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2009年12月20日(日) 16:38

LBO防湿庫

 本日、ドラクエ9のすれ違い通信が1000人を突破しました。

 さて、中古専門だが何かとお世話になっているコヒレント社のホームページに、興味深い記述があった。
 バッテリーの充電という項目だ。

 据え置き型の巨大なレーザー装置に、バッテリー充電ですか?
 そう思って内容を読むと、どうやらSHG変換を行うLBOユニットのために必要らしい。推測すると、これらのレーザー装置はLBOユニットを常時高温にキープ(148〜149度だろう)していて、いわばLBOユニットだけを対象とした無停電電源装置として専用バッテリーを内蔵している。言われてみれば、うまい手法である。
 LBOだけを暖めたままにしておくなら、消費電力は1〜2ワットで足りるはずだ。だとすれば、1年365日24時間暖めっ放しもアリだ。メリットとしては、最初にLBOを暖める時間が不用になるばかりでなく湿度を気にする必要もなくなる。LBOは少し吸湿性があり、湿度管理に注意せねばならない。しかし、常時100度以上にしておけば、吸湿性だの湿度だの、どうでも良くなる。
 消費電力は、防湿庫を稼働させていると考えれば許容内。

 プロのやり方を、パクらせて貰います★

 フル充電されたバッテリーが12〜13Vというのも、面白い。自分もLBOユニットは12V動作を考えているからだ。LBO結晶を保持する小型のホルダーを加熱するには、超小型のヒーターが適している。普通サイズのヒーターと違って、電源は12Vあたりとなる。市販品レーザー装置の内部構造は不明だが、LBO周りは自分の頭の中にあるのとそっくりかもしれない。
 ただ、基本波レーザーをLBOに照射するにあたり、どのような光学系を使用しているかというキモは本当に不明。

 当初はLBOを恒温化するために耐熱ペルチェを考えていた。だが、ペルチェでは150度まで加熱出来ないので断念。
 ペルチェは作り出せる温度差が小さい。60〜70度しかなく、2段重ねにしても冬場は150度を出せない。しかも、耐熱ペルチェは市販されている種類が少なく、小サイズのものがない。
 以前CPU冷却にペルチェを使っていたときに、放熱不十分でペルチェが過熱し内部のハンダが溶けてバラバラになってしまったことがあった。だから、ハンダが溶けるぐらいの温度に加熱可能だと思っていたが考えればそれは低温側が熱い熱いCPUだったからだ。低温側が室温となる今回の状況では、150度は無理と思われる。

 更に、LBOは吸収係数が小さい。0.1〜0.3%なので、100ワットのYAGレーザーを通しても大して加熱されない。少なくとも、既に150度になっているLBOが更に高温になるような状況は考え難い。これは、LBO恒温化に際しては冷却を考える必要はなく、加熱だけ考えれば良いということだ。かくして完全にペルチェは不用となり、ヒーターだけで良い。

 サーミスターとしては石塚電子の 104CT-4 が150度近辺で扱い易そうだ。鈴商で手に入る。
 制御する上で知りたいのは、所定の温度よりも高いか低いかであり絶対値はそれほど重要ではない。サーミスターは精度はともかく安定性にすぐれるからピッタリである。R1には温度係数の小さな高級抵抗を使う。これで、温度が同一なら電圧分圧比も同一になる。
 R2およびコンデンサーは、ノイズを除去する単なるローパスフィルター。

 サーミスターとR1に加わっている5Vを PIC16F88 の基準電圧と共用すれば、電圧が変動しても A/D 変換値は影響を受けなくなる。これで正確な分圧比が取得でき、非常に高精度な相対温度を取得出来る。
 10ビット精度だと150度近辺において、0.2度刻みで温度の上下関係を分解出来る。PICのプログラム次第だが、上下1度未満の幅にLBOの温度をキープするのはそう難しくないと思われる。

 ヒーターの制御は、PIC16F88 のPWM機能でFETをスイッチングする程度で十分だろう。

written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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