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2009年12月18日(金) 21:59

Nd:YVO4の難点

 今日は、軽くギャク写真から。
 試しに手であちこち角度を動かしたが、グリーンレーザーは出なかった。結晶は暖まった。

 以前使った 1064nm 対応LBO結晶を捨てずに取っておいたのを発見し、レーザーヘッドに取り付けてみた。まるでやる気がない感じだが、これと同レベルのいい加減な調整でもグリーン変換されて当時は驚いたものだ。
 ただ、まともに角度調整を行っても変換効率はまるで上がらなかった。相場より3桁も小さな変換効率!

 変換前のYAGレーザーはコリメートしていないが、光出力2ワットが直径0.4ミリに凝縮されているのでそれなりのエネルギー密度はある。KTPを使った小型のグリーンレーザーモジュールに劣らないエネルギー密度のはずだが。

 もっとも、これで自分はマジメにグリーンレーザーを出したいと思ったのではない。このLBO結晶はコーティングが崩壊しているのだ。
 結晶を通して向こう側の景色が全く判別できないほどで、これで波長変換が出来るとは信じられない。あくまで駄目を承知の上で遊んでみた訳で、だからキッチリと角度合わせとかする気にもならなかった。

 やっぱりこのまま廃棄すべきな気がするが、レーザー関係の結晶はレア物なので、つい取っておきたくなる。どう考えてもゴミなのだが・・・

 ところで一昨日ちょっと触れた通り Nd:YVo4 には、物理的な大問題が存在する。それは、現在の技術ではまだ大きな結晶を成長させられないこと。
 Nd:YAG は長い結晶を作れるため、長いロッドが安価に流通している。ところが、Nd:YVO4 は3センチぐらいが限界なのだ。YAG棒の代わりにYVO4棒を使おうとすれば、5〜6センチはないと既存のユニットを使えない。
 だから、今でもYAG棒が使われている。理由は他にもあるにせよ、物理的限界が絶対的な制約条件となっている。

 だったら、2つ並べれば良いじゃん。

 というアマチュアならではの素直な発想で、某社にYVO4棒を2本注文してやった (^_^;)
 光共振器を構成せねばならないなら、自分だってそんなリスクは犯す気になれない。しかし増幅器であれば成算ありと踏んでいる。継ぎ目は適切な接着剤などないので、単に接触させるだけ。水冷だから水で濡らせて密着させることも考えたが、励起光を照射するとほぼ確実に100度を超えるのでアウトだ。
 しかし、レーザー結晶の端面は極めて平面度が高いので、密着させれば容易に水は侵入できないはず。侵入しても稼働中は高温になるから追い出されるだろう。駄目だったら駄目だったで、その時に考える。予算を貰いそれと代償に責任を負うプロは、こんな冒険できないだろう。それに、最近では研究所にも研究倫理委員会みたいなものがある。武装ラジコン戦車とか、歩兵用レーザー銃とか、ハナっから研究が許されまい (^_^;)

 具体的な保持方法は、もちろん考えてある。
 励起光は3方から照射されるので、それと60度ズレた3カ所で保持すれば励起光を妨害しない。

 励起LDを恒温化出来ないのも、博打の動機になっている。
 半導体レーザーは温度が変わると発振波長が変化する。一般には1度上昇すると 0.3nm ぐらい長波長にズレる。ところが、Nd:YAG は吸収波長にシビアで、1nm 単位で励起光の波長を管理しないと励起効率が落ちる。とてもじゃないが自然水冷では対応出来ない。
 Nd:YVO4 は遙かに波長許容幅が大きい。しかも、タネ火レーザーにも使われている。これはもうリスクを犯してもやってみるしかない。

written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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