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2006年9月18日(月) 14:54

Pulse Forming Network

 Qスイッチはピークパワーを大きくするための仕組みだ。
 逆に、ピークパワーを小さくしたい場合がある。ワットではなくジュールが欲しい場合、フラッシュランプの耐久性を考えると発光時間が長くピークパワーは小さい方が有利。突き詰めると、方形波出力が最もジュールを稼げることになる。だが、コンデンサーの放電電圧は最初が最大で、後は急激に低下する。ジュール優先には適さない性質である。
 そこで登場するのが、パルス成形回路である。コンデンサーから方形波出力させる最も単純な回路がこれ。

 図では9連結されているが、数は多いほど良い。左側からコンデンサーを充電し、右側から放電させる。
 いずれのコンデンサーもLC共振回路を構成する。右端のコンデンサーはインダクター1つと共振回路を構成する。右から2つ目のコンデンサーはインダクター2つと共振回路を構成する。以下・・・コンデンサー毎にLの値が変わり、共振周波数が変わる。
 周波数の異なる正弦波が合成出力され、方形波出力となるのである。連結数が多いほど方形波に近付く。

 大電流が流せるよう、インダクターは線が太い方が良い。しかし放電時間を伸ばすにはある程度のインダクタンスも欲しい。でも重いのは嫌・・・と選定はそれなりに贅沢。写真は11μHのインダクター。元は左2つのようになっている。これを右2つのように端子を半回転ずつ余分に巻いた。

 こうしてインダクタンスを増やし、足の長さも有効活用する。

 もうお馴染みのカメラフラッシュ専用電解に取り付ける。
 このハンダ付けがなかなか面倒。かなり乗りが悪い。しかし不良ハンダ付けやってしまうと、放電時がヤバい。
 頑張って丁寧に仕上げる。

 端子の穴に入らないため、2ミリのドリルで全端子の穴を拡張した。それだけでもかなり面倒だった!

 +端子に次々ハンダ付け。

 位置を固定するためガムテープで底面をくっつけながら連結させる。
 モノを実製作する場合、このような記事にすると内容が薄くすぐ済んでしまうが、現実には非常に時間と神経を使う。かなりの精神的エネルギーを消費する。

 頭の中ではアッという間に完成イメージが作れるものも、実際に作るのは非常に大変。ブログのネタにすると、少しずつでも前進する。ブログやらないと面倒臭くていつまでたってもイメージだけしか完成しないだろう。

 コンパクトに実装するため中央で折り返して2列に組んでみた。20段のパルス成形回路である。出力端子のインダクターはまだ取り付けていない。放電時間は4〜5ミリ秒・・・だがもっと長くなりそうな気がする。

 トータルで330V4000μFとなり、フルチャージで218ジュールだ。200ジュールそこそこのエネルギーを溜めるのにわざわざコンデンサーを20個も使う奴は余り居ないだろう (^_^;)
 SSY−1の小型フラッシュランプに大ジュールをブチ込むための舞台装置である。見るからにロスが多そうで、気分的にはこれで正味200ジュール。

 電動ガンバッテリー2本充電直後の19.2Vで370ジュールのチャージを試験。
 二号機は18秒でチャージ完了。20ワットオーバー。15Vでは17ワットだったが、電動ガンバッテリーだと15Vまで下がることはない。18〜20ワットということで、このコンデンサーバンクを充電するなら能力に不安無し★
 ちなみに三号機は6秒を叩き出した。60ワット!

written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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