気の流れが悪化する。強制空冷せざるを得ない。しかしそうなるとヒートシンクはかなり小さくても大丈夫だろう。
むしろコイルの方が暖まる。しかしこれも、室温が30度ほどあっても風呂に手を突っ込んだ感覚なので、空冷は楽勝だろう。
平均効率や出力はいろいろな要因に左右されるので、ベストな数値は実際に試して決めた方がいいだろう。問題はチョークコイルで、まずコイルを入手してからそのコイルで最高性能が出るパラメーターを模索することになろう。
自分の場合は3300pFで10KHzインバーターがベストとの結論に至ったものの、それはたまたま手に入ったコイルの場合の話でしかない。
written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(2)] [TB(0)]
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『どこでコイルをかいましたか。』
パルスさんの記事に非常に興味があります。私も似ている回路を実験していますが、適当なコイルが見つかりません。
パルスさんは15A300mu Hのコイルをどこかで入手しましたか。
よろしくおねがいします。
written by モー
『コイル調達』
ここで使っているコイルは秋葉原ラジオデパート4階で手に入れたちょっとレアものです。手作りで入荷が少ないらしい。
コイル一般としては鈴商が豊富に置いてます。
written by IDK