Darkside(https対応しました) |
2006年9月22日(金) 17:21
ブログを書いた経験があれば分かるだろうが、それなりに時間が掛かる。だったら書くのを止めればそれだけ時間が余って実験が進むか?と言えばそうではない。
人間誰もが忙しい。忙しくない人生などない。時間が出来るのを待っていたのでは、いつまでも待ち続けることになる。時間とは、出来るのを待つものではない。作るものだ。作らない限り、時間は確保出来ない。もしブログを書くのを止めてしまえば、実験の優先順位が下がり、いつまでたっても実験の時間が確保出来なくなるだろう。
ブログを書いているからこそ、実験のために時間を作ろうという気になる。そして毎日10分20分と細切れの時間を掻き集めて、僅かずつでも先に進めるのだ。時間を作ると言っても作れる時間は僅かなので、前進も僅かずつとなる。実験が仕事である学者とは違う。
だから、製作には想像以上の期間を必要とする。電源とコンデンサーとSSY−1を組み合わせるだけの簡易レーザー銃でも、何週間も楽しめるだろう。
それに、誤解してはいけない。ここは豊富な経験と知識を持った人間が製作の手本を公開するってサイトではない。シロウトがあちこちぶつかりながら試行錯誤を繰り返しながら、もしかすると完成するかもしれないものを作るサイトなのだ。だから、ただでさえ開発は時間が掛かる。その上に、使える時間も極小なので、製作期間は延びまくる。
コイルガンとか1年以内に完成すれば良いね?程度に構えている。レーザー砲もしかり。自作レーザーなど2年3年掛けて作るものだ。とっとと完成したものを見たいなら、学者先生が作ってるサイトに行けばいい。
もしくは、このサイトに来るのが2年早かったのだ。
さて、小沢電気コイルを使用しても発砲が確実ではない。不発の場合は何度かトリガーを掛ければ発砲するが・・・
しかしそろそろ我慢出来なくなり、パルス成形回路を動員する。例によって手っ取り早く仕立てたのは、ダンボール銃である(汗)
ダンボールをフリーハンドで切ってガムテープを貼りまくり、たちまち実験装置一式の出来上がり。余計な時間を使う気はない。
火災には最悪に弱いが、それさえ注意すれば数百ボルトなら充分に絶縁出来る。そして案外丈夫で軽い。何よりアッという間に作業出来る★
日本国内でさえパルスレーザーに200ジュール注入は珍しくない。特にハイパワーな実験という訳じゃない。しかしかなりドキドキする。
SSY−1に関してはアメリカで超メジャーなためレポートも豊富で、200ジュール程度で破壊されないのは分かっている。だが、それでも緊張する。
充電器のスイッチを入れて、時計を見る。ところが、20秒経っても30秒経ってもチョークコイルが鳴りっ放し。トリガートランスを焼いた前例があるので、一度スイッチを切ってテスターでPFNの電圧をチェック。100Vを少し越えた程度しかない?
どうやら、可能性の1つとして危惧していた事態らしい。
PFNはコンデンサーの放電を緩やかにするが、充電も邪魔するかもしれない。
充電器の出力は直流ではない。脈流。それがコイルで大きな妨害を受ける可能性は高い。確信は無かったが、ここまで遅くなるとはいずれにしろ想像外。何分掛かるか分からないほど電圧上昇が遅い。それでもとにかく一発は撃ってみようと待ち続ける。
集光せず15センチほどの距離から発砲。PFNはハンダ付けがどこも破損することなく、SSY−1は無事に光を吐き出した。
発泡スチロールには、散弾銃を撃ったようなクレーターが出来た。
レーザービームの強度はガウス分布・・・という教科書の記述を地で行くようなパターンである。思ったよりずっと広範囲にレーザービームの影響が及んでいる。
今度は集光して撃ってみようと充電再開。一発目よりかなり早く充電完了。嫌な予感その2がする。
一発目を発砲後もコンデンサーに大量の電荷が残っていたのではないか?
もともとフラッシュランプは電圧ゼロになるまで発光を続けてはくれない。70V程度は残ってしまうものだ。
PFNから疑似方形波が放出されると、コンデンサー電圧がなかなか落ちない。すると、かなり最後までフラッシュランプが導通し続け、通常よりも大きな比率で電荷が放出され、残存電圧が70Vよりも下がるのではないか?これが可能性その1だった。
もう1つの可能性はもちろん、放電をコイルで邪魔されて残存電圧が70Vよりも高くなること。どっちに転ぶかは、やってみないと分からなかった。
どうやら悪い方に転んだ気がする。
二発目を撃ってコンデンサーを計測すると、何と200Vほども残っていやがる!
実際にフラッシュ管に注入されたエネルギーは、たった100ジュール程度だったようだ
(;_;)
参った。PFNは使い物にならないっぽい。
一応これが動画。(MOV 428 KB)
100ジュール注入では、こんなものでしょ。
PFNを構成する20個のコンデンサーにバラバラに充電用の配線を這わせれば、充電速度は確保出来る。だが、放電時にコイルが効くようにするためには20本の配線にそれぞれダイオードを付けておかねばならない。
それらのダイオードがサージで破壊されないためには、バリスタも20個必要になる。しかもそれで充電速度を確保したとしても、半分しか放電されない状況は変わらない。
どうやら普通に20個のコンデンサーバンク構成した方が良さそうだ。
だけど、パルス成形回路が使い物にならないという事実も、実験したからこそ判明したのだ。頭の中で考えているだけでは、どう転ぶか分からなかった。
written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
Generated by MySketch GE 1.4.1
Remodelling origin is MySketch 2.7.4